北ア・蓮華岳・烏帽子岳(烏帽子岳登頂せず)縦走

日程:2019年7月22日夜〜26日

<行動記録>
7月22日(月)
 心配していた梅雨明けが遅れ、22日の天気予報では23日は曇り後雨、24日は曇り後晴れで24日と25日は何とか行動できそうなので安心した。頭書はNM氏も蓮華岳のみ参加の予定であったが、3日前にキャンセルの連絡が入る。

 22時に毎日新聞社のある竹橋駅に集合で21時半過ぎに行くとすでにARA氏は到着していた。コンビニで酒を買ってロビーで山行の無事を祈り乾杯する。22時30分にバスが出発する。バスは3列シートで乗客は10人程度でガラ空きの状態で、思いっきりシートを倒して安らぐ。バスは新宿都庁に寄り、七倉経由で扇沢駅に向かう。

 7月23日(火)天気:雨後晴れ
扇沢駅に予定より遅れ5時に到着する。晴れており稜線は見渡せた。天気予報では午後から崩れる予報である。朝食のおにぎりを食べ登山口で登山届けを提出して5時25分に歩き出す。林道を数回横切って歩いて行くと見事な虹が出ていた。

最初は大門小屋まで高巻きの道である。途中休憩を入れ、大門小屋を7時に通過する。沢に降りて少し川原を歩く。10年前より雪渓の雪は短いように感じる。  雪渓の取り付きに7時43分に着く。この頃より霧雨が降り始めた。前方の雪渓上部では雲行きが良くない様子。アイゼンを付け雪渓の寒さ予防で雨具の上着を着用して歩く。8時30分頃より雨が強くなり始め雨具のズボンを着用する。
雪渓の喉の急な所を越えて休憩する。そこから20分ほど登ってところでアイゼンを外し夏道に入る。左の沢沿いの登山道を登り、最後の水場のところで休憩する。この先は砂の斜面をジグザグに登って行き10時45分に針ノ木小屋に到着する。直ぐに受け付けを済ませ雨具などを乾燥室へ干す。
まずは食堂で生ビールを飲む。11時半頃には雨があがり、14時頃には槍ヶ岳や前穂高岳が見えて、小屋の外で景色を眺めながらビールを飲むのは最高である。小屋の方によると4月に雪が降った関係なのか例年よりは雪はあると言うことである。しかし、10年前に比べかなり手前でアイゼンを外した。この日の宿泊は35名程度であった。また、明日の天気を確認すると15時頃から雨マークが付いているが、概ね晴れそうで安心する。また、長野県の山岳パトロールの方も明日は梅雨明けしたような天気図だと言っていた。  17時半から夕食でサバの味噌煮が出て美味しかった。夕食後は夜行バスで寝不足で早々に床に入った。

7月24日 天気:晴れ
 4時半に目が覚める。窓から外を見ると槍ヶ岳が見えており天気は良さそうである。24日と25日共に晴れのようである。5時20分に朝食を頂き、6時05分に歩き出す。山小屋の脇から急な登りとなり、朝一なのでゆっくり歩いて行く。急登が終わると登山道は比較的平坦になり、その先に蓮華岳の頂きが見えた。足元の登山道は砂レキで多くのコマクサが咲いており、その見事さに感動する。蓮華岳の頂上には祠があって、その先に頂上の三角点があった。
休憩して、長い下りに取りかかる。ガレの下りで多くのコマクサが見事に咲いている。50分ほど下って岩場が出はじめたところで休憩を入れる。その後に長い鎖が出てくる。25分ほどで2245mの鞍部に達した。そこから登りになるのだが、ハシゴあり、足元が崩れたところもあり、途中で休憩を入れて10時00分に北葛岳に到着する。すぐ近くに昨日泊まった針ノ木小屋が見える。直線距離は近いが登山道はぐるっと回り込んでいるのだ。北葛岳から下り10時55分に鞍部に着き休憩し、登り返し11時55分に七倉岳に到着する。

七倉岳から小屋へ向かう途中にテント場を確認に行って、13時45分に船窪小屋に到着した。すると、小屋の方が鐘を鳴らしお茶を入れて待っていてくれた。何と心温まる待遇だと思った。まずはビールを飲もうとすると越冬ビールが300円で売っていたので、それを飲み喉を潤して、幸せを感じるところである。
受付をしてからも、小屋の外のベンチでビールを飲みのんびりする。結局、この日は雨は降らなかった。小屋の周辺にもコマクサが咲いていた。
 夕食は17時からで、周辺で取れた山菜の天ぷらとビーフシチューが出され美味しかった。この小屋はNHKでも取り上げた松沢氏の小屋でランプの宿で有名である。もうご夫妻は老齢で小屋には居ない。

