二子山中央稜
日程:2021年11月5日(夜)〜6日
<行動時間>
11月5日
21:30県民サポートセンター前→24:20道の駅両神温泉薬師の湯(仮眠)
11月6日
5:30 起床→6:20道の駅発→7:00股峠駐車スペース→7:40同発→8:00中央稜取付(待ち)→8:45登攀開始→13:55登攀終了(登山道)14:13→14:45股峠→14:51駐車スペース
<行動記録>
鷹取山や広沢寺、三ツ峠などで岩トレをしてきたメンバーで秩父の二子山中央稜に行ってきた。ここは、11月でも登れるのでいい。ちなみに、N以外の3人はここが岩登り初本チャン。
夜行で横浜を出て道の駅で4時間半ほど仮眠して股峠の登山口そばの駐車スペースに向かった。すでに7、8台が駐車していた。そこには簡易トイレがあった。ありがたい。
ハーネス等装着して股峠に上がり、中央稜取付に向かった。取付は防火用の赤いドラム缶があり分かりやすかった。
取付には8時で一番乗りだったが、すぐ後に2人パーティが来た。私たちは4人なので、先に登ってもらうことにした。右のフェースを登るパーティもあった。
N・Mパーティ、H・Wパーティの2パーティで登る。N・Mパーティが先行する。
<N・Mパーティ>
<1P目(5.6)>Nリード
所々に岩の段差があるフェースから登りはじめる。フェースから右手のバンドに移るのにひょろっとした木が生えた横に3枚のフレーク状でできた短いクラック状を乗り越すところが少しパワーが要る。朝一なので”力を出すぞ”と自分に言い聞かせるとOK。一番外側の岩のホールドも使うと楽。バンドを進んでから一段上がった左にしっかりしたビレイポイント。
(M感想)
上部で丸い大きな岩をパワーで越える所が私的に核心でした。
<2P目(5.7)>Mリード
フェースを登った後左上して入ったクラックは直上するか迷う。右のリッジを乗り越した方が楽。あとはやや緩傾斜のフェースを登ると、特徴的な三角形の岩がある凹角の下のビレイポイントに着く。
(M感想)
柱状を登り下が切れているクラックを乗り越す所が私的に核心でした。
<3P目(5.8)>Nリード
一応ここの三角岩の頂点からの1、2歩が核心。右の壁に足を当て、左の壁に背中を押し当ててずり上がった。その上のクラック状には残置支点が少ないのでキャメロット#1を使った。クラックを出ると、岩場にしては大きな広場の大テラス。立木があるのでそれをアンカーにしてビレイ。ここでゆっくり休んだ。
(M感想)
逆y字を詰めその上のクラックで右足が効かず滑ってテンション。その後はゆっくりズリズリで登攀しました。(リードだったら大変)
<4P目(5.6)>Mリード
正面の大岩の右に左上する緩傾斜の幅広のバンドがある。そのバンドに乗って進むと右手に短いハングがある。そこを乗り越すか迷うが、左の台状の岩に上がってフレーク状の岩を一気に乗り上がる。私は前記の大岩を直上してきたパーティが同じ場所に上がって来たので、足場を避けて少し右の壁面に靴を押し当ててスメアリングで半ば滑りながら乗り越した。緩傾斜のテラスにビレイ点。
(M感想)
台状の岩に乗り上のガバを掴み乗り越す所、滑ったら崖に宙吊りと思うと、なかなか決断出来ず、クリップした右脇から登ろうかと迷うが勇気を出して台状から腕力で突破しました。
<5P目(5.7)>Nリード
左上に大きな岩のフレークが見える。今回はまず右から上のバンド状に上がって左にトラバースするルートを採った。大きなフレークの右側を登り左の岩の上に上がってビレイ。
(M感想)
リードのNさんが直上を避け右上からの左トラバース。自分が登る番で左ロープが低木に絡んで騒いでしまったが、左にトラバースしたら解消するわけで、リードにロープ振ってもらったりと無駄に時間の浪費をしてしまいました。
<6P目(5.6)>Mリード
スラブから岩頭を登るというイメージ。終了点の岩頭にはしっかりしたビレイ点。
(M感想)
右上して左にトラバース。その後は高度感はあるが階段状の難しくないルートなのでボルトが少ない、落ちたら相当なダメージかと思いながら、クラック状のルートを上に登るのみ。「落石に気をつけて」とセカンドのNさんからの声掛けあり。岩にスリングを回してプロテクションを取ろうとしたがうまく岩になじまず取れなかったが、スリングを回収して上部でクリップすることができ、終了点が見えた時はホッとしました。
