八甲田山 山スキー

日程:2022年3月7日〜14日

<行動記録>
 事前
 3月5日にRWは運休で、酸ヶ湯ツアーは地獄湯の沢を登り、箒場へ行っている。6日にもRWは運休で、火箱沢に行っている。

 3月7日(月)天気:曇り
 東京駅6時32分発の東北新幹線はやぶさ1号で新青森駅に向かった。東京は晴れで、東北も晴れていた。7時過ぎに八甲田ロープウエイの運行状況を確認すると、強風のため運行中止とあった。しかし、9時過ぎには風が弱まり、運行していたので安心する。盛岡駅で在来線の接続で4分ほど遅れて、9時53分に新青森駅に着いた。

奥羽本線で新青森駅を10時00分に出発して青森駅に10時06分に着いた。酸ヶ湯温泉の送迎バスは10時15分に出発した。途中の萱野高原では八甲田の山頂が見えていた。酸ヶ湯温泉に11時20分に着いて、身支度を整え12時30分発のロープウエイ駅行きの送迎バスで出発する。

八甲田RWの山麓駅に12時40分に着き、13時発のRWで山頂に上がると、霧のため視界が30mほどであった。まずは足慣らしとダイレクトコースを滑る。中腹より視界が開けて林間へ入ると、さほど荒されていなくて快適に滑ることができた。 2本目も14時のRWで山頂駅に上がり、ダイレクトコースを滑る。雪が降り始めていたので明日のツアーでリセットされると良いと思った。中腹より右の林間へ入ると快適に滑った。次に左の林間へ入り、リフト降り場まで滑ったが快適に滑ることができた。

16時の送迎バスで酸ヶ湯にもどり、チェックインをして明日のツアーの申し込みをした。夕食後には眠りに入った。

3月8日 天気:晴れ
AM田代元湯コース
6時20分に起床する。7時過ぎにRWの運行状況を確認すると、気温山頂駅で-8.0℃、山麓で-5.6℃、西の風13m、積雪420cm、降雪10cmと思いのほか雪が降ったようだ。
9時のツアーバスでRW山麓駅に9時10分に着いて、9時15分発のRWで山頂駅に上がる。ガイドからツアーの出発は9時45分と連絡があった。カメさんチームに入る。
9時50分に山頂駅から山頂にツボ足で上がる。赤岳から大岳の稜線が見えていて良い天気である。田茂萢湿原に滑り込み、シールを付ける。ここから赤岳からの稜線が良く見えた。シール登行をしていくと、樹氷が綺麗であった。赤岳の北西の斜面が良く見えた。途中で休憩して、鳴沢台地の北東斜面に出る。シールを取り滑走準備に入る。
先行するウサギさんチームが滑った、左奥のノートラックを滑る。いい雪で快適に滑り降りる。そしてシールを付けの登行となる。123高地(1232m)のピークの北東斜面に出る。すると八甲田温泉ルートの斜面が良く見えた。そして、中斜面を滑るが今日降った雪でしかも軽い雪があり、気持ちよく滑った。

 それから標高1150m付近から樹林帯のツリーランを楽しむ。樹林帯は軽い雪が溜まっていた。850m付近で休憩して、スキーが良く走る雪で気持ちよく滑り12時25分林道に出る。迎えのバスで八甲田RW山麓駅に12時30分に着いて、12時40分のRWで山頂駅に上がる。山頂駅から青森市内と陸奥湾が良く見えた。

PM:鳴沢第二露営地〜銅像
 午後のツアーは鳴沢第二露営地コースで13時50分にスタートして、山頂にあがり、滑って行く。田茂萢沢に滑り込むがとてもいい雪があった。底に滑り降りてシールを付ける。鳴沢台地の西に出て、滑走準備に入る。最初は沢筋を滑り、右の樹林帯へ入って行く。途中沢に入るところが急であったが、その後はツリーランを楽しむ。15時15分に林道に出る。
 明日は晴れなので山越えのようだ。青森市内では明日は最低気温-7℃になる見込みなので良いかも。

<行動記録>
 午前 9:50ツアースタート‐12:15田代元湯
 午後 13:50ツアースタート‐15:15林道着

<3/8の雑感>
 明け方から降っていた雪が思いの外積もり、快適な滑りを堪能できたことは嬉しいが、やはり3月でパウダーの時期とはかなりの隔たりがあるのは、仕方ないと思った。

