丹沢水無川セドノ沢右俣沢登り

日程:2016年5月29日(日)

【行程】
6:00横浜発=車=7:20作治小屋(有料駐車)→水無川キャンプ場7:45→8:15水無川本谷F18:20→本谷F28:35→9:10本谷F39:45→10:15セドノ沢→10:22セドノ沢右俣→10:43セドノ沢右俣F111:05→11:10同F211:35→11:5 0同F312:00→→12:30同F4(大滝)13:00→13:45沢に戻る13:40→14:00政次郎尾根登山道14:25→15:15水無川キャンプ場=車=横浜

【記録】
今年から神奈川県山岳連盟の沢登り教室に関わるようになった。4月の新茅の沢の教室は対象者が初級だったのでどうにか対応できたものの、7月のセドノ沢右俣は2年前に西Nさんについて行って苦労した登攀要素の多い2級の沢で、このままでは講師の手伝いどころか足を引っ張りそうだ。MAさんも沢登り教室の講師を控えていて準備をしたいということだったので、2人で訓練を行うことにした。

 朝6:00にMAさんを自宅前でピックアップして秦野中井インターを降りて水無川キャンプ場まで車で移動した。しかし河原の森林組合管理駐車場は満車だった。少し戻って作治小屋の有料駐車(500円)に停めさせてもらった。(戻ってみたら東屋(県立戸沢休憩所=丹沢臨時警備派出所)の上のスペースは空いていた)

 東屋で沢装備を装着して7:45に歩き始める。しばらく歩くと道は荒れて歩きにくくなる。沢の方を注意して見ていると向こう側に書策新道へ続く階段が見える。水流を渡って、その階段を上ってしばらく踏み跡を進むと堰堤が見えるので沢へ降りて水無川本谷に入渓する。
 堰堤にスリングがかかっているが脇の泥壁を越える。2年前はズルズルでいやらしかったが、崩れて木の根などが出ていて登りやすくなっていた。手前にある鎖はしっかりしているが、高いところをトラバースしていて恐そうだった。

 堰堤を越えて10分程で水無川本谷F1。右岸の鎖場を登る。落ち口の水流を跨ぐところはしゃがみ込みで慎重に越え
 ここで水無川本谷に別れてセドノ沢に進むのだが、F2の先がセドノ沢だと思い込んでいてMAさんの指摘もうわの空のまま本谷F2を越えてしまった。右岸に鎖があるが左岸を登ることにする。お助けのスリングが掛かっていて易しくはない。越えてみると(当然ではあるが)分岐はなく、さらに進んで大岩を通過して本谷F3も越えた。F3もお助け紐が下がっていて、水に濡れる登りとなる。岩がはがれるアクシデントがあり、セカンドは上かっらロープを下ろしてビレイした。次の滝の上に本谷F4の看板が見えたところで間違えを確信して戻ることにした。F3、F2の2本を懸垂下降してF1の上部の分岐に戻る。新緑の葉っぱの間にしっかりと「セドノ沢」の看板がかかっている。2時間近くロスしてしまったので、訓練はそこそこにとにかく完登を目的に切り替えてセドノ沢に進んだ。
小滝を二つ越えてセドノ沢左俣の分岐を過ぎると間もなくセドノ沢右俣F1。逆光で途中の支点が見えなかったので、ハーケンとハンマーをすぐに使えるようにして上った。左のコーナーを2mくらい上っていくとハーケンがあり中間支点が取れた。そこから上には右足を乗せられる良いホールドがなく、水流の中にある薄くへこんだところに摩擦を頼りに立つ必要がある。時間の余裕はないので安全第一でA0通過して、岩に打たれたハーケン2本を使ってクローブヒッチの固定分散を作ってセカンドのビレーをした。  続いてすぐに真ん中に倒木のあるF2。観察したらハーケンが見えたので、左側から上がった。途中で右にトラバースして一段上がってから左へ斜上した。少し進んで立木でビレー。右に左にジグザグに登るセカンドの状況が見えないのでロープのテンションで状況をイメージしながらビレーした。 しばらく進むと根を上にして倒木が塞いでいるF3。倒木の右側の段々を上り、倒木の根の部分を左に巻いて上段の滝を越えるが、ぬるぬるしていて少し滑った。
 いよいよF4の35m大滝。フェースから流芯近くを登り左へ斜上するルートに3か所新しいスリングが誘うようにかかっていた。スリングを掴んで登れば容易なのでは?と邪な考えが横切ったが、流心近くで濡れそうでぬめっているようにも見えたので、予定通り左の乾いたカンテ状を行くことにした。セカンドで登った2年前の記憶は曖昧だが、中間支点は取れるはずなので多めのクイックドローを持って登った。フェースの中間部で手がかりが乏しく古いテープスリングが下がっているところがある。前回同様にA0で直上した。 フェースを登り切り、土の急斜面を左上するとハーケンにスリングがかかった岩がある。ここで終了した方がロープの流れはよいが、前回西さんが使った立木まで上がってビレーをした。二人で登り切るのに、30分かかった。終了点から少し上の平らな所までMAさんに上がってもらい、肩がらみで確保してもらって合流してロープをしまった。

そこからの巻き道も急斜面で油断はできない。途中岩を通過するところもあり沢登り教室での安全確保は難しそうだ。前回は踏み跡を追いかけて先のヤセ尾根まで上がってしまったが、今回は右側を注意して観察しながら進んだらそれらしい入口があった。3,4m登ると眼下に沢床が見えたので踏み跡にそって下って沢に復帰することができた。

 時間は2時近くだったので表尾根まで詰めずに、最短で政次郎尾根に抜けようと言う話になり、すぐの支沢に入った。一旦左側にある岩のような枯れ滝を越えて高度を稼いでからザレ場を右にトラバースして支尾根に上がった。支尾根をしばらく進むと政次郎尾根を歩く登山者が見えたが手前に鹿柵があった。さらに、もう少しと言うところでアザミの群生に行く手を阻まれチクチク痛い思いをしたが、20分程で標高1100m付近の尾根に出ることが出来た。沢装備を解きながら休憩して14:25に尾根を下り始めた。詰めの時間短縮が効いて、東屋に15:15に付くことが出来た。車なので沢臭のまま横浜に向かった。東名高速は事故渋滞で厚木小田原道路に迂回したがそれでも渋滞していた。
(KN記)


2016年度山行報告へ