八甲田山スキー

日程 2021年1月8日〜11日

<行動記録>
 1月8日(金)
 横浜平沼橋を13時にMH車で、KU車はNKを迎えに行き、東北道の蓮田SAで待ち合わせ。その後は平日で空いている高速道を快調に走る。雪で通行止めを心配していたが、古川IC手前で事故で通行止めの表示があり、急遽長者原SAに入って夕食に牛タン定食を食べる。下道で走るか考えていると、事故処理が終わり走れることになる。ここで夕食にしたのは正解であった。

 その後は青森に近づくと雪が激しくなり、視界が悪くなり運転に気をつけて走行する。青森市内でコンビニにより明日の朝食をゲットして、目的地のKOG邸に着く。KOGのご尽力でKOG車は新青森の駐車場に置いてくれて、2台をKOG邸に駐車する。再会を祝してビールで乾杯する。02時頃に就寝する。

 1月9日(土)天気:曇り時々雪(西の風19m、気温−15.5℃、積雪290cm、降雪30cm、視界30m)
 7時頃に起きて、朝食を食べKOG邸を出発する。KU車はKOGを乗せ新青森駅に車を取りに行き、MH車は八甲田RWへ直接向かう。朝良かった天気が悪くなり雪も降る。
 メンバー全員が揃いスキーの準備をして、ロープウエイに乗車して山頂駅へ行く。今回初八甲田のNK、KUに視界が悪く雪面がうねっているのでゆっくり行きましょうと声を掛ける。MH、KOGが先頭で滑る。次いでMA、KU、NK、ラストはKOSで行く。オレンジ色のポールに沿って滑るが、コースが狭くなっているのと、雪面が見えないので、NKから「雪面が見えない!」と言われ、「感で滑っています」と答える。樹林帯の狭いところではNKが足を取られて苦労していたようだ。MAもNKの先頭を行き、誘導したり転んだところを起こしてあげたりとサポートをする。
 少し下に降りると視界も利き始めるが、新雪が溜まる非圧雪の斜面に休み休み滑る。気温が低く降りたての雪で気持ちが良いが・・・。下部は中斜面を滑り山麓駅に到着する。昼食は山麓駅横の食道へ行き、煮干しラーメンなどを食べる。  昼食を食べ終えロープウエイに行くとツアーの客が多く一本待つことになる。13時の便で山頂駅に上がり、13時20分にダイレクトコースを滑る、雪が降り視界が30mほどであった。雪面が見えず手探りな滑りをして行く。少し下ると視界が開け滑り易くなった。中腹では少し樹林帯に入るなど少し遊ぶ。ゆっくり滑って山麓に14時20分に着いた。次はラストと言うことで14時40分のロープウエイで山頂駅に上がる。
 3本目もダイレクトコースで出だしは視界が悪いが、少し下ると日差しもあったりと良くなる。KOSの「止まらないで頑張れ」の指示にNKの恨めしい視線を感じる。NKは少し滑ると太モモが痛いと休みがちで、内心は明日のツアーを止めると言い出さないか不安になるほど。MAは優しく頑張れと励ます。山麓に滑り降りて、KU・NKはシールを付けシール登行の練習をする。NKも3本目には八甲田の雪に慣れたようす。
 酸ヶ湯温泉に16時頃着いて、チェックイン後直ぐに明日のツアーの申し込みを行う。風呂に入り汗を流して、缶ビールで乾杯をして、MH持参の高知の美味しいお酒を頂きながら、八甲田の山スキーの話しに盛り上がる。
 夕食はコロナ対策ということで個別盛りの食事であったが、なかなかいけた。食事後も酒を飲み21時過ぎに三々五々就寝した。

1月10日 天気:曇り時々雪
(9時 天候:雪&霧、気温−15℃、風速18m、西の風、積雪270cm、降雪10cm、視界30m)
 
 6時に起床する。雪が降っていたのでロープウエイが運行するか気になった。6時半過ぎに楽しみにしていた朝食を食べに食堂へ行く。少し並び6時45分に食堂に入ると、例年通りのバイキングでは無く、個別盛りの朝食で落胆する。しかし、御飯はしっかり食べた。
 売店でおにぎりを買って、自分達でお湯を沸かしテルモスに入れる。8時15分過ぎにツアーの準備をして外に出る。雪は止んでいた。

