北アルプス 燕岳〜大天井岳

日程:2016年9月10日(夜)〜13日

行程:9/10夜竹橋駅―9/11中房温泉(燕岳登山口)―燕岳―燕山荘(泊)
9/12 大天井岳―常念小屋(泊)9/13一ノ沢―豊科駅

はじめに
事前の山行計画は燕岳―大天井岳―常念岳―蝶ヶ岳の予定でしたが、出発前から秋雨前線により徐々に天候が崩れていく予報の為、前々日に山行計画を変更し、1日前倒しかつ燕岳のみの山行に調整した。しかしながら山行2日目の天候が回復したため、当日更に計画を変更し大天井岳を経由し常念小屋まで進み、翌日一ノ沢に下山している。

9月10日(土)
竹橋より22時40分発の毎日アルペン号にて出発する。乗客は15名程で中型バスには複数の申込者以外は2席に対し1名で座る事が出来きた。またほとんどが単独登山者の様子だ。

9月11日(日)天気:曇
日をまたいで談合坂SA、諏訪湖SAにてトイレ休憩がある。1時半に八ヶ岳で2名下車、4時20分に一ノ沢で1名下車、5時半に有明荘で3名下車、5時40分に中房温泉終点で私を含む残り9名が降りた。
燕岳登山口にはトイレや登山装備が出来るスペースがある。20分で準備をし6時に登山を開始する。第一ベンチ、第二ベンチ、第三ベンチ、富士見ベンチと短いスパンで休憩できるベンチがあるのがありがたい。続く合戦小屋までの道がやや長く感じられたが、到着するとたくさんの人が名物のスイカを食べて休憩しており、私ももれなくスイカを食べてリフレッシュしてから山頂を目指した。
徐々にハイマツの先端が色づき、葉にも赤みが差してきており秋の気配を感じるころ、尾根添いに燕山荘と花崗岩でできた独特な山体が見える。頂上が見えたことに安堵すると共に上気し足取りが力強くなる。

9時45分に燕山荘につくと、想像を遥に超える北アルプスの眺望を目の当たりにし、曇り空の中満足な眺望のない急登をひたすら登ってきた理由を山々が教えてくれたように感じた。 コーヒーで一服した後リュックを燕山荘の小屋側面に置かせてもらい燕岳をピストンする。燕岳山頂から見る槍ヶ岳は小槍がまるで「こっちにもおいでよ」と手招きしている様に見えた。
11時20分に燕山荘に戻り掃除を終えたタイミングでチェックインを済ませる。複数の申込者以外は最大5名が入る半個室を1名で利用する事ができた。14時半までチューハイを2缶飲み、その後2時間仮眠する。18時に北ルプスに沈む夕日を見たあと、18時15分より夕食。更に19時から燕山荘オーナーの赤沼さんによる山の講和とホルン演奏を聴いた後、外に出て夜空を見ると地上よりも星座が大きく見えた気がした。20時40分に就寝する。

9/12(月)天気:曇のち霧時々雨
5時に起床し5時28分に雲海からの日の出を見て5時半より朝食。前日の天気予報は雨だった為燕岳登山口に下山予定だったが当日天候の回復により予定を変更して6時半に大天井にむけて出発する。左に北アルプスの大パノラマを眺めながら表銀座縦走コースの稜線上を歩く。燕山荘のオーナーによると燕岳から更に縦走する登山者は全体の1割にも満たないそうで、確かに遥に見渡せる稜線上に登山者は1組しかいない。9時半に大天井岳に到着し、東天井岳、横通岳を巻いて常念乗越に着くころには霧が出始める。

12時15分に常念小屋に到着し宿泊手続きをとる。その後天候は目前の常念岳が目視出来ない程の深い霧になり、なす術なく一行に崩れていく天気を眺めながらロゼと白ワインを飲んでいる間に本降りとなり、登山者達は縦走の望みが絶たれてガックリ来ている様子が屋根に打ち付けられる雨の分だけ小屋全体に染みわたっていくように感じた。18時、高まる雨音を聞きながら夕食をとる登山者の間で明日の一ノ沢への下山について言葉少なめに会話があり8時過ぎにはそれぞれ早めの就寝に入った。

9/13(火)天気:雨のち曇
5時に起床し雨が一行に止む気配がない事を確認し下山準備を整え5時半に朝食をとる。宿から一ノ沢登山口へタクシーの迎えを事前に予約し6時に下山を開始する。ほの暗い山道に入ると、増水し氾濫した沢の濁流音が山々に響く。胸突き八丁までやや崩れかかった山道を慎重に歩く。雨に濡れた石や木の根はつるつる滑り登山靴のフリクションが効かず何度も滑った。一ノ沢は下流に向かう程増水し一部丸太橋が浸水しており高巻きして通過する。
昨日までの穏やかな稜線沿いの山行から、天候によって一変した山の厳しさを突き付けられ、雨を予測していたものの、縦走を判断した自分自身は甘かったかとも思ったが、あくまで山の天候に逆らわず天候を読みながら慎重に歩くという単純で根本的な考えを巡らせながら歩いた。

9時15分に一ノ沢登山口に到着し濡れた衣類の着替えを済ませ9時35分に迎えのタクシーに乗り、ホリデーゆで入浴を済ませ、更にタクシーで最寄りの豊科駅に行き、電車にて松本駅に向かう。あずさ16号にて八王子駅、横浜線にて中山駅、地下鉄を乗り継ぎ16時15分に自宅に帰宅した。

おわりに
山岳会に入会して初めての単独行かつ自身初めての北アルプス縦走計画のため、自分のレベルに見合うルートや難易度かを事前に相談し、登山計画書の作成から天候による度重なる計画変更まで会の先輩方にアドバイスを頂きながらの山行になりました事に、感謝を申し上げます。


(AB記)


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