北海道・大雪山 銀泉台〜旭岳温泉

日程:2018年9月19日〜21日

<行動記録>
 出発3日前
 旭川上川地方の天気予報を確認したところ、19日と20日は晴れで降水確率20%、21日は曇で降水確率40%とあり、最初に計画した通り、初日は層雲峡泊、入山は銀泉台から、白雲岳避難小屋テント泊で旭岳温泉へ1泊2日で行動することとした。運良く19日に層雲峡の旅館が平日10組限定の宿泊プランが取れた。

 9月19日 天気:曇一時雨
 自宅を5時45分に出て、横浜駅6時14分発の京浜急行のエアポート急行で羽田空港に6時43分に着いた。すぐに手荷物を預けようとするとN氏もやってきた。「藏」でおにぎりを購入して朝食とした。
 飛行機は予定通り7時50分に出発した。関東地方は薄曇りで、東北地方は晴れており、松島湾や岩手山が良く見えた。9時過ぎに北海道の台地が窓から見えたが、内陸部は厚い雲で被われていた。9時25分に旭川空港に着陸して、手荷物を受け取り、総合案内所に予約しておいたEPIガスカートリッジを購入して、9時55分発のバスで旭川市内へ向かった。10時25分に旭川駅に着き、コインロッカーにザックを預け、駅構内のパン屋で行動食を購入し、大雪地ビール館へ行き11時30分の開店を待って入る。ソーセージやチーズを摘まみに地ビールを飲み、明日からの山行の無事を祈った。その後、旭川ラーメンを食べて、14時30分発の宿の送迎バスで層雲峡へ向かう。途中に道の駅「当間」に寄り層雲峡に16時15分に着いた。チェックイン後に風呂に入り、部屋で缶ビールを飲んだ。
 18時にビュッフェスタイルの夕食を食べた後、部屋で飲んだ後21時に就寝した。
 9月20日 天気:曇
 5時に起床して朝食のパンを食べ、旅館前から銀泉台行きのバスが出るので5時40分にバス停に並ぶ。その時、他の乗客から18日に緑岳で凍死者が出たことを聞く。バスは協力金込みで1000円で、層雲峡バス停、レークサイドに寄りほぼ満席となる。
 7時10分に銀泉台に着き、登山受付は代表者の名前と人数、コースを記入するのみであった。白雲岳避難小屋の水の情報を聞いて7時25分に歩き出す。白樺の林の中を歩いて行くと銀泉台の看板があり、ここから登山道は急になる。30分ほど林の中を歩くと、右側の斜面が開けた紅葉の名所にさしかかる。今年は8月に雪が降り、かなりの木々の葉が枯れたようになり、色が鈍いとはいえ、やはり綺麗である。空を見上げると雲の動きが速く、風が強いことがうなづける。40分ほどで紅葉が綺麗な第一花園を通過して展望台らしき所で休憩をする。
この後、第二花園を通過し傾斜が緩くなり、平坦なところを行くと駒草平である。そこを過ぎると雪渓が残るところが地図上の水場で休憩する。そこから20分ほど登りとなり、平坦になり赤岳のピークに着く。もはやここは銀世界である。大きな岩があり道標があるので良く分かる。風が強いので岩陰で休み、フリースを雨具の下に着る。時折風に小雪が交じる天気で白雲岳の方向は雲で見えない。登山道には雪が10〜20cm積もっている。ここまでで引き返す登山者が殆どである。
地図と道標でルートを確認して、小泉岳へ踏み跡をたどり歩く。ここは高度差が無いのでガスっていると道に迷いやすい。所々に道しるべの棒が立っている。15分ほどで小泉岳ピークの分岐点に着いた。そこから白雲岳への道を歩き、白雲岳分岐点に着く。ここは7月に来ているので懐かしい。休憩した後、荷物をデポして空身で白雲岳へ向かう。この頃より風は弱まり、天気も回復しつつある。雪面の踏み跡をたどりながら歩き、白雲岳の頂上直下か大きな石があり歩きにくい。12時に白雲岳の頂上に着いた。雲が切れて旭岳の頂上が見え始めた。旭岳から北海岳の稜線は雪が積もり白くなっていた。トムラウシへ続く稜線は雪は積もっていないのが分かる。
 頂上から来た道を白雲岳分岐点まで戻り、白雲岳避難小屋へ向かう。途中でテント場が見えたのだが、水が3分の1程度浸かっているのが分かる。分岐から30分ほどでテント場に着いた。先客は4張り程度あり、比較的乾いている所に風に注意しながらテントを張った。設営後にテント内で缶ビールを飲み酒盛りをした。17時に夕食を食べ18時過ぎに就寝した。この日はその後も風は強く、夜中も風がうるさくなかなか寝付けなかった。
 9月21日 天気:晴れ
 3時に起床しトイレに行くと東に月が輝き満天の星であった。朝食を食べ身支度を調え4時30分にテントを撤収すると東の空は明るくなり始めた。やはり北海道だと思った。トムラウシ山の方向には地表を被うように雲がかかっていた。
 5時にテント場を後にして歩き出す頃には、すでに周囲は明るくなりヘッドランプはいらない状態であった。白雲岳の分岐に向けて15分くらい登って振り返るとトムラウシ山の頂上が雲の上に出ており、雪渓に朝日があたり幻想的であった。
 白雲岳分岐点を越えて風が避けられる所で休憩をするが天候はすこぶる良い。そこから北海道岳への登りになるが、雲一つない晴天で旭岳から北海岳への稜線が綺麗である。北海岳に近づくにつれ、大雪山以外の山々が見え始め阿寒岳も見える。もはやトムラウシ山にかかっていた雲も無くなっていた。北海岳に着くとトムラウシ山から十勝岳への稜線がくっきり見え、その先に石狩岳とさらに先に日高の山々が見える。とてつもなく良い天気である。
 北海岳の頂上から旭岳への稜線、お鉢、北愼岳、黒岳と良く見える。この後、間宮岳へ向けて展望を楽しみながら稜線歩きをゆっくりした。何度となくここを歩いているが北海道の山ならではの稜線である。実に素晴らしい天気に感謝しながら歩く。

