丹沢・水無川源次郎沢右俣

日程:2019年11月9日(土)

行 程:
小田急渋沢駅8:20=バス=8:35大倉8:40→10:20戸沢の東屋10:35→10:45入渓→11:00F2→11:15F4→11:30F512:00→12:05二俣12:20→12:25F613:05→13:30F7→13:35F8→13:55F9→14:10F1015:05→15:25左尾根上→15:45花立山荘50m下の登山道→15:50木の段々下の踊り場(沢装備解除)16:15→18:00大倉18:08=バス=渋沢駅

天候に恵まれて、渋沢からのバスは登山者でいっぱい。大倉で登山計画書を提出してから風の吊橋を渡り戸沢林道を戸沢まで歩く。戸沢の東屋(県立戸沢休憩所)でトイレを済ませ、沢装備を着けた。天神尾根方向へ向かい、戸沢の流れと水無川にかかる鉄の橋を渡り、少し歩いた後天神尾根への道と別れ、源次郎沢を右岸から左岸に渡った。
 源次郎沢左岸尾根上の廃道となった書策新道を少し登り、左に見える源次郎沢の堰堤群を通り過ぎたところで沢に下りた。

 今年の台風の影響か、入渓後すぐに根元から抜けて落ち込んだ木が沢床に倒れていた。心配したが、その後遡行に問題になる所はなかった。

 F1はいつの間にか過ぎた。F2は右側に水流、左がクラックが走る幅広い壁。左端を簡単に登れるようだが、今回は水流すぐ左を少しフリクションも使って登った。c 左から大岩がせり出したF3を右から越えると、樋状のF4。ここには以前はFナンバーは付いてなかったかも。右のスラブ状を巻き上がり気味に越えた。
少し開けたゴーロを歩くと、左上に大岩があり、真ん中に累積する岩が水流を分け水流がYの字に見えるF5にぶつかる。「大滝」とも言われる。IZUさんが水流左のカンテをリードした。上部の大岩にピンがありプロテクションを取った。大岩の右を回り込むようにして抜けた。しかし上の確保支点として頼りなげな木しかない、とのことだった。Nが右岸の大岩の下を右から一段上がって左へトラバースしてから大岩脇を登って滝上に出た。ここはロープなしで簡単に登れる。面白味はないが。

 IZUさんと合流して探すと一段上の岩にハンガーボルトが2本あった。それをアンカーとしてSUGIさんをロープで確保してプロテクションを回収してきてもらい、他のメンバーは大岩左を登ってきてもらった。
F5から少しで左俣と右俣に分かれる二俣だ。そこでしばし休憩して右俣に入る。二俣からすぐ先右手奥に右俣のF6上部の水流が見える。

F6は、2段10mとも3段12mともいわれる。かつては「F5」の看板がかかっていた。昔のガイド本では「F5」となっている。上段部分は右端に5mほどの直瀑、左側が岩になっている。左壁のやや左寄りに「F6」の看板がある。
看板の右脇から登り始め、看板の上を直登した。傾斜はやや立っていて、看板のすぐ上に出っ張る岩の上に出る所がフットホールドが細かいが、ハーケンが豊富にあった。ここはロープを出した。

滝を抜けた先の右側の岩に古いスリングがかかった残置のボルト3本があり、後続のビレイアンカーとした。

 その後、左側に大岩がある小さな涸滝のF7、涸れたガレ場となったF8を過ぎ、20分ほど歩くと右側の岩壁に「F9」の看板があり、その奥にキャップのつばのような形の覆いかぶさる岩が見える。

5mのチムニー滝だ。すぐ上にも4mのチムニー滝がある。
5mの方はチムニーを直登し、4mは右のカンテ状、チムニーを思い思いに楽しく登った。

 そこから15分ほど歩くと沢はやや右に曲がり、行く手を塞ぐ岩場が現れた。岩全体が右に傾いている。F10だ。一応ルートは左の岩が積み重なった所と右のやや立ったフェース状の二つがある。左は下から見ると一見容易そうに見えるが、外傾していて、以前登った時は意外に小難しかった。確保なしで登ったのでヒヤッとした記憶がある。今回は、右の壁をロープを出して登ることにした。

足場も手掛かりもしっかりあり、残置ピンが3ヶ所にあった。壁を登りきると、左の落ち口へトラバースする。一瞬体を外に出すところがあるが、トラバース部分にも残置ピンが3、4本あった。

 上部のアンカーは落ち口左奥の岩に真新しいリングボルト2本があり、それを利用した。アンカーから落ち口まで距離があるので、アンカーにロープを固定してそこからそのロープにブリッジプルージックで連結して落ち口まで戻り、ロープにエイトノットを作ってそこに確保器をセットして後続を確保した。後続は、ロープの途中にエイトノットを作りそこに連結してミッテルで登ってもらい、登り終わったらロープを下に引き戻して次の人が登り、ラストは通常の確保で登ってもらった。

 F10を後に、涸れた沢をさらに少し進むと、生木が横倒しになっていた。左脇の尾根に少し上がってよけて沢沿いを20分ほど進み、傾斜が緩んできたところで左の尾根に上がった。尾根上を20分歩き木の横木を組んだ段々の登山道に出た。花立山荘の50m下だった。少し下りて踊り場になったところで沢装備を解き大倉尾根を下山した。晩秋で日没が早いので途中でヘッドランプを出した。

 なお、今回はロープは30m1本を持って行ったが、それでよかった。

記録 N


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