 3月9日
山越え:大岳肩〜箒場
 7時にRWの運行状況を確認すると、気温山頂駅で‐8.7℃、山麓で-4℃、天気は晴れ、西の風4m、積雪420cm、降雪0cmと山越えには最高の天気である。

 9時にツアーバスが出発、RW山麓駅に9時15分に着いて、9時20分のRWで山頂駅に上がる。シールを付けて10時05分に歩き始める。赤岳・井戸岳・大岳が青い空に映える。後ろには岩木山が見える。

 田茂萢岳山頂に上がり、シールを取り滑走準備に入る。良い雪があり気持ち良く底に滑り込み、シールを付けて登行する。暑いのでアウターを脱いで行動する。途中では岩木山が綺麗に見え、大岳の八甲田ブルーが美しい。尾根の途中で休憩して、大岳避難小屋に12時15分に着く。
暖かいので外でランチをする。12時50分に歩き始め、大岳の肩へ登る。肩でシールを取り滑走準備に入る。ここまであがると風があった。

 少しトラバースすると良い斜面がまっていた。柔らかい雪で快適に滑る。そこから、隊長ガイドで井戸尾根のルートを長めの滑りをする。上部は少し固めであったが、その後は走る雪で快適に滑る。尾根を滑りって行き、沢を渡るところでは雪庇をさけ行く。ロケーションも良く気持ち良く滑った。
 高田大岳の下部で休憩して樹林帯に入る。軽い雪のツリーランを楽しみ、14時40分に箒場に着いてツアー終了となる。
<3/9の雑感>
 昨日よりの降雪は無い。しかし、晴天での山越えはやはり楽しい。1.2月とは違って景色を見ながらゆっくり行動できる。休憩していても寒くなくのんびりできる。

3月10日 天気:快晴
山越え:井戸岳〜赤倉大斜面〜箒場
7時の八甲田RWの状況を確認すると、気温山頂駅-7.6℃、山麓-3.5℃、西の風6m/s、積雪410cm、降雪0cmと少し気温が高いのが気になる。
 9時のツアーバスで八甲田RW山麓駅に9時10分に着いて、9時20分のRWに乗車して山頂駅に上がる。ツアーはシールを付け9時50分に出発する。岩木山、赤倉岳、井戸岳、大岳が青空に映えてきれい。10時17分に田茂萢岳山頂に上がり、滑走準備に入る。10時22分に昨日より右目の斜面を滑る。走る雪で楽しく沢に滑り込む。
シールを付け大岳避難小屋目指して登る。八甲田ブルーに浮かぶ大岳の雄姿を見ながら登る。風が無いのでアウターを脱いで登るが寒くない。

 尾根の途中で休憩をして、大岳避難小屋へ、その手前の所の雪の壁が高かった。12時00分に避難小屋に着いて、中でランチをする。

 12時35分に避難小屋から井戸岳へ回り込むように登り、13時15分に井戸岳山頂に着いた。こんなに風の無い井戸岳山頂は初めてである。
 13時25分に赤倉岳の方へトラバースしていく、ガイドが雪の状況確認しながら少し降りて行く。そこから赤倉の大斜面に滑り込むが、上部はやや硬めで慎重に入り、その後は柔らかくなり気持ち良く滑る。そして、左へ回り込み、尾根上の南斜面を滑る。シュカブラが少しあるが適度な中斜面で気持ち良く滑る。雪質は下るにしたがってますます良くなる。  沢を越えて休憩する。その後は樹林帯を行く。やや重ながら滑る雪で快適に箒場に到着する。

<3/10行動時間>
 山頂駅9:50-10:17ニセ田茂萢岳10:22-寒水沢10:45-11:15尾根上で休憩11:30-12:00大岳避難小屋12:45-13:15井戸岳13:25-14:45箒場

<3/10の雑感>
 昨日と同様に晴れで、しかも暖かいので、のんびり山越えをした。井戸岳の山頂でのんびりできるとは思わなかった。気温が上がりすぎたためか、天気は昨日の方が良かったかも?

