吾妻連峰縦走

2002年9月13日(夜発)〜15日

予報は雨だが、そう悪くはない。高気圧がちょっと南に圧せば・・・翌週にずらしても良いのだが、晴れると悔しいので決行とする。

福島行き夜行バス乗車。浄土平への始発バス(1日2本のみ)には朝の新幹線でも間に合うが、これだとスタートが遅くなる。福島駅で他のパーティーを見付けタクシー同乗・・を狙う。早朝4:30、浮浪者もいるがアレはタクシーの運ちゃん。尋ねると浄土平までは\9000、近頃タクシーで入る人はいないらしい。仕方ない、始発バスまで寝るか・・と思うが、運ちゃんは3人となり話の輪から抜けられない。結局\4360也(途中の温泉までの料金)でまとまる。新幹線+バス代にすればトントン、上出来だ。世間話をしながら1時間弱、浄土平に着くと“4枚でいいよ”と更にマケてくれた。これはきっと峠からの景色が素晴らしかったお陰・・ タクシーを丁重に見送り、身支度を済ませ出発。登山口より木道が続く。すぐに高校山岳部の引率で来ているという先生2人に会い一緒に歩く。谷地平経由で明月荘へ行くと言うと、荒れているかもしれないので一切経山から尾根を行くよう勧められる。沢屋さんに遭対委員、“遭難されるとヘリ出さなきゃならんなぁ”と言われるまでもなく従うことにする。行動は1時間程長くなるが、早出したので問題ない。東吾妻の分岐で別れる頃には時折降っていた雨も止んだ。東吾妻までは30分程、昨夜の大雨のせいか道は水浸し、突然ガレ場からピークに出る。磐梯〜桧原湖、吾妻山に谷地平と360°の展望。吾妻の山深いのが良く分かる。下山時には空も青くなり、浮かれて“当たりだぁ〜”と叫んだら向かいから人が現れた・・ 溶岩がゴロゴロして不思議な感じの鎌沼から一切経山へはひと登り、この辺りは遊歩道になっているので導標はしっかりしており登山者も増え始める。ピークからは吾妻小富士に五色沼、これがまた美しく、先程の先生方に感謝する。が、ここまで。家形山で空を見たが最後、展望のない退屈な尾根歩きが始まる。道は水溜りだらけ、時には笹が覆い被さり一人探検隊の気分。所々分岐があり、導標もあるが注意が必要。烏帽子山で一瞬谷地平方面が開け、昭元山でやっと外の空気()が吸えるようになる。大倉新道の分岐からは木道となり、こちらもソコソコ歩かれているのでは・・と思う。9割方は通り過ぎるであろう東大顛に寄り、尾根を外れ明月荘に向かうと弥兵衛平湿原が目の前に広がる。辛抱の後だけに殊更素晴らしい。明月荘は2階建70名収容の無人小屋。この日も50人はいたろうか。水場まで800mとあったが大した距離ではない、但し水はチョロチョロ、らしい。私は翌日2時間歩けば水場、足りそうなので行かなかった。寝床を確保し付近の散策に出る。一帯が木道敷きの湿原で気持ち良いが、天候が怪しくなって来たので早々に戻る。お腹が空いたので15時には夕飯、シュラフに潜ったら、そのまま夜となった。

5:00起床。夜半より雨が降っている。取り敢えず朝食を済ませ様子を見に行くと、暫くすれば上がりそう。木道続きで危険はないのでカッパを着て出発する。昨日の分岐より尾根に乗る。曇ってはいるが視界よし。大湿原に木道が走り、正面には西吾妻のなだらかな山並み・・・絶品だ!昨日は1人でこっそり()来て良かったとさえ思ったが、これは歩かなきゃ損。幾らか上り、人形石にて来た道を振り返り名残を惜しむ。この辺りはリフト続きの遊歩道だが、池塘郡を抜け、西吾妻までは結構な急登もあり濡れた岩に気を遣う。展望のない西吾妻を通過し西吾妻小屋へ。ここも2階建で泊まるには充分。荷物をデポって西大顛へ向かう。山深い感はあるがルートはしっかりしており、白布峠や裏磐梯からの人とすれ違う。ピークに着くとオジサン2人がコーヒーを沸かして待ってくれており()30分程話し込む。飯豊も朝日も見えるそうだが既にガスの中、磐梯方面も次第に見えなくなった。小屋に戻る頃には天元台のリフトが動き出したらしく、沢山の人・人・・ リフトの下を歩いていると、上から絶え間なく声を掛けられた。最後の展望、米沢盆地に薄日が当たり“いいコメ獲れそう・・”などと考えつつ天元台へ。ここから新高湯温泉までが、2日を通じて最も荒れた道だった。

<行動時間>

1322:10浜松町BTより夜行バス乗車

144:20福島駅5:10?〜6:00浄土平6:257:20東吾妻分岐〜7:50東吾妻山頂〜8:20東吾妻分岐〜9:10一切経山〜9:50家形山〜11:40昭元山〜12:35東大顛〜13:05明月荘〜弥兵衛平散策

 155:50明月荘〜6:50藤十郎〜7:20人形石〜8:30西吾妻山頂〜8:40西吾妻小屋〜9:25西大顛9:5510:25西吾妻小屋〜11:30かもしか展望台〜12:25天元台〜13:00新高湯温泉 

<山行雑感>

 東も西も、お花畑もあれば、紅葉もスゴク良さそう。でも、雪化粧をした静寂の時が一番似合う山だと思う。いずれ雪の頃に訪れてみたい。

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