鳥海山山スキー

日程:2019年4月27日〜30日

 <行動記録>
 4月27日 天気:雨
 八甲田山スキーの後、KOG氏宅にお世話になり、27日の朝、9時50分に青森をKOG車で出発した。秋田道はSAが無く、食事を取れなかったので、本荘ICを降りて直ぐのそば屋で昼食を取った。時間があるので、鳥海荘に行く前に登山口の祓川の駐車場に向かった。麓では小雨であったが、祓川に近づくにつれ、吹雪となり駐車場の積雪が3mほどの雪の壁となっていた。

 今日、宿泊する鳥海荘にはすでにMH車が到着していた。横浜を4時30分頃に出発したらしく、12時過ぎには酒田に着き、ワンタンを食べて道の駅「鳥海」で時間調整をして鳥海荘に15時半頃に着いたらしい。
 風呂に入り、登山口などの様子や明日の天候の確認をして酒を飲み、18時半に夕食を食べて20時頃に就寝した。

 4月28日 天気:快晴
 5時に起床して、宿の窓から鳥海山を見ると青空にくっきりと白い頂きが見えた。心配なのは昨夜降った雨が登山口では雪となり車で上がれるかである。道路が凍っていることを心配して出発を予定よい1時間ほど遅らせた。

 宿を5時50分にMH車、KOG車で出発した。祓川駐車場近くになると、心配していた雪があったが何とかスタッドレスで上がることができた。駐車場はすでにかなりの数が駐車していた。何とか上の駐車場に2台を駐車した。トイレも使用することができた。
 スキーにシールを付け、7時35分に歩き始めた。気温が-6℃と低く4月上旬の様子であった。以前来た時と積雪、気温と格段の違いがあった。雪質は昨夜に降った雪が積もり、気温も低いため良いようだ。シール登行でペース良く歩く。左の尾根へ取り付き、比較的大きな木の下で休む。ここから鳥海山の大斜面が見え、行く手に多くのバックカントリヤーが登っているのが分かる。気温が低いのは良いのだが、風があるのが気がかりである。予報では良くなる見込み。
 2本目はルンゼ状の手前で休む。雪面に風が吹き付けブリザードとなっているほど5月としては異例な寒さを感じる。そこから、右のルンゼ状を登るが、雪が吹き飛ばされアイスバーンとなっているのでスキーを脱ぎ坪足で登る。その後もなんとか雪が着いているところを選びながら登る。避難小屋の手前で左の尾根に登り、ハイマツの上に出るとその先は完全なアイスバーンなのでアイゼンを付ける。ここから靴にアイゼンが合わず持参しなかったKOG氏と分かれ、4人で山頂を目指すことになる。スキーをザックに付け、アイゼンで一歩一歩登るのだが、斜度があるので転けたら止まらないだろうと慎重に歩く。幸いにアイゼンが良く利いてくれた。
 斜面の右よりのルートを登り、七高山に11時55分に着いた。荷物をデポして新山へ向かう。七高山は外輪山の所にある。一度、斜面を下り登り返すと頂上である新山になる。岩稜帯を慎重にくだり、雪面を登ると新山に12時20分に着いた。頂上で写真を撮り、景色を堪能してた後、MA氏が途中の道の駅で購入した「鳥海メロンパン」を取り出し写真を撮ってから美味しくいただく。
 七高山に戻り、頂上直下から滑るのは難しそうなので、アイゼンで少し降りて雪があるあたりでスキーを履き滑り始める。昨日降った新雪が気持ち良いのだが、雪は所々で風で吹き飛ばされアイスバーンになっているので、新雪を拾いながら滑っていく。上部は傾斜がきついのだが山下氏も無難に滑り降りていた。途中から左に滑り込んで行くと、柔らかい雪が20cmも積もっていて、5月としてはこの上無く軽快に滑った。

