大峰奥駈道・南部 前鬼〜本宮大社

日程:2024年5月11日〜16日

<大峰奥駈道とは>
 奈良の吉野山と熊野三山を結ぶ、もとは修験道の修行場として開かれた道で、中辺路・小辺路・大辺路・伊勢路とある熊野古道の中で、最も険しいルートということです。

<行動記録>
 5月11日 天気:快晴
大和上市駅を8時30分発の前鬼行きのバスに乗車する。道路崩落により前鬼止まりである。前鬼口に9時30分に着く。登山の乗客は私のみで、直ぐに林道を歩き始める。12時25分に前鬼山不動七重の滝展望台に着く。さらに林道を歩き13時10分に車進入禁止の所で登山届けを提出する。さらに歩き13時50分に前鬼に着く。ここは江戸時代までは教育の場を兼ねた修験道の一大拠点でした。生駒山の「暗峠」で悪さをしていた前鬼・後鬼という二匹の鬼が、修験の開祖・役行者に諭され従者となり、この場所で修験者たちを受け入れるよう命じられ、住み着いたことがはじまりと言われています。その後、前鬼・後鬼夫婦の5人の子どもたち「五鬼助」「五鬼熊」「五鬼継」「五鬼上」「五鬼童」がそれぞれ宿坊を開き、さらにその子孫たちもこの地で田畑を耕しながら、大峯奥駈道を辿る修験者たちを支え続けました。明治時代の半ばまでは5つあった宿坊も、現在は1つのみで61代目の当主である五鬼助義之さんは今なお「前鬼山小仲坊」を守り続けています。
 テントを張りゆっくりする。

 5月12日 天気:曇り
 13日に前線が通過する影響で天気は曇りである。3時に起床してテントを撤収して4時45分に歩き始める。沢沿いの登りで836段の木の階段が付けられている。2回休憩をして7時15分に稜線に出る。そこは太古の辻と言い、ここから南大峰奥駈道と言う看板を目にして気持ちが入る。まず70mほどの登って下り登り返し石楠花岳となる。名前の取りシャクナゲの花が咲いていた。1537mの天狗山に着く。地元ガイドの案内図にはテント敵地とあって、1張り張れそうだが水場は無い。下って登ると奥守山(第27靡)、嫁塚峠を越えて9時25分に地蔵岳に着く。どうもピークは霧雨で鞍部は視界が良くなっている。そして般若岳(第25靡)を越え滝川辻で休憩する。涅槃岳、証誠無漏岳、阿須迦利岳で休憩して、12時45分に持経の宿に着いた。今夜から明日にかけてかなりの雨が予想されるので、頭書は平治の宿まで行きテントを張る予定であったが、水が容易に得られる持経の宿に宿泊することにした。協力金2000円を払って宿泊する。水場は400mほど離れるが平坦な林道沿いにある。この日は私のみであった。19時過ぎから雨が降り出し夜中はかなり降っていた。
 5月13日 天気:強雨
 5時に起床して、外は強雨のため再度寝る。9時頃に朝食を食べ、昼頃までに雨が小雨にならなかったら、この小屋に停滞と決めた。
 14時頃に10名のガイドパーティーが前鬼からやってきた。結局雨は15時過ぎに止んだ。この小屋では電波が無いので天気の情報が得られないので、前日の朝の予報を参考にして明日以降の行動を考えるしか無い。

 5月14日 天気:晴れ
 4時に起床して、小屋の外で朝食を摂った。5時5分に歩き出す。意外と雲が残り、雲と地平線の間から朝陽が垣間見える。直ぐに持経千年檜がある。1時間ほどで平治の宿に到着する。ここは10名程度の小屋で、水場は下り7分とあった。テント場でもある。その後、転法輪岳の山頂で電波が得られるので、天気予報の情報を得るが、行動には問題なさそうである。

