12月会山行 北ア・蝶ケ岳

日程:2019年12月26日夜〜30日

<行動記録>
 12月26日 天気:曇り後雨
 夜行3泊4日で北ア・蝶ケ岳を計画したが、28日と29日の両日が天候が良さそうなので、予定通り行くことにした。26日の夜22時にHIRA氏に平沼橋に迎えに来てもらい、平日なので渋滞なく、0時55分に双葉SAに着いた。その後、雲行きが怪しくなり1時30分頃に雨が降り始め激しくなった。松本ICを降りて沢渡に2時45分に着いた。雨が降っているので車内で仮眠することにした。

 12月27日 天気:雨後雪
 6時50分に起床する。前日にタクシーを予約しようとするが予約可能なのは28日からで、タクシー会社から路線バスを使うように説明を受けたが、7時過ぎにタクシーが1台やってきて、予約なしで乗ることができた。7時25分に沢渡を後にして中の湯に7時40分に着いた。この頃には雨が雪と変わっていた。

 ヘッドランプを付け7時55分に歩き出し、30分ほどで釜トンネルの出口に着く。そこから上高地トンネルを抜け、車道を少し下って大正池ホテルに9時05分に着いて休憩する。雪のため大正池は見えない。そこから30分ほどで上高地バスターミナルに着く。雪が激しくなりブリザートとなった。雪の中誰も居ないカッパ橋で記念撮影をする。明神では積雪15pほどになっていた。休憩をして歩き12時50分に徳澤に着いた。整地をしてテントを張った。設営に1時間ほどかかった。テントに入ると温かいのが嬉しい。徳澤では冬季トイレが解放されていた。この日は7〜8張りのテントは張られた。
 雪を溶かし水を作りながら酒を飲んだ。天気を確認すると28日と29日は晴れとあったので安心する。しかし、一昨日からの新雪が積もっているので、ラッセルになるのではと心配になる。17時過ぎに夕食を食べ18時過ぎに就寝した。夜中にトイレに行くと星が見えたので明日は好天と確信する。

 12月28日 天気:快晴
 4時30分に起床する。テントの外を見ると一部雲が湧いていたが星が見えていたので安心する。朝食を食べテントを撤収して出発する。すでに明るくなりヘッドランプの必要なし。しかも、ワカンの踏み跡が付けられていたの少し安心する。アイゼンを付け登山口から登る。
樹林帯の登りでジグザグに登って行く。登っているときはましだが、休むととにかく寒い。手元の温度計は−8℃をさしていた。2ピッチ目も樹林帯の登りで、ようやく急登を超えて2000mの平坦な尾根に出て休憩する。3ピッチ目は傾斜はさほどないが、雪がくるぶしあたりまであり、結構疲れる。2180m付近で3本目の休憩を入れる。地図を確認するが長塀山までまだありそう。
4ピッチ目は緩やかな登山道でアップダウンもあり、しかも新雪が積もり足を取られることが多くなって、ペースが上がらなくなった。途中に長塀尾根の中間地点の3qの標識があり、この分では稜線近くまで行くのに苦労しそうだと思った。5ピッチ目はいささか60pほどの新雪が積もっているので坪足ではかなり潜るのでワカンを付け歩いて行く。先の3kmの標識から4kmの所まで来るのに1時間半を要してしまった。この時点で、そろそろテントを設営できる所を探そうと思った。長塀山に着いたのが13時半なので、この先の鞍部に適度な幕営地があったらテントを張ろうと判断する。
 長塀山から少し下った鞍部(2500m付近)に先客が幕営していたので、その横にテントを張らせてもらうことにした。雪を60p掘って整地をしてテントを張るのに1時間強を要した。時刻も15時近かったのでここに説営して正解だと思った。荷物を整理して水作りに入るが、寒さのためその作業ははかどらなかった。