 8時50分のツアーバスに乗車して、八甲田山麓駅に9時10分に着く。直ぐにロープウエイに乗車して山頂に上がる。ガイドからツアーは9時55分出発予定と知らされる。点呼を取られゆっくりチームに入る。コースを銅像コースと聞く。ビーコンチェックを受けて外に出る。ガイドを先頭に山頂に上がる。天候は雪・霧で視界は30mといつもの八甲田である。
 今年は参加者が少なくガイドが多いようで、ゆっくりチームも2つに別れての行動となった。ガイドは徳佐氏ガイドである。山頂から緩やかに滑り始め、右の傾斜の緩い斜面に入るが先頭のガイドが滑るも直ぐに見えなくなる。当然雪面も見えない。20~30cmの良い雪が入っているのだが、慎重に滑ったため快適とは言えない。その時、ボーダーのストックが壊れたらしく、KOSの予備のストックを貸す。底へ滑り込み左へ大きく滑ってシールを付ける。MHのシールの付きが悪くテーピングで補強する。そんなこんなで時間が押すがスタートが早かったのが幸いする。
シール登行をして行くと、NKから「楽しい!」という頼もしい言葉が返ってくる。40分ほど歩いたであろう。前岳の斜面の手前の傾斜が緩いところに着いて、シールを外して滑る準備に入る。
 ガイドの後にMH・KOGが続く。ガイド3人に10人なので目の前の斜面を滑ってもノートラックを滑れる。先行するKOGが転んでいる脇を滑って行った後に、無線でスキー板を無くしたと連絡が入る。ガイド2人とKOGで探したらしいが見つからず、他のメンバーは降りることになる。樹林帯をノートラックを探しながら軽快にツリーランを楽しむ。沢のところで休憩を入れていると、ガイドからスキー板を借りたKOGが追いついた。

 沢を3つほど越えて後半の樹林帯も雪が良いので軽快に滑り12時19分に銅像茶屋に着いた。八甲田初参加のNKもそれなりに楽しんでいたようで、別世界の八甲田の山スキーを気に入ったようだ。KUは昨年に田沢湖でスキーの滑りを見ているので、それなりに心配はしていなかったが、新しい山スキーの板(フルロッカーのスキー)に順応しているようで、そのスキー板は八甲田仕様なので、ここに来ないといけないですね!と会話を交わした。
 山麓駅に着いて、直ぐに列に並ぶ。ガイドから山頂駅14時集合と連絡が入る。13時のロープウエイに乗車して山頂駅で持参したおにぎりなどでランチタイムとする。山頂駅のレストランは閉店して無料休憩所となっていた。

 午後のツアーは14時にスタートする。やはり銅像コースでスキーを担ぎ山頂へ登る。午前中より風は強くなったように思うが、この程度の風はいつものこと。今日の風は西風なので銅像コースは北斜面で風下になるので、風の影響は少ない。
 午後の参加者は我々5名とモノスキー方の6名にガイド2人とこぢんまりとしたツアーになる。山頂から緩やかに滑って行き、そこから左へ入って行くが視界が悪いので前を見失わないように滑る。そして、最初の斜面にでる。底が見えないの不安になるが、滑り始めて行くと急なところでガイドから右に斜めに入るように注意を受ける。底に滑り込みシールを付ける。
 午前中と同じようにシール登行して行く。前岳の鞍部に着くと雪は止み、少しは視界が良くなったように感じる。滑走準備を整える。
 ガイドからやや左へ回り込むようにとの指示があり滑って行く。先頭にいたKU・NK中川が躊躇しているので、ノートラックの中斜面の美味しいところをKOSがいただく。。太モモくらいのパウダーでチョー気持ち良く滑った。後からくるKUはスキーに乗った軽い滑りをしている。MHも粉雪をまき散らし楽しんでいる。

 銅像の斜面にパウダーが膝ぐらいたまり、傾斜は強く無いのでスキーの操作をほぼしなく真っ直ぐに快適に滑り降りた。NK氏も昨日とは打って変わって軽い滑りをして、KUは新調したスキーの本領を発揮して軽快であった。MHは慣れたもので一段と上達した滑りをしていた。また、MAはずいぶんと上達してほっといても大丈夫なようだ。
 その後は樹林帯に入りトレースを外しながらツリーランを楽しむ。沢越えは思ったほど掘られていなくて良かった。KU・NKも2本目でかなり慣れたようで、銅像茶屋に15時40分に着いて、本日のツアーを終了した。