 登りで苦労したルンゼも左側をトラバースして滑って難無く越える。その下の斜面が適度な斜度で柔らかい雪が積もり実に気持ち良く滑った。見ていると麻子氏もスキーの姿勢が安定してかなり上達した感がある。その後も適度な斜面に柔らかい雪が積もり軽快に、祓川の駐車場を目指し滑った。
 祓川ヒュッテの手前で鳥海山をバックに記念撮影をしようとすると、小屋の方が写真を撮ってくれた。
 駐車場に戻ってスキーを片付け、途中の牧場でチーズケーキを買って、今日の宿の白滝旅館に向かった。
 宿に着いて、近くにスーパーがあるということで、明日の行動食等を調達に行く。宿に戻り風呂に入って、今日の疲れを癒やし、ビールなどで喉を潤した。
 温泉ではないが食事が良くて良かった。夕食後に就寝する。

 4月29日 天気:晴れ
 鳥海ブルーラインのゲートが8時に開くということで、少々早めに宿を出て、ゲートの開聞を待って、鉾立の駐車場に8時10分に着く。駐車場のトイレは閉まっていたため山荘のトイレを借用する。

 駐車場の裏手の登山口からシール登行をする。20分ほどの急登を登ると、尾根に出る。夏道通りに歩いて行くが、途中は樹林でスキーを脱いで行くが歩き難い。樹林を抜けると雪の片斜面に出る。トレース通りに行くとハイマツ帯に遮られ、仕方なく尾根の登山道に出る。しばらく行ってから休憩をする。そこからシール登行をする。所々に雪庇があったりと雪の多さに驚く。尾根の左側を登って行き、ボウル状の所から左の斜面を登り、小浜小屋の手前で2本目の休憩を入れる。
 そこから20分強で小浜小屋に着くと、鳥海湖あたりの様子が伺えた。鳥海湖に滑ってるスキーヤーも結構いた。小浜小屋から平坦な所を行って一度下った所で休憩する。ここから登り返し七五三掛けに12時40分に着いた。千蛇谷は良い斜面であるが、降りるのに時間がかかりそうなので、先へ行くのをあきあめ、ここから滑り降りることにした。シールを付け13時15分に滑り出す。扇子森の登り返しではシールを付けて登り、その後は登ってきたルートより左の沢状の所を快適に滑って行く。ラストは車道に注意しながらスキーを外して歩いて登山口に14時15分に着いた。
 この日は始動が遅かったが、天気に恵まれ良い山スキーができた。スキー等を片付け、今日の宿に向かった。  明日は帰るだけなので、昨日購入した酒では飲み足らず、宿で進められた日本車を飲み、反省会を行った。多少、飲み過ぎたせいなのか宿の美味しい料理を食べ残した。夕食後は直ぐに就寝した。

 5月1日
 朝食を食べKOG氏と別れ、4人は象潟の道の駅に行き、野菜などを購入して、横浜への帰路についた。途中、渋滞にはまったものの20時30分に帰宅した。長い道のりを運転してくれたMH、YAMA氏に感謝する。

<行動記録>
 4/29 鳥海荘5:50-7:00祓川7:40-11:55七高山-12:20頂上12:25-12:40七高山12:55-14:00祓川14:40-16:00白滝旅館

4/30 8:10鉾立8:45-12:40七五三掛け13:15-14:15鉾立

<山行雑感>
 まずは、ここ数年の目標であった鳥海山スキーが実践できて良かった。以前来た時より雪が多いことには驚いたし、5月なのに4月上旬の気候で、新雪の山スキーを味わえたのも驚きである。2年前から山スキーを始めたYAMA氏は、今シーズン20日のスキー日数をこなし、望んだかいが合って、28日などは一回も転ばずに降りてくるほどの上達を示した。2月の秋田駒ヶ岳の山行から比べると、技術面もさることながら精神面も上達したと思われる。
 2日目に望んだルートはゲートが8時に開くため、行動開始が遅くなるので、千蛇谷を滑ることができなかったのが残念である。また、鳥海湖に滑り込み、小浜小屋周辺の山スキーを楽しむのも良いかもしれない。
 29日に多くのバックカントリーが祓川に集中したのは、29日にブルーラインが雪のため通行止めになり、祓川ルートへ転進したためと思われる。しかし、祓川ルートは山スキーとしては、樹木が無く、斜度、雪質ともに最高なルートの一つと言える。次に来るのは数年後か?また来たい。

記録:KOS


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