八ヶ岳・ジョウゴ沢F2・裏同心ルンゼアイスクライミング

日程 2020年12月26日〜27日


<行動記録>
 12月26日 天気:晴れ
4時に平沼橋をM車で出発して、MYを迎えに行き、談合坂SAでNIを迎えに行ったKU車と合流した。その後、小淵沢ICのコンビニに寄ると、以前当会にいたTKに会う。今日は赤岳鉱泉のアイスキャンディでアイスクライミングをするとのことで、四駆の車で美濃戸山荘へ向かった。

 7時07分に美濃戸口に着き、身支度を整え7時35分に歩き出す。MYが「この冷たい空気が肺に入る感じは良いですね」と言っていたことが印象に残る。12月としては暖かく、美濃戸山荘まで雪は無くアイゼンを使用せずに行けたのは、この時期としては少し物足りない感じである。

 美濃戸山荘に着いて、MY以外はチェーンアイゼンを付け行動する。林道は薄らと雪を被る程度でチェーンアイゼンが無くても歩けるが、中途半端な雪道ではあると心強い。堰堤広場で休憩して北沢を行き、赤岳鉱泉に10時50分に着いた。TKが居て、2時間前に着いたと言っていた。若者は歩くのが速いと思ったし、車の違いを思い知った。

 鉱泉で受付を済ませ、アイスクライミングに必要な道具だけを持ち、ジョウゴ沢へ行く。鉱泉から数えて3本目の沢に入り、F1の滝を越えて、川原を歩いて愕然とする。F2の氷が少ないのである。昨年より少なく登れるルートは中央左だけだ。幸いにだれも居ないので、MHがトップロープを張るために登った。昨年同様に右に支点を取る。ザイルが振られないように滝の中腹の中央にスクリュウ−を打つ。  各自1本ずつ登る。その後はその左の下部のルートは短いがやや傾斜の立っている所をトップロープで練習する。早めではあるが15時にNIがザイルの回収を行って、鉱泉に戻る。
 17時からの夕食を頂く。名物のステーキが出され感激する。持参した酒を飲んだり、ワインを飲んだりと舌鼓を打つ。

 部屋はコロナウイルス感染防止から個室使用となり、布団の下にインナーシュラフを持参した(NI氏はシュラフ、MH、MAは百均で購入したインナーを持参)。明日の準備をして20時頃に就寝する。

 12月27日 天気:晴れ
 5時に起床した。6時に朝食を食べトイレ渋滞にはまり7時出発予定が20分ほど遅れた。登山道に雪もそこそこあるので、アイス用アイゼンを履いて行動する。硫黄岳に向け登山道を歩き、2本目の沢に入る。踏み跡がしっかり付いているので歩き易い。F1の滝に7時55分に着いた。幸いだれも取り付いていない。
 MH、MA、KOとNI、KU、MYの2組に分かれて行動する。8時05分クライミング開始する。この頃に後続に3人パーティーが2組来た。  F1は15mほどの高さであるが傾斜はさほど強くない。MHがトップで右側を登る。ねんのためザイルを出しダブルロープ1本でミッテルでMAが登り、ラストでKOが登る。支点は右の木に取った。NIは左側を登る。KU、MYの順に登る。

 F1を終了してザイルを外し、F2に向かう。
 8時35分にF2に着く。氷の状態は良さそうである。気温が高めなので柔らかめかと思う。F2は3段40mの滝で今回はNIの発案でトランシーバーを用意した。MHがトップで中央を登る。NIもMHに続いてその右側を登り始める、MHが1段目を乗越すまで途中で様子を見て行動を続ける。
 2段3段目の様子は見えないので、ザイルの動きを頼りにセカンドはザイルを流すが、MHからザイルを出せと無線で要求があった。やはり、屈曲してザイルの流れが悪くなっている。そうこうしているとビレイ解除の無線が入り、無線の効果は絶大である。
 2番目にKOが登る。昨年もこのF2に来てトップロープで登っているので安心感はある。1段目の落ち口のアックスの打つ場所に注意してクリアーする。2段目はさほど難しくなく登ったという印象は無い。3段目はやや傾斜があり、手の疲れを感じる所である。落ち口は少し左の弱点を目指すと楽に抜けられた。かえって傾斜の無い所ではアックスを打たずに歩こうとするとアイゼンが氷に利かずに滑ることもあった。
 支点はMHは中央の岩に、NIはF3近くの左側に取っていた。MAは9時30分登り終わる。
 F3は10mの滝で左側が斜度が低く氷の状態が良い。9時35分MH氏が左側をリードして登る。MAはNIが確保に使っていた支点でセルフビレイを取りMHを確保する。NIはMHの更に左の岩壁に近い所を登る。
 セカンドでKOが登る。F3はガイドブックでは傾斜が60~70度とあるが、上部はそれ以上あるように感じた。MHは確保に中央の岩を使っていた。

 F4は滑滝である。ねんのためザイルを使用した。傾斜が中途半端でアックスを打ち、アイゼンの前の歯を利かせると脹ら脛がこたえる。途中でピッチを切って、F5の下へ行く。