 迎えのバスで酸ヶ湯温泉に戻り、明日の半日ツアーの申し込みを行ってから風呂に入った。
 その後は、ビール・酒を飲み、八甲田の山スキーについて語り合った。18時半過ぎに夕食を食べに食堂へ行く。

 1月11日 天気:雪&霧
(9時の時点 気温-14℃、西の風、視界30m、積雪270cm、降雪20cm)

 6時に起床してお湯を沸かしテルモスに詰める。6時45分に朝食を食べ、荷物の整理をする。
 8時50分にツアーバスに乗車して山麓駅に着く。9時20分のロープウエイに乗車して山頂駅に上がる。ツアーは10時スタートと告げられる。
 スキーを担ぎ山頂に上がり滑る準備をすると、ガイドから八甲田温泉へ行くとあり喜ぶ。また、ガイド2名で我々6名での貸し切りであった。
 山頂から少し滑り湿原のあたりでシールを付ける。そこから樹氷の中をシールで歩いて行く。途中でシールを付けたまま滑るところもある。休憩を入れて登ると鳴沢大地にでる。滑る準備をするが視界が悪く、斜面が見えない。ガイドからこの先に穴が空いているので左へ滑るように指示があった。
 出だしは急で斜めに滑り始めると、何と腰まで潜るではないか。自分の滑った雪煙が自分の顔にかかって目の前が見えない。いわゆる「オーバーヘッド」なのだ。斜面途中ではガイド2人が穴の近くに立ち安全な方へ誘導していた。
 KOSが底へ滑り降りる少し手前で右に曲がったら、スキーの底が抜けて1mほど落ちた。最後の最後で穴に落ちたようだ。
再びシールを付けトラバース気味に歩いて行く。緩やかな斜面にでて先にボーダーが滑って行き、その後に滑って行く。右に回り込むように滑って行くとガスが切れ視界が良くなった。八甲田温泉コースの最大のポイントの大斜面にでた。目の前はノートラックの雪面が広がっている。ガイドが先に滑ると腰までもぐり良い雪が溜まっている。MH、KOGに続き麻子氏も滑って行くが途中雪煙で姿が見えなくなる。

 NK・KUに続きとKOSも滑る。雪煙があがり目の前が見えなくなり止まろうとした瞬間にバランスを崩し転んだ。起き上がり滑って行くとNK・KUも転ぶ。ほぼ真っ直ぐ目に滑って下に降りる。MHが「初めてのオーバーヘッドだ!」と歓声を挙げていた。そこからは傾斜が緩いところはトレースに沿って滑り、スキーが滑るところは樹林帯の吹き溜まりを選び滑ってツリーランを楽しむ。
 途中で沢筋に入ってから左の台地に上がり樹林帯を滑る。下部の樹林帯はほぼトレースに沿って滑り12時55分に八甲田温泉に到着した。
 迎えのバスで酸ヶ湯温泉に13時45分に戻り、荷物を整理して風呂に入って酸ヶ湯の鬼面庵で昼食を食べて、横浜に向かった。道路は空いていて0時過ぎに平沼橋に着いた。運転お疲れ様でした。