19時頃にお茶会でネパールのチャイがだされ、小屋の方の話しを聞いた。この日の宿泊者は20名ほどであった。20時頃に就寝した。

 7月25日 天気:晴れ
 朝4時に起床すると、槍ヶ岳が良く見えた。立山から五色ヶ原、薬師岳の稜線も良く見える。5時に朝食を食べ5時32分に小屋を後にする。
昨日に見に行ったテント場を経由して下って行く。そして、一つのピークを越えて下った所が、分岐点で休憩を入れる。この後の岩が崩壊して崩れ、登山道に至るところにロープが張られたり、細い木が渡されたりしているのだが、修復しても直ぐに崩れるほど岩が脆い。船窪岳第二ピークへの登りで休憩を入れて、ザレタ登りを登って行くと8時05分に展望の得られないピークに飛び出る。そこから傾斜の緩やかな登山道を25分ほど下ってから休憩する。地図で確認するとこの先、小さな2つのピークを越えて、登ると不動岳になる。このルートも痩せ尾根が出てきて、ロープが至るところであり、慎重に行動する。2つめのピークを越えたところで休憩して、不動岳の登りを登って行くと頂上直下に鎖が出てきて、台地状の頂上に出る。10時35分に頂上に着くと、烏帽子岳がすぐ近くに見えてきた。
不動岳から南沢岳までかなりの下りがある。南沢乗越まで35分ほど下って、登り返してザレ場の手前で休憩をする。ザレ場を登って行くのだが、登山道の片側が崩れ落ち、慎重に登る。逆に下りだと恐怖感が現れるところだ。12時25分に南沢岳に到着する。頂上付近は広く、ここでも多くのコマクサが咲いていて綺麗であった。頂上から烏帽子岳の方を見ると登山道は下りで沼があって景色が良いところだ。
沼の付近は高山植物が多く、満開で綺麗であった。13時35分に烏帽子岳への分岐点に着いて、「烏帽子岳へ行きますか?」とARA氏に尋ねると「以前に行っているので行かなくて良い」ということで行かずに烏帽子小屋へ急いだ。14時15分に着いて受け付けをした。この小屋でも越冬ビールが400円で売っていたので購入して、直ぐに乾杯をした。17時半の夕食まで珈琲を飲んだりしてまったりした。夕食はビーフシチューが出て美味しかった。夕食後18時過ぎに就寝した。
7月26日 天気:晴れ後曇り
 4時半過ぎに起床する。小屋から赤牛岳の方の稜線が綺麗であった。
5時過ぎに太陽の陽が当たり特に綺麗であった。
 5時半に朝食を食べ、6時05分に歩き始めた。小屋から登山道を少し戻り、2551mのピークまで少し登ると昨日歩いた南沢岳から不動岳の稜線が見えた。南沢乗越あたりの山肌が現れ、崩壊しているのが分かる。その後はブナ立尾根を下って1時間ほどで三角点に着き休憩する。もう一度休憩した後、権太落としを8時15分に通過して、橋を8時50分に通過して、木陰で休憩して、高瀬ダムに9時20分に着く。
タクシーが居なかったので、その後も歩いて10時30分に七倉小屋に着いて、風呂に入ってさっぱりして、食堂で生ビールを飲んだ。小屋の前にタクシーが待っていることもあるが、この日は高瀬ダムへ行くタクシーに声をかけて、下ってくるときに乗せてもらうようにした。

11時40分にタクシーが来て、大町温泉郷まで乗車して、大町温泉郷から12時15分発の長野駅行きのバスで長野駅に出て、反省会を行い15時23分発の新幹線あさまで上野駅経由で横浜に帰った。

<行動時間>

 7/22 竹橋駅22:30発
 7/23 5:00扇沢5:25-7:45雪渓末端8:00-9:30雪渓上-10:45針ノ木小屋

 7/24 針ノ木小屋6:05-7:10蓮華岳7:20-10:00北葛岳10:10-11:55七倉岳12:05-13:45船窪小屋

 7/25 船窪小屋5:32-6:18分岐6:28-8:05第二ピーク-10:35不動岳11:00-12:35南沢岳12:45-14:15烏帽子小屋

 7/25 烏帽子小屋6:05-9:20ダム-10:30七倉

<山行雑感>
 梅雨明けが遅れ天候が心配であったが、23日は雨が降られたものの、24日からは雨に降られずに山行を終えることができて良かった。このコースは登山者が少なくて、静かな山歩きができた。コースはかなり荒廃(雨による浸食が進んだ)して、登山道を修復しても直ぐに崩壊するらしく、修復がなかなか行われないようで、北アルプスで最も登山者の少ないコースであると長野県山岳救助隊の方が言っておられた。  蓮華岳はコマクサがこれほど素晴らしいとは想像していなかったので梅雨開けの時期の蓮華岳は一見の価値があると思う。また、船窪小屋は夕食が良いことで有名であるが、小屋近くで採れた山菜の天ぷらとビーフシチューが美味しかった。また、就寝前の19時頃より本場のチャイが出されたことと、ランプの風情があって良い小屋でした。そして、展望が良い場所にありました。

記録:KOS


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