北アルプス 西穂高岳(ピラミッドピークまで)

日程:2025年5月10(夜)〜12日

行程:
5/10 新宿5/10 2225発(高速バス)
5/11 帝国ホテル前0530着−西穂山荘0925着−ピラミッドピーク1200着−西穂山荘1315着
5/12 西穂山荘0838発−上高地1030着〈高速バス〉新宿

はじめに:
 残雪を期待して西穂高岳に向かったが、岩稜帯にはほとんど雪は残っていなかった。天候不良と時間切れでピラミッドピークまでとなったが、それでも上高地側の中尾根からアプローチする良い経験になった。

5/11日 天候:雨(山頂は雪)
新宿発の夜行バスに乗って、帝国ホテル前で降りる。吹き寄せの赤い瓦棒葺きの立派な屋根を見て、両親と過ごした思い出が蘇るが、今の私はゆっくりティータイムを過ごす余暇とは無縁の存在の為、速やかに敷地を回り込んで田代橋に向かう。西穂高登山口で登山届を提出し、中尾根をいざ登る。途中から雪道となり所々に赤旗はあるもののルートが分からなくなってしまい、西穂山荘まで5時間もかかってしまった。今回は天候不良の為小屋泊りとしたが、もしテントを持参していたらもっと時間はかかったと思う。ちなみに登りも下りも登山者には出会わず、聞こえてくるのは玄文沢の濁流音とどこかで起きている雪崩の轟音だけだった。

西穂山荘で雨が上がるまで大休止をとり、10時半頃雪の状態を確認する為に稜線に偵察に向かう。雲間から青空と西穂高岳に続く岩峰群が見え隠れする。雪はほぼ無く、岩に氷が張り付いている程度だ。このまま山頂に向かいたい気持ちだが、戻りが遅くなるので、ピラミッドピークで折り返す事にする。
天気予報は本日の夜から明日の朝にかけてまとまった降雪となる予想だ。降雪直後の西穂高岳の難易度がどれ程か予想もつかないが、取付いてみないと分からない。テント泊はゼロ、宿泊者は私の他1組(登山者ではない)だけだ。西穂山荘では配水が故障しており飲料水は消灯前に自販機で購入しなければならない。

5/12月 天候:みぞれ(山頂は雪)
 4時に起きて食事と出発準備を整えるも、外はみぞれが横殴りに舞っている。天気予報で降雪時間の延長と強風が確認出来た為、本日の登山は中止とし、今朝は小屋の一角にある本棚の前で読書をする事にした。復刻版のケルン11巻から解題を手に取り、RCC結成と僅か5年の解散、第二次世界大戦を経て、第二次RCCの設立、ケルンの復刻版の経緯と背景に触れる事が出来た。私には難しい事は分からないが「なぜ山に登るのか?」その永遠の問に真摯に対峙し続けた沢山の登山者が記した記録が軌跡となって、その問は未来に引き継がれているのかと思われた。
 さて、みぞれは止まないが中尾根をゆっくり下る事にする。雨の降る雪の樹林帯をアイゼンを効かせてざくざく大股で下って行く。上りは5時間もかかったのに、帰りは2時間で下山口に着いた。雪質によって大きく変動する積雪期のコースタイムは実際歩いてみないと分からないから余裕を持った行程が必要だ。登山口の山の神神社に参拝してから高速バスで帰宅した。

おわりに:
 西穂高岳に登頂していないのに、よくこんなに書く事があるなぁと自分で思う。でも、登頂記録だけが記録の目的ではないと私は思う。両日ともに雨(山頂は雪)と分かっているのに登山をする事、ロープウェイで1時間半で行けるアプローチを5時間かけて登る事、その一つひとつの行動と選択が、私の目的が単に登頂ではないことへの表れでもある。「なぜ山に登るのか?」今日もその永遠の問を私なりに純粋に楽しんでいるのだ。


記録 AB


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