<八甲田温泉コース>
<行動時間>
 1/10 午前・銅像コース 10:10スタート−12:19銅像茶屋
    午後・銅像コース 14:10スタート−15:45銅像茶屋
 1/11 八甲田温泉コース 10:00スタート−12:55八甲田温泉着
<山行雑感>
MH:
 今シーズンは寒波がいいタイミングで来ていたので、行く前からパウダースノーを期待していました。
青森市内にもたくさん雪があり、KOGさんもこの時期でこの雪の量は初めてというほどでした。初日に八甲田のスキー場、ダイレクトコースを滑ってみても雪が多く、翌日のツアーが良い条件で滑れると確信しました。
いよいよツアー当日、予想していた銅像ルートに行くことになる。
期待通り最初の斜面で膝上のパウダーを楽しみ、この時点で満足度は100%!
斜面の下におりてシールを装着しようとするとシールがスキーにまったく張り付かない。
困っているとガイドがビニールテープを貸してくれて2か所を固定して何とかなりました。
前岳の中腹でシールを外して、滑り始めるとパウダースノー&ノートラックだったため大喜びしながら滑りました。午前・午後のツアー共にパウダースノーを滑れて大満足でした。
1日2回のツアーですべてパウダーを楽しめたのは初めてかもしれません。
最終日のツアーは八甲田温泉ルートに行けると良いと思っていたが、天候が良くないので銅像コースだと決めつけていました。しかし私の予想に反して当日の朝に八甲田温泉ルートに行くと聞いてとてもうれしくなりました。シールをつけての移動中に最初の急斜面はどんな感じだろうかずっと考えていました。 最初の大斜面に到着するとガイドが斜面の途中に穴があると言っているが上からだとまったくわからない。とりあえずガイドいるところまで滑ったがオーバーヘッドで前が見えなくなるぐらいの雪の深さでした。山スキーを始めて初のオーバーヘッドを体験し、あらためて来てよかったと思いました。
次の大斜面も視界が良くノートラックを堪能しました。
この斜面は皆さん楽しそうに滑っておりてきた感じがしました。
この斜面を滑ってあらためて八甲田温泉ルートにこれて良かったと思いました。
今回の八甲田は条件がよくてラッキーでした。
最後にリーダーのKOSさんにはいろいろと段取りして頂き、またKOGさんには家に泊めて頂き本当にお世話になりました。ありがとうございました。

KU:
 昨年15年振りに滑って、その気になって道具を揃えたものの足慣らしもなくぶっつけ本番となった。板は長さ181pのセンター幅108oでフルロッカーを中古で譲ってもらった物だ。スペックはパウダーを滑ためともいえる板だが、それがどんな操作性なのかは未知のまま滑り始めることとなった。
 初日は視界が悪く案の定スキーに振り回されてポンコツで終わってしまった。それでも酸ヶ湯の温泉と酒のおかげでやる気を充電できた。2日目も相変わらず視界は冴えないが初めてのシール歩行に初めてのBCスキー体験でウキ。ウキだったがパウダー斜面は一瞬で終わってしまってなんとなく滑れた感じの不完全燃焼。3日目は風雪対策も視界不良にも慣れて、さらに前評判の高い八甲田温泉コースに入ることができて気分も上々。滑降バーンも滑降前に状態を教えてもらい確認をする余裕も出てイメージを作って滑ることができた。最後になる大斜面の下部ではスキー板の性能を出し切った会心の滑りができた。
 滅多にないパウダーの状態で八甲田温泉コースの大斜面も視界の利く状況で滑降できて大満足な八甲田スキー初体験となった。

KOS:
 今年の冬は久々に寒波が入り、新潟など日本海側で大雪となり、八甲田も積雪300cmを1月のこの時点で記録したというニュースを聞き、MHと「今年の八甲田は条件がすごく良い」などと話しをしていた。実際に数日前に降雪40cmで、前日もロープウエイが運休しているなどの情報から、ロープウエイさえ運行してさえさえすれば、楽しい山スキーが味わえると判断していた。この3連休の八甲田山頂駅での気温が−15にも達して、激パウが味わえた。特に、最終日の八甲田温泉コースに行けたのと、そこでオーバーヘッドのスキーができたことも、10年に一度の最高な山スキーができたことは嬉しい。
 1日半のツアーで、一日で銅像2本、半日で八甲田温泉と行けたのは滅多にないことです。RWが空いていたのも一理あるかも。
 また、MHが初めての八甲田の山スキー参加の2人に対して「こんな最高の八甲田のパウダーを体験して良いものか?」と言っていたが、KOSも同じ意見である。また、MH氏はこうも言っていた。2人に対して「次に来るときには、こんな良い条件(激バウ)はないと思わなければいけない」と。
 今回、KOGがスキー板を山で無くしたことで、1〜2月のパウダーの時期は、リューシュ(流れ止め)を付けて置かないと、転んでしまうと板が外れた場合は探し出せないので、くれぐれも注意が必要だ。また、NKはゴーグルが良く曇っていたので、ゴーグル選びは重要である。安物は買わないこと!。  今回は8日の昼に横浜を出発して、KOG邸で布団の上で眠れたことは、運転手のみならず体が楽であった。KOGさんたいへんお世話になりました。

記録:KOS


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