 間宮岳分岐の手前で見る旭岳が素晴らしい。そして8時に分岐点に着き休憩する。旭岳の頂上には沢山の登山者がいるが、この縦走路には登山者はほとんど居ない。実際に見かけたのは2人のみ。ここからすぐに間宮岳になり、そこから下りとなり分岐点から中岳温泉へ向けて緩やかな下りとなる。そこから見える裾野の紅葉が美しい。


登山道は尾根を下ると沢に合流する。沢の一部が温泉となっており、深さ30cmくらいの湯船が作られている。下からこの温泉を目当てに上がってくる登山者も居た。我々も直ぐに靴を脱ぎ足湯を20分くらい楽しんだ。中岳温泉から沢筋の登山道を下ると周囲はチングルマの大群落があり、綿毛の色と紅葉した葉、旭岳の頂上にかかった雪の白と青空の青のコントラストが美しいところをゆっくり歩く。分岐点で休憩して旭岳のロープウエーの姿見駅へトラバース気味に歩き、12時に姿見駅に着いた。12時15分のロープウエーで降りて、近くの温泉に入り汗を流して、14時20分発のバスまでロープウエー乗り場1階にある飲食コーナーで唐揚げやソーセージを摘まみに缶ビールで祝杯を挙げた。
 旭川駅に16時15分に着き、駅前のホテルにチェックインして、「居酒屋天金」に19時の予約をして、しばらく室内でのんびりした。その際、コインランドリーで洗濯をした。
 明日の行動食のパンを購入して居酒屋へ行き、23時頃就寝した。

<行動時間>
9/20
 層雲峡6:00-7:10銀泉台登山口7:25-10:20赤岳10:35-11:10白雲岳分岐11:25- 12:00白雲岳12:10-12:40白雲岳分岐12:50-13:15白雲岳避難小屋
9/21
白雲岳避難小屋5:00-6:55北海岳7:05-8:00間宮岳分岐8:10-9:05中岳温泉9:30 -12:00姿見駅

<山行雑感>
 以前に層雲峡から入り、黒岳石室に2泊して旭岳とお鉢回りをして、愛山渓温泉に下ったことがあるので、銀泉台から入り、中岳温泉から裾合平を経由して旭岳温泉へ抜けるルートを計画した。出発前の天気予報では旭川地方の19日と20日が晴れで21日は曇であったが、実際には19日は雨で旭岳はヒョウも降ったらしく、21日が快晴となった。秋の天気はその日になってみないと分からないところがある。また、20日は旭岳の初冠雪で例年より10日ほど早いらしい。18日には緑岳で凍死者が出ているほど風が強く、寒さも厳しいのが旭岳と言える。20日にも夕方に気温が−2℃になっていた。

 今年の北海道の夏は冷夏で8月下旬に雪が降り、かなりの葉が落ちてしまい紅葉の色はイマイチであったらしいが、天候に恵まれ良い思いをした。しかし、その後はぐずついた天気が続いたようだ。結局二日間とも晴れの日はめったにないようだ。  来年の9月は白雲岳避難小屋からひさご沼、トムラウシ山又は天人峡温泉へ行きたいものだ。


 


記録 KOS


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