3月11日 天気:曇り
 AM:前岳肩〜銅像 PM:湯治
 7時の八甲田RWの状況を確認すると、気温-5.3℃、南西11m/s、積雪400cm、降雪0cm
北海道の西に低気圧があるので、温暖前線と寒冷前線の間に八甲田が挟まれるので、南風が入り、気温が上がるようだ。しかも午後は風が強くなりそうである。
 9時のツアーバスに乗車して、9時20分のRWで山頂駅に上がる。今日のツアーは7名で、しかも、ウサギさんチームは参加者3名にガイド2名とこじんまりしている。
 9時50分にツアーはスタートをする。ツボ足で山頂に上がり滑りだす。天気は曇りだが赤倉岳からの山並みと陸奥湾が良く見えている。田茂萢沢の0.5番の斜面に入ると、風のためリセットされノートラックの斜面である。雪庇の下から入り、その後は快適な滑りで良い雪である。底に滑り降りてシールを付けて行く。雪が降っていないので硬めなところをシール登行する。前岳の鞍部に差し掛かると、何と風が強いことか。春一番と言ったところか?
この風ではRWは運休かもと心配になる。前岳の肩まで来るといささか風を避けられた。

 シールを外し、まずはガイドが雪の状態を確認する。そして、沢筋の所に入って行くと何と良い雪か、気持ち良い滑りができた。その後、林間に入り走る雪で楽しい。途中で休憩して、RWを確認するとやはり運休とあった。林間下部は気温が高めなので、ややストップ雪になっていたので、スピードに気を付けて滑った。そして銅像茶屋に11時40分に着いてツアーを終了する。酸ヶ湯温泉に戻り、風呂に入り缶ビールを飲みまったりする。

<3/11行動時間>
 山頂駅9:50-山頂10:00-10:15沢底(シールを外す)10:18-10:42前岳肩10:45-11:20銅像茶屋

<3/11の雑感>
 3月8日から雪が降っていないが、大岳、井戸岳、前岳の斜面が風のため、リセットされていたので、ノートラックを滑ることができた。また、気温が低かったので思いのほか山スキーが楽しめた。

 3月12日 天気:曇り
 AM:八甲田温泉ルート
  7時に八甲田RWの状況を確認すると運行予定とあったので安心した。
 9時のツアーバスでRW山麓駅に着き、9時30分のRWで山頂駅に上がる。ガイドから強風のため、箒場から八甲田温泉にルート変更の指示があった。ウサギさんチームに入りシールを付け10時に行動開始する。赤倉岳から井戸岳・大岳が見えている。途中で休憩して鳴沢台地の北東斜面に出る。
 上部は雪庇があり硬めで斜度があるので斜めに滑り込み、大き目のターンで滑る。中頃よりいい雪になった。

 底に滑り込み、シールを付けずに階段登行とトラバースで移動していく。八甲田温泉ルートの本斜面の左の沢目に入る。貸し切りチームは本斜面に行ったようだが硬そうである。
 上部は硬めなので慎重に滑り、中頃より良い雪となって気持ち良く滑る。下で休憩を入れて、樹林帯に入って行く。すると昨日の暖かさの影響からガタガタである。スピードを出さずに、樹林帯の急な所は斜滑降でクリアする。その後もガタガタでとっても疲れた。

 迎えのバスで八甲田RW山麓駅に着くと、風速が22m/sとRWの運休の前に早々に山頂駅に上がる。午後のツアーは14時にスタートをする。風が幾分か弱くなったように感じる。

 PM:前岳肩〜銅像
 山頂に上がり田茂萢沢の3番に入る。テレマークと山スキーの4名の強者はほぼ直滑降で滑って行った。我々は斜めに入り滑る。予想以上に意外と良い雪でした。シール登行して前岳の肩へ上がる。シールを取り、北尾根の手前の沢までトラバースをしていく。沢目の左側を行くと良い雪でした。その後、北尾根の方にトラバースして行く。沢の手前の樹林帯に入って行くとノートラックがあった。樹林帯は良い雪でした。沢を渡り樹林帯下部へ、硬めなのでスピードに気をつけて15時25分に銅像茶屋に到着する。

 3月13日(日)天気:雪
 山越え:大岳避難小屋〜大井戸沢〜箒場
 9時のツアーバスでRW山麓駅に移動する。RWは一本待ちの9時30分に乗車する。山頂に上がり、酸ヶ湯ツアーは山越えと知らされる。今日は低気圧の接近で12時に雪マークと天候悪化が予想されるので、箒場で雨にならないことを祈る。 10時05分にツアーはスタートをする。シールを付けず山頂駅から滑って行く。田茂萢湿原に滑り込み、ツボ足で宮様ルート入口まで移動する。小雪であるが視界は得られている。

