利根川水系湯檜曽川支流東黒沢〰宝川ナルミズ沢

 

200296日(夜行)〜8 

週末の天気予報は芳しくなかった。当初5人だったメンバーも、仕事の都合などから結局、源水・宮内のいつものメンバーになってしまった。出発前どうしたものかと考えていると、宮内さんから電話があり、「土曜日の午前中は天気が持ちそうなので、午後早い時間にナルミズの二俣まで行ければ大丈夫じゃないですか!!」とのこと。結局、この超希望的観測に基づくシナリオを採用し、いざ出発となった。

7日朝6時に土合駅で起床。白毛門沢へ行く服巻Pと合流する。彼らも夕方前に帰ってくれば大丈夫だろうとして、入渓の準備をしていた。7時に土合駅を出発。白毛門登山口の駐車場で準備をし、すぐに入渓。天気はどんよりとしていたが、時折、雲間から希望の日差しが。入渓地点からしばらくは、倒木などあり荒れた雰囲気だが、しばらく行くと綺麗なナメとなる。ハナゲの滝はなかなかの水量で迫力があった。ここは、左側を簡単に登ることができる。30分ほどで白毛門沢との出合。ここからも、緑の木々の下を、ナメや小滝が連続する。難しいところは皆無なので、何も考えずにペタペタとナメの上を気分よく歩くことができ楽しい。途中何本か沢が合流するが、本流を選べば問題ない。ようやくナメが終わったころ、両岸の藪がせまってきて、程なく白毛門の稜線からの鞍部にたどりついた。計画段階では、ナルミズ沢へ入るアプローチと考えていたが、予想以上に静かで美しい沢だった。東黒沢さんごめんなさい!

鞍部から少し笹薮の中のふみ跡をたどると、すぐに沢に下りることができる、大きな沢ではないので、ロープを出すところはなかった。ほどなく、ウツボギ沢の本流に合流し、さらに、少し下るとナルミズ沢の広河原に到着する。河原では大きな蛇が日向ぼっこしていた。ここでわれわれも大休止。天気は、思ったほど悪くなく、日差しもあった。天気予報が悪かったためか、沢にはわれわれ以外誰もいない。休憩後歩き出すと、ナメと釜に出会う。釜はかなり深く緑がかっていた。歩く先の水面には何匹もの岩魚の魚影が走る。沢だけでなく、左右の緑の斜面も美しく、幸せな気分だ。

お昼過ぎから、空に雲が広がり始める。やはり天気予報は外れなかった。13時前に休憩していたところ、雨がポツリポツリと降り始めたので、近くにあった天場跡でテントを張ることにした。地形図では、二俣の少し手前だったが、水流も細くなっていたので雨が降っても大丈夫だろうとの判断からだ。雨が本降りになる前に、周辺で薪を探したがほとんど見つからなかった。しばらくすると、雷をともなって激しく降りだしたのでテントの中で昼寝。夕方に雨は上がった。沢も幾分水流に勢いがついたかなというぐらいで、我々の天場は磐石であった。夜は、宮内さん特製の納豆入り&チーズ入り春巻きを食した。油をボトルごと持ってくるところに、宮内さんのこだわりが感じられる。味も最高だった。食事の後は外に出て焚き火を試みる。湿った小枝ばかりだったが、何とか小さい炎を1時間ほど守ってとりあえず満足。 

翌朝の天気はうす曇、稜線はガスで覆われていた。6時30分に出発し、すぐに二俣にたどり着く。ここは、右俣に進路をとる。あたりは源頭の雰囲気で沢は徐々に細くなるものの、ナメとかわいい釜が続いていて飽きることはない。最後に沢が大きく左に曲がるところで休憩。あたりはうっすらとガスがかかっている。めざす稜線はガスのかかった笹薮のむこうだ。ナルミズ沢の記録を読むとこの源頭部の風景が『天国に続く草原』と評されている。もちろん、晴天のときも最高なのだろうが、今回のように霧がかかっている風景も幻想的ですばらしかった。しっとり湿った笹薮の中のふみ跡をたどると、程なく稜線。稜線にでても、ジャンクションピークまでは同じような笹薮のなかのふみ跡をたどることになる。9時前に縦走路の分岐点着。あとは、縦走路をたどるのみ。時折、晴れ間が見えて、視界が開けると、左手に昨日遡行したナルミズ沢が見下ろせた。縦走路は緩やかなアップダウンを繰り返している。稜線上をたどる風が心地よい。前週に引き続き、またも夏の谷川周辺の魅力を満喫できた山行だった。


1日目
 
入渓地720分→白毛門沢750分→鞍部1020分→広河原1050
 
→魚留の滝上部天場1250
2日目
 
出発6時半→稜線735分→縦走路分岐845分→笠が岳10時05分
 
→白毛門1050分→入渓地13


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