北海道・大雪山縦走 旭岳〜トムラウシ山

日程:2018年7月10日〜13日

<概要>
 TSUMU氏の山行の前に山中2泊3日で大雪山の縦走を計画した。YAMA氏が参加の意向を示し、旭岳とトムラウシ山を登りたいとの意向で、予備日無しの計画で初日は旭岳野営場、2日目は白雲岳避難小屋、3日目はトムラウシ南沼にテント泊で望んだ。天候に恵まれ無事に縦走を果たした。12日は行動時間11時間という長い行程であったが、AB氏も軽量化を行い無難に歩き通した。

<行動記録>
 7月10日 天気:曇
 自宅を7時に出て、羽田空港に8時に着いた。手荷物を預けるのも平日なので空いていた。生ビールを飲み朝食のそば定食を食べ、珈琲を飲み出発までのんびりした。飛行機は10時30分出発が15分ほど遅れたが、旭川空港到着は5分遅れの12時20分到着であった。

 2皆でクロワッサンと珈琲で軽く昼食を取り、12時50分到着の仲間と合流して13時15分発のバスで旭岳野営場へ向かった。天気予報では10日は旭川は雨の予報であったが、夜半まで降らずにすんだ。14時20分に野営場に着き受付を済ませ、AB氏が宅急便で送った熊スプレーを受け取ってテントを設営した。その後、ビジターセンターへ行き、数日前の豪雨の影響で登山口へのアクセスの情報を得た。

 テントへ戻る途中でホテル「ラビスタ大雪山」で風呂に入った。その後、テントに戻り酒盛りをしてAB氏用意の夕食を食べた。天気を確認すると明日の旭岳は6時まで雨、9時曇、12時以降晴れとあったので、何とか白雲岳避難小屋までは行けそうだと判断し、その次の日の12日も晴れマークが付いてので、トムラウシ山まで行けそうだと思った。3時起床と決め19時30分に就寝した。

 7月11日 天気:雨(風雨)のち晴れ
 昨夜夜半から降り始めた雨が激しく、夜中は雨音でなかなか寝付けなかった。3時15分に起床する。朝食を食べ5時15分にテントを撤収した。5時35分にロープウエー駅に着くも入り口は閉まっていた。6時15分解錠で暫く外で待つことになった。

 6時30分発のロープウエーに乗車する。登山客は我々を含め30名近くになったが、殆どが日帰りハイキングのようであった。10分ほどで姿見駅に着き、トイレを済ませ雨降る中6時50分に歩き出す。姿見池を越えて20分ほど登るが、雨だけではなく風が強く横殴りの雨で、登頂を一時あきらめ避難小屋で様子を見ることにした。その後、ロープウエーは止まったので、風速は20mを越えていたと思われる。
 2時間ほど様子を見て、9時25分に避難小屋を後にした。風は残るものの雨は弱くなり、行動することができ、登るに従って天気は回復して行った。11時20分に旭岳の頂上に着いた。白雲岳とトムラウシ山とその稜線が見渡せた。北海道大雪ならではの光景が楽しめた。
頂上から間宮岳に向かう下りでは雪が残っていた。その後、間宮岳への登り返しがあり、12時35分に分枝に着いた。今年は6月が気温が低く雪解けが遅れ、高山植物の咲き具合が例年より10日ほど遅れているとビジターセンターの職員から聞いていたが、ガンコウラン、コケモモ、エゾコザクラ、ジャクナゲ、スミレなどの花が美しかった。

分枝から北海岳までの稜線は、左にはお釜、右にはトムラウシへの広大は台地が見られ、足元には黄色いスミレが沢山咲いており、文字通りルンルン気分で歩いた。しかし、風は冷たかったので上下カッパを着ての行動となった。
 北海岳から白雲岳避難小屋まではフラワーロードと銘打っているが、やはりチングルマの大群落があり、名にふさわしい良いルートである。白雲岳の分枝点に14時50分に着いた。白雲岳へ行くのを諦め、白雲岳避難小屋のテントサイトに急いだ。
 15時半に白雲岳の避難小屋に着き受付をして、まずはテントを干してから中に入り、酒盛りをして、明日の天気を確認しようとしたが、携帯の電波が入らないエリアらしく、ラジオで天気を確認した。我々が着く頃には先客は5張り程度であったが、その後テントは増え30張り近くになった。平日なのに凄い人気だと思った。
テントサイト近くに雪渓があり、気温はぐっと下がり寒かった。夕食まで酒盛りをして山談義に弾んだ。夕食はYAMA氏準備のナスの肉味噌炒めを食べ、19時半に就寝した。

