北アルプス 剱岳八ツ峰六峰A・Cフェース
日程:2025年7月18日(夜)〜21日

行程:
7/18金 長津田駅〈車〉扇沢
7/19土 扇沢〈アルペンルート〉室堂‐真砂沢ロッジ
7/20日 真砂沢ロッジ‐Cフェース‐Aフェース‐真砂沢ロッジ
7/21月 真砂沢ロッジ‐黒部ダム〈アルペンルート〉扇沢〈車〉海老名駅
はじめに:
初めて剱岳八ツ峰に来た3年前の私は、六峰Aフェースを1ピッチすら登りきる事が出来なかった。一人では何も出来ない未熟な私に、今日まで練習を含めロープを繋いで付き合ってくれた会の先輩方と仲間に、心から感謝を伝えたい。
7月18日(金)
22時に長津田駅で集合して、GENさんが安全運転をして下さり、深夜2時頃に早々に扇沢駐車場に着いた。無料駐車場は一杯の為有料駐車場で仮眠を取った。
7月19日(土)
早めに起きて準備を済ませ、事前に予約した6時半始発の電気バスで出発し、8時頃に室堂に着き、水を補充してから出発した。11時19分に剱沢キャンプ場に着き、富山県警山岳警備隊剱沢派出所にて登山届を提出し、雪渓の状況を確認した。

クロユリの滝のあたりは雪渓が脆くなっていたが、武蔵谷のかなり前から雪渓が安定した為、10本爪アイゼンを装着して快適に剱沢雪渓を下った。長次郎谷出合から下部のナムの滝は露出している事を事前に聞いていた為、右岸の夏道を歩き、13時01分に真砂沢ロッジに到着した。

今回は行程を短縮する為に小屋泊(素泊まり寝具持参の最安値)とした。シャワーを使用出来るのが有難い。他パーティーも明日が本番なのだろう、19時台には小屋とテントのほぼ全員が就寝に移行し、本番に対する覚悟が静けさの中に張りつめている様に感じた。
7月20日(日)

2時前に起きて朝食を済ませて2時57分に出発した。5時頃には六峰Cフェースの取付きに着いたが、前に2パーティー(どちらも3名ずつ)おり1時間半ほど待って、6時25分頃に登攀を開始した。他パーティーも同様にリードはクライミングシューズを履いたが、フォロアーは登山靴で登っていた。
3P目の登り出しが少し足場に困ったが、右側から回り込めば楽に登れたとの事だった。4P目はフォトスポット渋滞が起きており、狭いリッジなどで更に計1時間程は待機したと思う。
9時15分頃にCフェースの頂上に着き、30分ほど大休止をしてから、3回懸垂とクライムダウンをしてX・Yのコルに11時半頃着いた。結構渋滞に巻き込まれていた事と程よい満足感もあり下山するかな〜?と思っていた所、GENさんから「Aフェース行かないの?」と聞かれ我に返って計画通りに登る事に思考を修正した。NAKAさんは足が攣りそうとの事でX・Yのコルあたりで再会する事にして、私とGENさんで12時頃から登攀を開始した。

Aフェースは先行して取付いているパーティーがいたが、早々にトップアウトした為、途中のリッジやテラスで渋滞する事は無かった。1P目の中間から右上するギャップは、体を大きく開いて隣の壁をスメアリングで思い切って登っていく事が求められるが、私の体が恐怖により凹壁の中で縮こまってしまい一旦支点を区切って、GENさんにリードを交代してもらった。GENさんが登山靴で右上していく様子を見て、この課題をクリアする為に私はまた再びAフェースを登る事になると思った。
13時半頃Aフェースの頂上に着いて、早速懸垂支点を探して1回でX・Yのコルまで降りた。14時半頃NAKAさんと合流して、真砂沢ロッジに16時40分に到着した。私達以外のパーティーもそれぞれの計画にひと段落した様で、昨夜とは打って変わって皆晴れやかな宴会の声が夜まで響いた。
7月21日(月)
3時頃に起きて、4時50分に真砂沢ロッジからハシゴ谷乗越に向かう。真砂沢ロッジの主人が道中のイタドリジャングルを事前に刈ってくださっていたお陰で、だいぶ藪は開けて歩きやすかった。水場のある内蔵助平、内蔵助谷出合には2天が張れるくらいのビバーク適地がある事を確認した。11時48分にダム下に着き、放水による水しぶきが火照った体にミスト状に降り注ぎ生き返る様に感じた。12時47分に黒部ダムに到着し、電気バスで扇沢に戻った。
途中SAで蕎麦を食べて、渋滞に巻き込まれながらもGENさんの安全運転で20時頃海老名駅に到着した。
さいごに:
岩稜帯に於いて「ロープを繋ぐ」と言う行為は、簡単な覚悟では出来ない。自分と仲間の命がこの一本のロープで全て繋がっている事を自覚し、絶対に些細なエラーも起こしてはいけない。ロープを繋いでくれる大切な仲間と自分自身を決して裏切らない為に、登った事に満足せず、驕らず、練習を重ねて行きたいと思う。
記録:AB