北ア・白馬BC(春合宿)白馬主稜

2002年5月2日(夜発)〜5日(2泊3日)

<行動記録>

  前日、立山から白馬駅へ移動。夜10時頃、駅の近くのホテルで汗を流す。最終の電車が無くなるまで駅の待合室で休息。その後、締め出されて外でシュラフに包る。 

  3日の朝。遭対協の人のアナウンスで目が覚める。起き上がると目の前に杉浦さんがいた。荷を整理して、源水Pといっしょに猿倉へ。源水Pはすぐに出発。我々は少し遅れて出発。猿倉台地には、他に天幕がなかった。台地から双眼鏡で白馬主稜方面を眺める。さすがに遠くて源水Pの姿はよく判らなかった。設営後、明日の天気が怪しいので、偵察がてら双子尾根へ向う。コルまでの登りがきつかった。慣れない兼用靴での歩き。右膝に違和感がある。前との差がすぐに開く。コルに着くと眺めがいい。八方尾根から鑓温泉方面。主稜も良く見える。ここから先、雪が少ない。所々崩れているし、草木を掻き分けて歩かなければいけない。自分を気遣ってかペースもゆっくり。そのため樺平に着いたのが昼近く。先へさらに進むか検討。進めば頂上まで行くしかない。天場に着くのは夜の7時ごろか。先を行く若い単独行の動きを見ていると、彼の動きは苦しそうな歩き。我がPのペースはもっと遅くなるだろうとの結論。ここで下山。物足りないほどあっという間に天場に着いた。台地には、朝とは打って変わってテントの花が咲いていた。明日は雨という事で、早々に停滞を決めた。

   4日。シュラフから出たのは、11時頃。寝過ぎて非常に身体がぐったり。12時に遅い朝食を摂り、その後は、山の話や世間話で時間をつぶした。夕方、明日5日の天気が気になり、天気図を付け、必要以上にラジオの天気予報を聞き、とりあえず行く事で準備をして、夜8時頃就寝。

   5日。朝3時起床。外は雨。気が重い。リーダーの「様子を見よう」ということで上がるのを待つ。雨は強弱の繰り返し。タイミングがつかめない。5時台の天気予報を聞くと日中は晴れるとの事。6時に出発する事にする。蜷川さんは帰浜するとの事。2人で主稜を目指す。小雨の中、取付きへ向う。周りに動きは無い。取付きに着くと先行Pがすでに登っている。杉浦さんが「やられた」と呟く。7人Pと6人Pと2人Pの3Pが先行している。8峰までの登りはきつい。しかし、空には青空が少しずつ出てきて、嬉しくなる。8峰に着くと一昨日登った樺平が見える。ほぼ同じ標高。かかった時間はその時の約半分。きついはずだ。この辺りから眺望も少しずつ良くなり、黒姫山や火打・妙高方面が良く見える。小蓮華が横に迫り、青空に映える。杓子岳もかっこいい形。7峰ですべてのパーティーに追いつく。そのうち6人Pが下山を始めている。リーダーが大声でこの先はパーティーの力量では行けないと言っていた。が、そのあとそのリーダーは降りてから、「杓子尾根を登り返す」と言っている。耳を疑った。各自の荷は恐ろしいほど小さい。最初からビバーク等するつもりなのかどうか、見た目には信じられない。この先は、ナイフリッジと所々に岩があり、青空の下、快適に歩きたいが、前日までの雨で、雪はぐずぐずで岩や雪壁の登り部分では足元が崩れているか、崩れかかっていた。それでも昨日の停滞のうっぷんを晴らせるので良しとする。2峰の登りまではロープも使わず行く。手前の雪壁は、「滑落したら白馬沢の方へ止まらず落ちて行くだろうな〜」と思える場所で少し緊張。2峰に着くと杉浦さんが慎重になる。見た目に簡単な岩だが、本に難しいと一言載っていたようで、悩んでいる。ロープを出し、杉浦さん登る。恐ろしいほど慎重になっていて登れない。次は自分。見た目以上に簡単だった。3歩目の足の置き場を間違えなければ労せず上に出る。その間に7人Pが2峰の右側から巻いて登ってきて、抜かされた。この7人Pは、ベテランと若手、老若男女が混ざって、ベテランが引き締めながら、楽しく登っている。杉浦さんが「あのような形態で登るのも好いよなあ」「自分達は小人数山行ばかりだからなあ」と言っていた。最後の雪壁の前で、7人Pに「先にどうぞ」と言われて登る。相変わらず、ぐずぐずでキックステップがあまり効かない。トレースが右側へトラバースしている。その途中で左足の下の雪がストンの削り落ちた。右足1本で踏ん張り立ち上がる。その後は難なく進み、頂上にの少し北側に出た。風が強い。雪も無く。歩きにくい。記念撮影後、早々に大雪渓へ向う。大雪渓では、登ってくる人、テレマークや山スキーで滑降している人が入り乱れていた。我々は所々でシリセードをしながら下って行く。しかし、雪質のせいか思ったほど滑らなかった。天場に到着したのが予定より早く。帰浜することにした。タクシーでみみずくの湯に行く。外から休憩室が見えたのだが、後ろ姿が源水さんに似ている人が座っていた。杉浦さんが「あれ、源水じゃないか」と言うが、あの二人がそんなにのんびりと下ってくるはずはないだろうと返答する。案の定、似ても似つかない人だった。白馬駅に着くと中央本線では帰浜出来ないと言われた。仕方なく、長野新幹線経由で帰る。互いに痛い出費だった。

  主稜は、感慨深いものではなかった。互いに言った事だが、「4月の荒沢岳の方が面白かった。」という結論。天気も良くなり、トレースも付いているので、苦労せず登り詰めたのが原因かもしれない。とりあえず、白馬主稜という有名な所に行けたのが良かった。

5月3日(晴れ)

        猿倉7:00→猿倉台地7:45(テント設営)  天場9:15→小日向のコル10:00→樺平11:50、12:15 →天場13:15

5月4日(雨)

        停滞

5月5日(小雨〜晴れ)

     起床3:00、天場6:00→取付6:45、6:55→8峰8:30 →6峰9:45→4峰10:45→2峰12:00→白馬岳山頂13:00 →(大雪渓経由)→天場15:10(テント撤収)16:00→猿倉16:30

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