南八幡平・葛根田川

2003年7月18日(夜発)〜20日

18日の23時東京駅八重洲南口のバスターミナルから盛岡行のバスに乗る。バスは3列シートで快適に眠ることができた。まあ、どんな窮屈な体勢でもそれなりに眠れるのだが・・。

19日の朝盛岡駅に到着。天気は曇りで少し肌寒い。予約していたタクシーに乗り、広大な小岩井農場を通って滝ノ上温泉まで入る。翌日泊まる予定のみやま荘に荷物を置いて出発。しばらく車道を進むと地熱発電所の施設がある。いたるところから湯気が吹き出ている光景がなかなか面白い。8時30分に大きな堰堤の手前から入渓。幅広い流れではあるが、水量はそれほど多くはなく、何度かある渡渉は問題なかった。しばらくすると淵や瀞の連続となる。淵や瀞の左右には、うまい具合に通路のようなバンドがあり泳いだりへつったりする必要はなかった。ただ、あと数10センチ水量があったら苦労しただろう。大石沢の出合いで大休止。先行の釣り人が釣果を見せてくれた。我々は中ノ又沢の出合から竿を出す。いきなり、中ノ又沢の出合の釜で古川さんが岩魚を釣り上げる。まさに、秒殺であった。ここからは竿を出したまま進む。ただでさえ沢歩きのはやい古川さんだが、竿を持つとさらにスピードがアップする。うろうろしていると、あっというまに引き離されてしまう。途中葛根田大滝が豪快に落ちていたが左岸の踏み跡から簡単に巻くことができる。そこからしばらくゆったりした流れをたどると幕営予定地の滝ノ又沢の二俣に到着。予定より早い12時過ぎだった。左岸に広い平坦地があるので、ここにツエルトを張ることにする。周辺でた焚き木を集め、古川・源水で再び釣りにでかける。上流へ行ったり、下流を釣りなおしたりしたが結局、古川さんがもう1匹釣り上げただけに終わった。16時頃、雨が降り出したので竿をしまい、天場に戻る。蜷川さんが焚火をして待っていてくれた。夜まで火を消すほどの本降りにならず、焚火を囲んで夕食を楽しんだ。

20日、朝起きるとツエルトの中には水たまりができていた。夜半から雨が強くなったようだ。外にでて流れを見たが、ほとんど増水していない。豊かなブナ林のおかげだろう。食事をすませて6時30分頃出発。雨はほとんど止んでいる。北ノ又沢に入り、すぐに右岸から合流する支沢を登る。支沢の出合からしばらくは滝場になっており、小滝をどんどん登っていく。滝場が終わるとまたゆったりした流れとなる。川幅は狭くなるが、源頭部に近づいているのに蛇行を続ける沢は関東付近の沢にはない光景だろう。ところどころナメがあってなかなか楽しかった。20mの大滝は左側からまき、上部でワンポイントロープを出して登る。つぎの、2段10m程度の滝は左側から取り付バンドを右側に横切り、そのまま上部の藪に抜ける。スラブ系でフリクションは効くが、少しもろい。その後何度か分岐があるが本流を選び、ほとんど藪漕ぎなしで登山道に飛びだした。大休止した後、関東森方面に歩き出す。昨晩の雨のせいか、登山道は水浸しだが沢靴なので気にならない。関東森を過ぎ、1時間ほど歩くと、1250M付近の湿原にでる、天気がよければ気持ちの良いところだろう。湿原を過ぎてしばらく行き明通沢の支沢への下降点を探る。最初おもむろに藪につっこんだところあまりに藪が深く一度登山道に戻り、再び狙いを定めて藪の中に入る。今度は程なく沢が現れたので、どんどん下降する。明通沢には立派な大滝が何本かほどあり懸垂下降で降りる。最後の大滝は40mほどあり幅も広くなかなか立派であった。その後はどんどん下るだけだったが、結構距離があり大変だった。15時前に葛根田川本流にたどり着き、さらに30分ほどで入渓点にたどりついた。

今回は渓流釣り初挑戦ということだったが、あえなく釣果ゼロにおわった。クライミングや沢登り同様、技術がものをいう世界らしい。しかし、竿を担いで流れを眺めながら歩くのはなかなか楽しかった。また是非挑戦したい。

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