 11時F5に取り付く。ガイドブックには10m70度とある。氷の状態はあまり良く無く中央の弱点が登れるルートと思われる。その弱点をMH氏がリードで登る。NIはその右の斜度が立っている所を登る。NIのルートは上につらら状になっているので、そこは登らずに左へ巻くように登る。
 セカンドでKOが登る。中央でスクリューを外し忘れ苦労する。その為かラストの3Mがきつく感じられた。登り終えて雪の被った氷に足を乗せると、氷が割れ水が流れ出した。気温が高いので融けかかっていたのだろう。NIは後続者に水が流れることを大声で注意していた。
 11時40分、MAもF5を登り終える。後ろを振り返ると乗鞍岳と御嶽の姿がとても綺麗であった。快晴と言って良い。ザイルをしまう。時刻は11時45分で4時間かかった。
MHが「6人で4時間とはまあまあだ!」と言っていた。

 その後は、小さな滑滝を越えてF6の基部へ行く。そして右の草付きを踏み跡を頼りに登り、大同心稜に12時15分に出る。休めるテラスがあり休憩する。暖かく風が無いのでとてものどかである。小同心クラックを登っている登攀者を眺めながら景色を堪能する
 12時40分に下山開始する。この頃より風が出始めた。NI以外は初めてのルートで心配していたが、順調に下り13時30分に赤岳鉱泉に着いた。天候も下り坂で雲が出てきた。
 鉱泉に預けた荷物を受け取りチェーンアイゼンを付け14時10分に鉱泉を後にする。美濃戸山荘まで一気に歩く。そして、16時30分に美濃戸口に着いた。お疲れ様でした。

 <行動時間>
 12月26日
 7:07美濃戸口7:35−10:50赤岳鉱泉12:00-12:30ジョウゴ沢F2、MHトップロープセッティング(アイスクライミング練習各自2本)15:00NIザイル回収15:30−15:55赤岳鉱泉
12月27日
 赤岳鉱泉7:20−7:55裏同心ルンゼF1着・8:05MHクライミング開始 NIはF1左側を登る。
 8:35F2着・8:45MHクライミング開始、9:31MAクライミング終了 NIF2はMHの右側を登る
 F3,9:35MHクライミング開始、9:57MAクライミング終了 NIF3はMHの左側を登る
 F4滑滝,10:12MHクライミング開始(途中でピッチを切る)−10:30滑滝上部、MHクライミング開始
 10:59F5着・11:03MHクライミング開始、11:40MAクライミング終了
 11:45終了点から小さな滑滝を越えてF6の末端へ
 11:55−右の草付きへ12:18大同心稜(休憩)
 12:40下降開始−13:30赤岳鉱泉14:10−14:54(堰堤広場通過)−15:30美濃戸山荘15:43−16:30美濃戸口

<山行雑感>
 KO:
 天候に恵まれ、メンバーに恵まれ、終始、周りからのサポートもあり、セカンドで登り切ることができて良かったです。特にリードして頂いたMHには感謝しています。登り終えて大同心稜に出た瞬間の景色の良さと登り終えた充実感は病みつきになりそうです。

 MH:
  裏同心ルンゼは昨年F2まで登ってみて次回は裏同心ルンゼを上まで登ろうと思っていたので今回は無事に行けてよかったです。
今回のメンバーは2〜3年前から一緒にアイスクライミングのトレーニングをしてきたメンバーだったので、技術的には問題なく楽しくアイスクライミングができました。
皆さんと一緒にトレーニングができて今回の裏同心ルンゼにも行けたことに感謝いたします。まだまだ行きたいルートはたくさんあるので皆さんと行きたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。

 NI:
  備忘録を含めて書きます。
F1はガイドブックでは「幅広の氷瀑」(昔の写真では確かに幅広)となっているが、地形あるいは水流が変わったのか、昨年も今年も幅広ではなかった。
裏同心ルンゼは入口からF1までが高差130m位で、F1からF5も高差130m位の間に氷瀑同士が隣接してあった。
各氷瀑の終了点の確保支点は上記本文中にも記載されているものもあるが、まとめて書いておくと、
F1:落ち口右の立木、落ち口左の少し離れた位置の斜めの木
F2:落ち口から数メートル離れた左側の岩に打たれた支点、沢中央の岩
F3:落ち口から数メートル離れた左側にある枯木、沢中央の岩
F4:特になかった。スクリュー2本で取った。なお、今回はF5の手前の小さな滑滝の手前で取り、F5まで2ピッチになったが、出発点をなるべく先にすればF5まで1ピッチで行けたかもしれない。なお、F5の基部近くにも支点となるものはなかったのでスクリュー2本で取った。
F5:落ち口左手の岩に打たれた支点
F5から先は、すぐ右手の右上する氷化したガリー〜草付きとガレ、またはガリーの上の草付き、さらに涸棚F6の手前まで詰めて大同心基部を右へ、の3通りあるが、今回は3番目の大同心基部の踏み跡をたどって大同心稜へ出た。楽そうなのはこのルートのようだった。
久しぶりにルートを登りました。そして今回やっと一手一手を意識して自分自身をコントロールしながら登攀することがある程度できたように思います。ステップアップにチャレンジできる気がします。MHリーダーをはじめ同行のみなさんに感謝
します。
記録:KO


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