 4時間ほどで行仙岳に着いた。天気も良く大峰山脈の北部方面の釈迦ケ岳などが見える。山頂から25分ほど下ると行仙宿山小屋に到着する。30名ほどの大きな小屋であるが、水場まではかなりの急で梯子もあるとのことで、往復30分ほどかかるらしい。また、これから登る笠捨山も見える。
 行仙宿山小屋から1時間40分ほどで笠捨山に着いた。山頂から北西方面の山々が見えるが山名が分からない。山頂からくだり25分ほどで今日のテント敵地の葛川の辻に着いた。杉林の中の平坦なところにテントを設営した。まずは、水場へ10分ほど下るが、かなりの急でロープが設置してあり、何とか行けるような場所で、登り返しは20分強かかった。水量は豊富である。
 5月15日 天気:霧雨後曇り
 意外にも夜明け前から小雨がテントを叩き目が覚める。この先の地蔵岳が今山行の核心部の鎖場で、雨が激しくならないうちに出発しようと、テントを撤収して雨具を着込み5時10分に出発する。
 地蔵岳の手前に2ヶ所ほど鎖場はあるが登りなので特に問題ない。そして、山頂直下の左をトラバースすると立派なお地蔵様が安置されている。こんなところまでどのように持ち上げたのだろうかと疑問に思う。山頂を越え岩場をアップダウンして、下りの鎖場になる。6mほどの垂壁であるが、足場がしっかりしてるので、ここも問題ない。しかし、霧雨の中の行動で時間を要してしまった。
 香精山(第13靡)まで2時間がかかった。このころより霧雨は止んだ。その後は歩きやすい道となった。塔ノ谷峠を越えて、天気予報の情報を取得すると、15日は曇りのち雨、16日は晴れとあった。
 如意珠岳で休憩して、その先の登山道は舗装された林道と平行に走っている。12時10分に展望台に着き休憩した。そして、玉置神社に13時05分に着いた。杉の木がご神体だったりと、雰囲気が良い神社である。境内の池の脇で水を補給して、玉置辻へ向かう。かなり高度感のあるトラバースを越えて行くと、30分ほどで玉置辻に着いたが、車の往来もあり、その先20分くらいあるいた杉林の中の林道でテントを設営した。

 この日は夕刻から弱い雨が降り出した。

 5月16日 天気:曇りのち晴れ
 3時30分に起床して4時55分に歩き始めた。杉林の中を大森山に登っていると、朝陽が出てきたが、朝の時点では雲が多かった。大森山まで200mほどの登ると、150mほど急な下りとなる。また、登り返しやせ尾根のピークが五大尊岳で、400m下って行き、再び登り返して行くと大黒天神岳になる。急なくだりではロープが設置してあり、安全は確保されている。どちらかというと足下が滑りやすいので注意して行動した。

 山在峠や吹越峠など、尾根道の下部に来てもアップダウンが幾つもあり中々手強いみちである。そして、登山口に12時50分に着いた。そこから1.5km歩いて本宮大社に13時25分に着いた。
<行動時間>
 5/11 前鬼口9:30-13:50前鬼
5/12 前鬼4:45-7:15大古ノ辻7:20-8:20天狗山8:27-9:25地蔵岳9:32-11:08涅槃岳11:18 -12:45持経ノ宿
 5/13 停滞
 5/14 持経ノ宿-平治ノ宿-行仙岳-行仙宿山小屋-笠ヶ岳-葛川の辻
 5/15 葛川の辻5:10-6:10地蔵岳-7:50香精山8:00-9:55如意珠岳10:05-13:05玉置神社13:20-14:05玉置辻-14:35林道テント場
 5/16 テント場4:55-6:08大森山6:15-9:05-9:35大黒天神岳-12:50登山口-13:25本宮神社

<山行雑感>
 4〜5年前に大峰奥駈道の弥山から大峰山へARAさんと歩いたことがあり、南部も是非行きたいと思っていたが、コロナの影響で山行の実践が伸びて今日に至った。歩いてみて実感したのは、樹林帯が多く展望が良い訳でも無く、上り下りの多い修験道であることが良く分かった。また、水場が稜線から離れている点が行動を難しくしていると思う。今回はテント持参で実践したが、小屋利用で軽量化した方が行動はスピーディーになると思うが、最低でも4泊5日は必要だと思う。今回残した、釈迦ケ岳から弥山までの行程を次の目標としたいと思った。

記録:KOS  


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