八ヶ岳・赤岳東稜

2002年2月9日〜10

9日4時30分港南台で杉浦氏をピックアップし、キッツメドウズスキー場の上の駐車場まで3時間。ここの駐車場はスキーをしなくても無料である。準備をして8時に出発、天気は曇り。林道入り口からワカンをつけて歩き出す、新しいトレースがあったが、すぐにトレースの主に追いついた。単独で東稜を目差すとのこと。先行者を追い抜くと、ここからはラッセル。しかし、去年に比べると雪が締まっており、深いところでも膝下くらいだったのは幸いだった。県界尾根の分岐点からは大門沢に沿って進む。最後の堰堤から沢に入り、最初の二俣で昨年再戦を誓って木に結び付けた細引きと1年1ヶ月ぶりの再会を果たす。今回は正しく左にルートをとると本当の二俣までは特に問題になるところはない。右俣に入りしばらく進み左手の尾根にのる、ここからは樹林帯の急な登りとなりさすがにペースは上がらなかった。ときおり木の間から赤岳のセンターリッジなどの大門沢奥壁の岩場を眺めることができた。なかなかの迫力である。ラッセルに疲れたころ、ようやく目標の第一岩峰の下に到着。斜面を削って幕営した。 

駐車場8時〜県界尾根分岐8時50分〜二俣1145分〜2時45分BP 

10日6時45分出発。天気は曇り。第一岩峰まで少しラッセルし正面から雪面を左にトラバースし、急な草付から取付く。1P杉浦リード。急斜面の雪にステップが決まらずなかなか進まない。2P目源水がそのまま直上しようとトライするが、草付から岩場にうつる一歩がどうしても登れず敗退。杉浦が少し左の草付きから岩場の凹角に抜けるルートをダブルアックス、木登りを交え突破し稜線上に出る。第一岩峰から第2岩峰までの間は、トレースをつけるのがもったいないような奇麗な雪稜が続いている。左右がスッパリ切れているので慎重に進む。第二岩峰は基部でハーケンを打ち、源水リードで左に雪面をトラバースし、適当なところから稜線に向かう。45M一杯伸ばしたが届かず、次のピッチは杉浦リードで稜線まで。稜線直下はほとんど垂直の草付となっており頼りない木の枝をつかんで強引に体を引き上げた。第二岩峰上から龍頭峰までは傾斜が緩くなりラッセルをしながら登る。1320分ようやく終了点に到着した。主稜線にでると猛烈な風が吹いており、完登のお祝いもそこそこにすぐに下山を開始する。下山は真教寺尾根から。東面に入ると風はおさまった。一応2泊分の用意はしていたのだが、トレースもありなんとかなりそうだったので当日中に下山することに決定。しかし、体力的には限界を過ぎており、2人とも下りしか受け入れられない体になっていた。扇山、牛首山の登り返し(登り返しというほど急ではない!)はヨロヨロしてしまった。予想以上に時間がかかり、スキー場手前で暗くなり、ヘッドライトのお世話になってしまった。最後は営業の終わったスキー場のコース脇を通りなんとか駐車場に到着。

BP645分〜第二岩峰下1020分〜龍頭峰1320分〜駐車場1840

 昨年発売のアルパインクライミングの本にルートガイドが載っていたので他のパーティーが入っているかなと思っていたが、2日間我々だけでトレースをつけ昨年の雪辱を果たすことができて良かった。雪の付きかたによって違うかもしれないが、杉浦氏のリードした2Pはかなり苦しかった。東稜は目立たないルートだが、なかなか登り応えのあるルートだと思います。 

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