八ヶ岳連峰 阿弥陀岳南稜→御小屋尾根

日程:2019年10月19日(夜)?10月20日

【行 程】
10月19日 海老名駅19:00出発→道の駅こぶちざわ 22:00着(仮眠)
10月20日 4:30起床→舟山十字路 6:00出発→立場山8:22通過→青ナギ8:40通過→無名峰(2541m)9:13登攀装備→P3 取付10:30→尾根上12:30→P4取付12:50→阿弥陀岳山頂(2805m)13:10着→山頂発13:35→御小屋山(2137m)15:40→舟山十字路(1636m)16:50

【記 録】
6:45に広河原沢を渡る。
昨夜の雨の影響も無く楽に渡渉ができました。
堰堤の真前に立木があります。目印にしてここから急登の始まりです。
2057mまで一気に登って休憩をとりました。汗をかいた体はじっとしていると冷えます。早々に出発します。
青ナギから望む阿弥陀岳山頂に伸びるスカイラインは圧巻です。
黄葉もチラホラひととき景色を楽しみます。
P1はいつの間にか通過していました。P2は左から巻き気味に通過しました。
P1とP2の間にテン場となるスペースがありました。
積雪期の幕営の適地とのことです。


P3はもうすぐです。今日の核心部に少しドキドキします。
P3は直登ルートと50m程左下にトラバースして樋状のルートがあります。
樋状のルートの下部からロープを出して2Pで登ります。水が流れていました。
Nリーダーがリードで先行して中間地点でボルトを2本打ってくださいました。

50mロープ2本引いて上がりましたが、終了点のアンカーの強度に不安があるためロープ1本のみを固定し、後続者は順次アッセンダーで登り、最後の人が確保されて登りました。

2P目はYAMAさんが50mロープ2本でリードしました。ここでも、ロープ1本を固定して1P目と同じようにして登りました。

上部の島状岩のかなり右側を巻くように左上します。草の中は階段状に踏み跡ができていました。

積雪期は難易度が上がるのは想像できました。
2P目終了点のアンカーは上部の岩を過ぎた所の木の根元と別の木の枝を利用して構築です。

終了点から、ロープ無しで残り5m程登ると尾根上に出ました。
Nリーダーのトランシーバがとても役に立ちました。P3の樋状ルートは距離が90m程あり声が届きにくい状態です。

P4は左から巻き気味に登ります。


P4からルンゼ状を抜けたところでホシガラスに遭遇しました。
阿弥陀岳山頂直下は、左のザラ場から踏み跡をたどりました。積雪期は右の岩場の方も登るいそうです。
13:15 阿弥陀岳山頂を後にして御小屋尾根を下山します。
展望もあり山頂からは赤岳や富士山、反対側には槍ヶ岳や穂高連峰も見えました。
最初の1時間位は石ころだらけの急坂で気を抜けない状態でしたが、御小屋山を通過してからは、気持ちの良いハイキングコースでした。
16:50 紅葉の下最後の1台となった車の待つ舟山十字路に到着しました。

記録:MATCH

追記:
 P3の樋状の登攀は、ロープを使う場合は、従来1P目終了点はルンゼから右の斜面を数メートル登ったところにあった灌木をアンカーに取るのが定石だったと思います。50mロープギリギリのところにありました。以前来たとき(2012年12月)も、枯れていましたが、姿はちゃんと見ることができました。今回見たら、その灌木は草むらの中に完全に隠れている状態で、草をかき分けて捜さないと分かりませんでした。状態もグラグラで、根に近い部分と思われるところが何とかプロテクションとして利用できるかなという状態でした。雪が積もればなお捜しにくいかもしれません。

 なので、今回は1P目終了点のアンカーは別に取ることにしました。ルンゼを登っていくと目の前に突き当たるモッコリとした岩のやや右下端にある残置のリングボルトとその2.5mくらい上の右よりにある残置のやや浮いたリングボルトの二つをとりあえず使ってアンカーとして固定分散でロープ1本を固定しました。ビレイ用のアンカーとしては強度に不安が残るので、同じ岩に2本ボルトを打って補強することにしました。この岩であれば積雪があっても捜しやすいかと思いました。しかし、この岩自体が脆い岩質なので、やはり強度には不安が残ります。使用する場合には、4本全部のボルトを使った方がいいと思われます。その際、一番上のリングボルトはかなり離れているので、240p程度のスリングが欲しいです。

 また、1P目をルンゼの中の岩で切る場合は、特に落石や雪崩の通路になりやすい場所なので、その点の注意も要すると思います。
 2P目は、この岩のボルトを1P目の終了点とすると、ルート取りにもよるかもしれませんが、50mロープだと尾根上まで届かないと思います。尾根の手前の灌木で切ることができると思いますが、特に積雪期はそこから尾根まで歩くか、ロープを出すかは、パーティの力量と積雪の状態によって判断することになると思います。ロープを出す場合の3P目の終了点のアンカーは尾根上のピナクル状の岩に180pくらいのスリングを回して取れると思います。(N)



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