八ケ岳 阿弥陀岳北稜

2026年2月14〜15日

2/14土
茅野駅0940〈バス〉美濃戸口1018−行者小屋1429

2/15日
行者小屋0642−2500m地点0713−JP0748−第一岩峰0810−第二岩峰0831−阿弥陀岳0900−第二岩峰懸垂下降点0910−第一岩峰取付き0930−2500m地点1018−行者小屋1118−美濃戸口1348

はじめに:
年末は阿弥陀北稜から登り、中岳沢にて下山した。他者の記録から北稜自体が下山路として使用出来る旨記載があり、北稜の撤退路、中岳沢が雪崩れる可能性がある際のエスケープルートとしての有用性を確認すべく、今回は北稜の登下降を計画した。

2/14土:晴れ
 2/11にまとまった降雪があり、本日は今期一番の日照りとなる為、雪崩のリスクが高まっている。ふとリュックが重たく、登攀装備と冬季テン泊装備を歩荷するのは、初めての経験だと歩きながら気づく。年末の阿弥陀岳北稜は、冬季単独の初めてのバリエーションだった事もあり行者小屋を使用した経緯があった。行者小屋に着くのに4時間程かかってしまい、ツェルト泊を試すチャンスだったと後悔する。

 行者小屋のテン場は、2/11の降雪によりほとんどのエリアが整地から始めなければならないが、少し離れた窪地に整地途中で放棄されただろう跡が残っており、再度整地して2テンを設営した。受付と水汲みを済ませると15時半くらいになりヘトヘトだが、北稜の取付きと雪質の確認の為偵察に向かった。
北稜のトレースは、かなり手前と文三郎尾根の分岐の2か所に出来ていた。手前のトレースは年末には無く、雪崩リスクを考慮したルートだと思った。目印になる様な箇所ではない為、単独でルート工作をする事は難しそうに思われた。途中コンプレッションテストを実施し、降雪から間2日の日照りもあってか、雪が締まって弱層はほぼ確認できなかった。むしろ、まるで春山の様な湿雪に近い。雪質によって歩行技術を使い分けなければいけないし、雪質によって登頂難易度は大きく変化する為、降雪のタイミングによって雪質が大きく変化する事に改めて驚く。日没のタイミングで夕食を済ませて就寝した。夜は時々寒さで目を覚ました為、ツェルト泊じゃなくて良かったかなと思った。
2/15日:晴れ
5時に起きて、トイレに向かうとほとんどのパーティーが登攀装備を身に着けて出発準備している所だった。きっと赤岳や横岳の西壁に向かうのだろう。私はのんびり阿弥陀北稜を登るのだから、6時半目安に出発準備をした。前日に確認した北稜の取付きから入山し、約30分で阿弥陀北稜の2500m地点に出た。JPを越えたあたりに先行者が何パーティーか見える。第一岩峰では2名1組パーティーが登攀中、2名1組が待機している。私は下降路の偵察に来ているので、第一岩峰の左のノートレースのルンゼを雪崩の走路を避けながら登った。第一岩峰を回り込むパーティーはいても、ルンゼを上り詰めるパーティーはいない様で、根雪が深く雪が腰の上まで吹き溜まりになっている。コンプレッションテストをするまでも無く雪崩の巣だ。ルンゼに入った途端に雪質が乾雪に変わる事にも改めて驚く。ルンゼを諦めて第一岩峰の上部に上り詰めて、阿弥陀岳に続く雪稜を登った。
下山の下降点になりそうな緩い斜度を探すが、弱層が深すぎて危険な為、雪稜を降り第二岩峰のナイフリッジのハンガーボルトを懸垂下降点にした。セルフビレーを取り、ナイフリッジに跨る。スリングが千切れそうになっていたので60pスリングを残置して懸垂支点を作る。捨て縄を持参するべきだった。丁度30mロープで15m使い切って第二岩峰の取付きに回り込んだ。第一岩峰の下降点は立木の根元を使用した。30mロープでは第一岩峰の基部まで届かないのと、途中支点になりそうな立木もない為、中間でロープを回収して、ダブルアックスを使用しバックステップで降りた。その後何度か木の根を支点にし、末端をハーネスに付けて、ルベルソを使用せずロープを手繰りながら降りた。来た時と同じ2500m地点から下山し、11時18分に行者小屋に戻り、テントを撤収して13時48分に美濃戸口に着き、入浴を済ませてからバスに乗った。

おわりに:
 今回はエスケープルートを探す目的の為、岩峰の登攀にこだわらずに岩峰周辺のルート外をラッセルしながら行ったり来たする中で、ルートの弱点や地形を把握する事が出来た。結果、登りはルンゼより岩峰を登った方が安全で手っ取り早い事が分かった。下降時は安易にルンゼに入るのでは無く、北稜の雪稜を降りて岩峰を懸垂で回り込んで、なるべく尾根上に下降するのが安全かと思われた。しかしながら、下降路として使用した記録がほぼ見つからない為、正解かは分からない。残雪期ならルンゼをサクサク登下降出来るのかも知れない。

記録:AB



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