 17時過ぎに夕食を食べ、就寝したのだが寒さのため中々寝付けなった。

 12月29日 天気:快晴
 5時に起床する。テント内とシュラフがバリバリに凍り付いていた。テント内の気温は−10℃を指していた。朝食を食べ日帰り装備でアイゼンを付け蝶ケ岳へ向け6時50分に歩き出す。途中で日の出を迎えて、妖精の池あたりから樹林が疎になり、槍ケ岳の頂も見え始める。そして、樹林帯が切れた所では槍穂高の稜線がくっきりと見え、感動して数枚の写真を撮る。
そこから先は雪が風により飛ばされた所を歩き、8時00分に山頂に着いた。上から3名の登山者が下りてきたことから冬季小屋に泊まったのは3名と思われる。山頂に立つと誰一人いないので、我々が独占したようで気分が良かった。我々の後、数名の登山者が上がってきたので、我々より下の所でテントを張ったと思われる。次に小屋の先のピークへ行き写真を撮り、冬季小屋で休憩してから下山にかかる。もう少し早起きして頑張れば朝焼けの槍穂高連峰が見えたと思うと少し残念に思うが、新人のHIRA氏も良く頑張って登ったと思う。また、このような好天の槍穂高を見ることができたことは幸せである。また、風が蝶ヶ岳にしては弱かったので、稜線での行動が楽であった。正月の北アルプスとは思えない状況で、地球温暖化の影響か、時期が1ヶ月ほどずれて12月の上旬の様な天気であるように思う。
テントまで1時間ほどで戻り、テントを撤収して10時35分に登ってきた道を下る。下りは多くの登山者が登ってきてトレースがしっかり付けられ歩きやすくなっていた。2回休憩して徳澤に13時10分に着き、明日の天候を確認すると雪とあったので、今日のうちに上高地の小梨平へ行くことを決定する。明神へ行く途中では明神岳に陽があたり綺麗でった。15時15分に着いて、小梨平のキャンプ場にテントを張った。我々と同じように小梨平に降りてきてテントを張るパティーが多かった。

 テントを設営して雪を融かし水を作るのだが、昨日より気温が高めなので楽であった。18時頃に夕食を食べ、19時過ぎに就寝した。夜中に目が覚めると雪がテントを叩く音が聞こえた。

 12月30日 天気:雪
 5時に起床すると雪が10cmほど積もっていて、その後も降あり続いた。朝食を食べ雪の中テントを撤収した。小屋の軒先でパッキングをして冬季トイレによってから歩き始めた。
 上高地から大正池ホテルまでは緩やかな登りがある。10pほど積もった雪の下はアイスバーンになっていたので、スリップに注意して歩いた。大正池ホテルの売店(休業)で休憩し、釜トンネルの入口でヘッドランプを付けて歩いて、9時25分に中の湯に着いた。タクシーを呼んで沢渡の駐車場に戻って、タクシーの待合所の軒先で荷物の整理をした。
帰りに風呂に入ろうと検索をするが、年末ともあり閉まっている所が多く、11時から入浴できる坂巻温泉に行き開くのを待って汗を流して、沢渡の近くにあった土産物屋の食堂で飛騨牛の牛丼を食べてから横浜に向かった。
 高速道は30日の登りともあり空いていて、渋滞なく平沼橋に着いた。

<行動時間>
 12/26 平沼橋22:00-02:20(沢渡仮眠)
 12/27 6:50起床・沢渡7:20-7:35中の湯7:40-8:22釜トンネル出口8:32-9:05上高地ホテル9:20-10:07上高地BT10:20-11:32明神11:40-12:50徳沢
 12/28 4:30起床・徳沢7:05-9:05(200m付近)9:15-10:10(2180m付近)10:20-11:13(2430m付近)11:23-12:13ワカン着用12:36-13:20長塀山13:30-13:40(2500m付近)テント設営-14:50終了
 12/29 5:00起床・BC6:50-8:00蝶ケ岳山頂・冬季小屋8:30-9:25BC撤収10:35-13:10徳沢13:20-15:15小梨平
 12/30 5:00起床・小梨平7:20-8:20大正池H8:35-8:55釜トン入口9:05-9:25中の湯9:40-9:55沢渡10:30-坂巻温泉11:40-昼食12:30-13:00松本IC-16:00平沼橋

<山行雑感>
今回は3泊4日の日程で蝶ケ岳山頂付近で天幕しようと計画したが、幸いにも天候に恵まれ、北アルプスとしては珍しく28日と29日の2日とも快晴となった。また、27日に降った雪が稜線近くの樹林帯では60cm以上の積雪となり、ワカンを履いての行動となったり、28日の朝にはテント内で−9℃にもなり盛りだくさんの経験ができた。蝶ケ岳山頂からの槍穂高連峰の雄姿は素晴らしく、南には富士山が見られ360の大展望が見られて感動した。
蝶ケ岳には何度か登っているが、稜線の雪のなさには季節が1ケ月ずれていると感じた。

記録:KOS



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