北アルプス・餓鬼岳

2004年10月9日(夜発)〜11日

9日 横浜1900→(車)→2420白沢登山口
 観測史上最大級の台風が関東を直撃するとの予報で、中止かな、と考えて昼まで準備を怠っていたが、Hさんに電話すると、予定通り出発とのこと。急いで準備をする。横浜に19時に集合だが、台風が再接近するのは18時頃でまさにタイミングが悪い。風雨がひどくならないうちにと16時に家を出るが、歩いていると、木々は強風に大きく傾き、私も少し飛ばされそうになる。地下鉄も京急もまだ動いており、無事に横浜に到着。しかし、地下街はところどころ水道管が破裂したような雨漏りで水浸し。夕食を摂ろうかと西口をうろうろするが、どこも17時前に閉店。マクドナルドだけは18時まで営業していたので、ここで淋しい夕食。
 Hさんから電話があって、自宅待機との指示だが、私は既に横浜駅にいる。その後、HさんがGさんに連絡を取ってくれたようで、ほぼ予定通りの19時過ぎ頃に源水車に拾ってもらう。ずっと駅の地下街にいたので、外の様子がわからなかったが、そのころには、ウソのように雨も上がり、風もなくなっていた。
 OさんとHOさんはH車に拾われ、談合坂で合流した。
 さらに、予定では中房温泉にG車を置き、そこで全員平井車に乗り換えて白沢登山口に向かう予定であったが、中房温泉への道が大雨で閉鎖。しかたなく、G車はゲート付近に置くこととした。

10日 白沢登山口750→魚止ノ滝930→大凪山1300→1615餓鬼岳小屋(幕営)
 台風一過の晴天を期待したが、6:30に起きると小雨模様。沢沿いのコースだけに増水が心配されたが、結構たくさんいた先行パーティーが戻ってこないので大丈夫のようだ。コースは沢よりやや高いところをへつるようにつけられており、スリップは怖いが、増水の心配はあまり無い。本コースの見所の紅葉ノ滝と魚止ノ滝は、けっこう迫力があってよかった。ちなみに地図の紅葉ノ滝の位置は間違っている。魚止ノ滝の少し先の沢を渡るところが最終水場。山頂には水場は無いので、ここで、皆もっている容器一杯に水を汲む。奥村さんは堀内さんの2リッターの水筒を持ってあげて、体力をアピールする。
 ここから沢を離れて本格的な登りになる。斜面は急だが、道はジグザグに切ってあるので登りやすい。源水さんとも話したが、この辺の道も地図は間違っている。やっぱりマイナールートだからかな、と思ってみるも、この日は結構登るパーティーは多かった。木の間から左に見える1856mのピークのあたりは黄葉が綺麗で、登りの励ましになる。大凪山の山頂部は小さなアップダウンが続くので、知らずに通り過ぎてしまい、暫く歩いてから源水さんにどこが山頂なのでしょうね、と聞くと、「もう過ぎた。山頂の標識があったよ」との答え。木の根や段差が多く、スリップに気をつけながら下を見て歩いていたので、全く気付かなかった。この先の鞍部のあたりからは、針ノ木岳方面が見渡せる。私が今夏に単独で歩いたルートなので、苦労を思い出してしばし感慨に浸る。この辺からは時折、木々が切れたところで周りの景色が見えるようになり、わずかに黄葉した景色が遠望できる。百曲りまで来ると、鬱蒼とした針葉樹林から、落葉したダケカンバと笹原に変わってパッと明るくなり、高山の雰囲気が漂いはじめる。ガイドでは急登となっているが、ジグザクなので結構楽に登れる。餓鬼岳を巻くようにして、餓鬼岳小屋に到着する。
 Hさんがテントの手続きをしている間に、HさんとOさんと私は先行してテン場に向かうが、既に一杯。少し先の稜線上に場所を物色していると、Hさんから戻れとの指示。小屋からの指示で小屋の裏のテーブルをどけて張る。Hさんが聞いた話によると、テン場が一杯になったのは、餓鬼岳小屋始まって以来のことらしい。
 西風が強く寒いが、テントが濡れていたので暫く乾かしてから中に入る。さすが、OさんとHOさんは焼酎を持ってきており、いつのまにかHさんと私もご相伴に預かってしまった。

11日 餓鬼岳小屋620→餓鬼岳→餓鬼岳小屋643→845 2508mの先のピーク点853→930東沢岳945→1015東沢乗越1030→1110西大ホラ沢出合1130→1230ブナ平1240→吊橋1310→1335中房温泉
 5時に起床する。山頂でご来光の予定であったが、外は曇っており断念。テントを畳んでからゆっくりと空身でピストンすることとした。曇っていても山頂からの眺めは良く、針ノ木岳から野口五郎岳の稜線、燕岳などが望めた。
 小屋からは、目前に荒々しく聳えるケンズリを目指す。暫くは穏やかな稜線だが、ケンズリは巻き気味に通過。餓鬼岳から東沢岳の間は、燕岳と同じような花崗岩の巨岩が拠立する独特の雰囲気があるが、燕岳の穏やかさとは対照的に稜線が狭いせいか荒々しく部分が多く、通過にも難儀する。ケンズリの先で一旦樹林帯に入り、急下降。そして展望の開ける2508mのひとつ先のピークの辺りで休憩する。結構展望の良い場所で、目指す東沢岳までのアップダウンの続く稜線や、野口五郎方面の眺めが良い。展望の良い稜線を、巨岩を縫うようにアップダウンを繰り返し、適度な緊張感を楽しみながら東沢岳を目指す。縦走路は東沢岳山頂を巻いていたが、皆で登頂。ここも360度の展望で、烏帽子岳の奥には、立山や剣岳の姿も見え、ここも今夏に登った山なので嬉しくなる。
 樹林帯の中を東沢乗越まで下って一休み。ここからは稜線を離れて、沢沿いに下山コースを辿る。暫く急坂が続くが、谷沿いで強風の影響が少なかったためか、ここでは素晴らしい黄葉を見ることができた。西大ボラ沢出合は、河原の石が白く輝き、広々としていて実に気持ちが良いところ。ちょうど陽も出てきて、しばしまどろむ。この先何回か渡渉するが、沢が増水していたため、少し苦労する。Gさんは最後部にもかかわらずいち早く渡渉点を見付けており感心する。北燕沢出合の手前で一旦大高巻きに入り、ブナ平で休憩。ベンチの周りに一本だけブナがあるとの看板があり、必死に探すが見つからない。最終的には見つけることができたが、結構歩き回らないといけない。ウド沢出合の先で1時間ほど続いた大高巻きはようやく終わり、沢沿いに出る。この先、桟橋がいくつかあるが、いずれも朽ちて壊れそうで怖い。結構、中高年登山者も多かったので、もう少し整備してくれても良さそうだ。
 中房温泉に着いて、山行終了。温泉に浸かって2日間の垢を落とす。ここで、めざましテレビのロケ班に会う。2日後の生中継に備えて現地入りしているそうだ。タクシーで、行きにG車を置いておいたゲート付近まで行く。さらに白沢登山口に停めたH車を回収して、帰途に着く。3連休の最終日で大渋滞を予想したが、それほどひどく無くラッキーであった。 

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