谷川岳一ノ倉沢烏帽子奥壁中央カンテ

2002年6月28日(夜発)〜29日

6月28日

 梅雨前線のおかげで天気予報が二転三転したが、土曜はかろうじて天気が持ちそうなので、22時横浜集合で出発する。水上につくと小雨が降っていて、ニガ笑いが出る。一ノ倉出合は雨は降っていなかったが、二人とも期待せずに就寝した(1:00)。

6月29日

 4時起床。一ノ倉沢上半分はガスが掛かっているが、雨は降っていない。どうみても午後まで天気持ちそうにないが、中止にする理由も見当たらず出発することにする(4:35)。

雪渓は十分に残っており、テールリッジも雪渓から楽に取り付ける。前日からあまり体調がよくなかった服巻も源水に引き摺られるようにピッチをあげられ、5:40には取り付きへ到着した。

 6:00登攀開始。核心部を源水に押し付けるため、私が最初のリード。やさしいピッチが続くはずが、ルンゼ上のピッチは水が流れていて慎重に進む。4ピッチ目にようやくカンテに出て快適なクライミングかと思いきや、霧雨になり乾いていた岩が濡れてしまう。雨は1時間ほどでやむが、ずっと霧の中の登攀で、しっとりとした雰囲気での登攀になった。

もちろん、全ピッチがビショビショなのはいうまでもない。IV級は意外とホールド・スタンスがしっかりしててやさしく、III級はぬめってて怖い、とトポのグレードと恐怖感は一致しない。幅10cmの滑らかなスタンスより5mmの尖ったエッジがいとおしい、沢登りのような中央カンテだった。

 終了点からさらに、2ピッチロープを伸ばし南稜の頭へ出る(10時)。

 ガスでどこがどこか良く分からないけど、ここから不安な気持ちで3ピッチ懸垂(2ピッチ目以外は歩きの方が早い)して、見覚えのある南稜の懸垂支点へ到着。

 テールリッジも含めて計11ピッチの懸垂を交え、15時に出合到着。

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