<7P目(ほぼ歩き)>Nリード
段々の草付きを登って登山道に出る。肩がらみで確保。中央稜登攀終了。
(M感想)
先には何が待ち受けているのかと不安と緊張の登攀でしたが落ち着いて手足を決めれば大丈夫なルートでした。とは言え初マルチで全く落ち着いてはいられませんでした。終了点に立ち充実感が有り楽しかったと感じました。ケガなく登れて同行の皆さんに感謝です。
<H・Wパーティ>
<奇数ピッチ>Hリード
<偶数ピッチ>Wリード
(W感想)
反省点としては以下になります。
3ピッチ目核心後狭い岩の間に入れば上がりやすかったところを外に出たため高度感があり足を広げ切れず思わずピンに乗って足を上げこわかった。
6ピッチ目でリードしたときに、平行に打たれたピンに、進む方向から遠い方から両方かけたら絡まりロープが重くて引き上げにかなり苦労した。
全体としては手がかりがよくかなり手を使った登りをしてしまった。
反省点は色々ありますが、紅葉が綺麗で晴れたときに登れ、思ったより岩登りが楽しめたのがよかった。
(H感想)
初めての岩場の本チャンで緊張しつつ岩に取りつき、1ピッチ目2つ目のボルトにプロテクション取るまでかなり緊張しましたが、1ピッチ目は直上して右にトラバースする前にあるフレークを登るところが少し力を使いましたが快適に登れ、終了点もペツルボルトがあるので支点構築も練習通りできました。
核心といわれる3ピッチ目は緊張して逆Y字までの垂直に伸びたクラックでレイバックを多用しすぎて核心前に少し疲れてしまった。クラック内に足場を求めて正対の形で登ったほうが良かった。ここから事前にトポで難しいと思われる逆Y字からの2メートル位が難しい箇所ですが、この直ぐ下にボルトが2つあるので安全が確保されているのは心強い。ここについては逆Y字のクラックから身体を完全に出して右手のフェースにある薄いカチと甘いスタンス(足場が悪かったです)に両手両足を乗せて滑らないように注意しながら少しずつ身体を上げると(3手程)クラック上のガバに左手が届き一安心。後から他の人に聞くとクラックに背中を預けつつ足場を求めて登ったようで、難しくなってしまう登り方をしてしまった。
この上は階段状のホールドが続きますが、ボルトが無いのでカム#1、#2を使ってプロテクションを取って終了点のあるテラスへ抜けました。こちらは終了点には立ち木を使いましたが立ち木に支点構築するのは初めてだったので、無駄に手間取ってしまいました。
次に5ピッチ目については最初に右上に上がった後にバンドを跨いで左側にトラバースしてから上に抜けるルートでホールド、スタンスは良いので楽に登れるのですがトポを見忘れてルート探しに戸惑って時間をかけてしまったが快適に登れたピッチでした。しかし、ロープの屈曲を考慮しないでプロテクションを取ってしまったので上部ではロープが重くて、少し進むごとに手で引いてあげる必要があって無駄に体力と時間を使いました。また、ここまでのピッチもそうでしたがロープを交差させてしまいロープ捌きが悪くなってしまった事が次回以降、改善することを心掛ける必要がある。
初めて本チャンの岩登りでリードでも登らせてもらい、これまで練習してきたことが実践できて良かったです。また、2ピッチ目以降は木よりも上にいるので常に視界が開けて、秋の晴天の中で気持ち良いクライミングができて楽しかったです。
<下山>
前回、西岳頂上手前の登山道から下りて楽だった記憶があったが、こんなに西岳の方に行ったっけ、という気がして引き返して結局昔からの急で鎖が撤去された登山道を下りた。下りてみて、もっと西岳の方に行ってから下りるのが一般道だったことが分かった。
下山して見ると、林道上にたくさんの車列が。おそらくフリークライマーのではと思われるが、あらためて人気のエリアなのだと思った。
(N感想)
天候に恵まれて楽しい登攀ができてよかったです。初本チャンの3人もトレーニングを結果に結びつけて、ツルベ方式でリードして楽しく登れたようでさすがだと思いました。
記録:N