10時20分に滑り出して、トラバース気味に滑る。いつもより高い所でシールを付ける。尾根の途中で休憩する。濡れ雪で、早々に出発する。大岳避難小屋に11時45分に着いた。小屋の中でランチをする。12時20分に小屋を出ると風向きが変わっていた。しかも、雪が強くなり、一段降りるとガスが出ていた。他の参加者のスキーの板に雪が付くトラブルが発生し、行動が遅くなる。井戸沢に入ると良い雪でしたが、スキーを楽しむより、ガスで先行者を見失わないように滑る。台地の下部で回り込むように滑ってから小滝沢を渡って、高田大岳の下部へ長いトラバースをする。 そして、樹林帯に入るとストップ雪でスピードに気をつけて行く。下部はトレースに従って行かないと板が滑らない。13時20分に箒場に到着しました。

<行動時間>
山頂駅10:05-宮様入口10:20-シール登行開始10:50-11:45大岳避難小屋12:20-13:20箒場
<3/13の雑感>
低気圧の接近で昼頃より雪マークであったが、9時の時には小雪が降り始めたが、視界があったので、山越えが出来たのだと思う。山頂駅からシールを付けずに行動したのは、時間短縮の効果は大であり、昼前には大岳避難小屋に着くことができた。

 3月14日(月)天気:曇り
 AM:前岳肩〜銅像
 7時のRWの状況を確認すると、気温山頂駅+0.2℃、山麓+2℃、北の風3m/s、積雪390cm、降雪0cmで、低気圧の接近で天気は曇りとあった。
 9時のツアーバスに乗車して、RW山麓駅に向かうと何と濃い霧に包まれている。天気が悪い為か乗客は少なく9時20分のRWに乗車して山頂に上がる。

 ツアーは9時50分にスタートをする。カメさんチームに入る。天気は曇りで気温が高くしかも風はほとんど無く視界があるのが幸いである。しかも滑るコースは良く見える。山頂からスタートをして直ぐに左へ入って行く。意外にも雪は良くスキーが滑る。雪面の一部は黒くなってきて春(4月)のようである。3番の斜面の左に入り回り込むように底に滑り込む。
 シールを付けていると、雲海と空の雲の間に青空が広がり綺麗であった。シール登行をしていく。樹氷はかなり落ちてきていいる。
 10時50分に前岳肩までくる。ウサギさんチームが手前の斜面を滑っている様子を見るとスキーは走っているように見える。我々も滑走準備に入る。ガイドさんから板のテールを雪面に差すと板を履くときに流さなくてすむと指導される。11時00分に沢目の右よりの斜面を滑ると、何と良いゆきか!期待していなかっただけ感激した。

 そこから樹林帯に入っていく1Pは良い雪であったが、その後はやや重になり、足をつかまれ始める。沢を渡り樹林帯の下部は重いのでトレースに沿って行く。11時25分に銅像茶屋に到着する。
 迎えのバスに乗り、酸ヶ湯に戻ると12時少し前なので、13時15分のJRバスに間に合いそうだ。いそいで荷造りをして、荷物の手配をして風呂に入る。
 13時15分発のバスで青森駅に14時45分に着いて、大黒寿司に行き、生ビールを飲み寿司ランチを食べる。市場でリンゴを買って、新青森駅に出る。
 カフェ「水とコーヒー」で珈琲を飲み、今日の記録をまとめた。
<行動時間>
 山頂駅9:50-山頂10:00-10:50前岳肩11:00-11:25銅像茶屋
<3/14の雑感>
 低気圧の接近で雨が降るかもしれないと思ったが、朝の天気予報では曇りとなっていた。しかも、気温が+なので期待をしていなかったが、田茂萢沢の滑りや前岳肩からの滑りはとても良かった。4月上旬の春スキーのような快適さであった。しかし、樹林帯下部はスキーが走らないので、トレース沿いに滑った。

<総合雑感>
 3月の上旬のこの時期の八甲田は初めてであったが、今年は3月に入り一挙に春めいているように思う。この一週間で気温がかなり高くなったように思われる。また、数年前に松嶋氏が八甲田で行われた、雪崩アバランチ講習会に参加した時は、気温が-18℃まで下がり大荒れであったことが頭の中であったので少し拍子抜けをした感がある。また、以前に3月20日前後の八甲田に参加したときは寒気が入り、40cmのパウダーを味わうなど、良い思い出をしたことが多かったこともあり、今年は春の訪れが早いのかと感じた。
 8日の朝に降った雪が良くて、8日の八甲田温泉、銅像コースは最高であった。段々と悪くなったが、銅像の前岳の斜面は裏切られず中々良かった。下部の樹林帯は重かったり、ガリガリだったりと気温に左右される。
 今回は一週間の行程で一度もツアー中止が無く7日連続で酸ヶ湯BCツアーに参加できたことが嬉しい。


記録:KOS



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