 7月12日 天気:晴れ
 前日の雨音で寝付けかったせいか朝までぐっすり寝た。2時30分に起床して、外を確認すると満天の星空であった。4時には周囲は明るくなり、テントを撤収して4時25分に朝露のため雨具を着用して歩き出す。
 行く手の忠別岳への稜線は朝霧が出ており、幻想的な雰囲気の中を歩いて行く。今日の目的池であるトムラウシ山は朝霧の上に頂だけポツンと顔を出していて遠いと思った。風は冷たい。
 高天原から忠別岳が目の前に見えるが、歩いて行くとその手前に忠別沼の下りがあり、少々がっかりする。所々コマクサが咲き感激する。忠別沼から忠別岳へのゆるい登りを40分ほどかけて登り頂上に着く頃には、雲が広がりはじめたが雨の心配は無い。たいぶトムラウシが近づいたと実感するも今日の行動時間の1/3を過ぎたに過ぎない。
 忠別岳からチングルマが咲く斜面をゆっくり下り、鞍部に着くとそこは忠別岳避難小屋分枝点で休憩する。その後は五色岳への登りで、背の高いハイマツの間を抜け岩のピークへ到着すると五色岳の頂上である。そこから大雪沼が見えた。ここで今日の行程の半分をやっと超えた。次は化雲岳へ背の高いハイマツの中のトラバースとなる。歩いて行くとハイマツの根元の高山植物の根が掘り返されている。あきらかに熊の仕業で、熊に注意しながら歩いて行く。残雪の合間の木道で休憩を入れ化雲岳へ登る。ここのピークは目立つ岩があり遠くからも良く分かる。頂上の手前には高山植物が多く咲いている。ガンコウラン、エゾコザクラ、ハクサンイチゲなど。ようやく11時40分に化雲岳に到着する。トムラウシ南沼まであと4時間弱でもう一踏ん張り頑張ろう。
化雲岳からひさご沼分岐点までかなりの下りがあり、目の前に天沼への登り返しが目に入り少々滅入る。ひさご沼分岐点で休憩していると、ナキウサギの鳴き声がすぐ近くに聞こえ、目をやると一瞬その影を見る。
 ここから岩のルートで20分ほど登ると傾斜は水平になり、岩の合間に木道がひかれ歩き安い。その後、岩のゴロゴロした中を歩いて行くと池があり綺麗であった。ゴロゴロ岩の間にチングルマが咲き雰囲気が良い。ロックガーデンの手前と思われる所で休憩を入れる。
そこから大きな岩がゴロゴロしたところを越えた左手にトムラウシの頂上が見える。岩に付けられた黄色マークと岩に付けられた踏み跡をたどり歩いて行く。その二重山稜の肩の手前の斜面で休憩を入れ、さらに登ること30分で北沼が見えるところに来た。
 ここからトムラウシ頂上まで30分とあるが、北沼の左の登山道を行き南沼を目指した。途中、残雪のためルートを見誤り、時間がかかったが15時35分に南沼野営地に着いた。ここは野営場とあるが、避難小屋もトイレ(携帯トイレ用ブースはある)も無く、ただテントを張って良い場所だけである。我々の他3張りのテントがあった。天幕を張り雪解け水を採取して、トムラウシの頂上目指し空身で登った。30分で頂上に着いたが生憎の空模様で記念写真を撮り、直ぐに下山した。天幕に戻り夕食のホタテカレーの準備をしながら酒盛りをした。
 明日の天気は曇で昼頃より雨の予報なので、午前中には下山しようと3時半起床と決め19時半過ぎに就寝した。

 7月13日 曇のち雨
 3時半に起床して朝食の雑炊を食べて、テントを撤収した。トイレが無いので山の中で済ませ、5時05分に歩き出した。曇であるが視界が利きまずまずの天気で、トムラウシの頂上はガスが掛かるも、オプタテシケ山の裾野が見え、十勝岳の方の雰囲気は確認できた。
 お花畑の中の登山道を下り、9合目付近はチングルマが多く、例年より高山植物の咲きが遅いことを実感しながらトムラウシ公園のところで休憩する。
 休憩後は登りとなり、尾根を越えて前トム平から右にトラバース気味に下り、石ころのとこころを過ぎると、こまどり沢の雪渓の上部に着いた。雪渓の量は例年通りで、念のためアイゼンを付け下る。下部は雪渓が薄くなり穴も空いているところがあり、踏み抜かないように慎重に下りて、こまどり沢下部に15分ほどで着いた。沢のところでは日帰り登山者が多く休んでいた。アイゼンを外し沢を5分ほど下り登り返しになる。登りきったところで休憩した。
 その後は笹の登山道でカムイ天井の手前で休憩を入れ、樹林帯の登山道を下り、短縮登山道の分岐を越えて休憩を入れる。10時過ぎより雨が降ってきたので、ザックカバーと雨具の上着を着用して行動した。樹林帯の登りが多少あるなか下り11時12分にトムラウシ温泉に着いた。玄関前で靴泥を落とし、スパッツを洗い、トムラウシ温泉に入った。  新得タクシーに連絡を入れたのだが、かなり混雑していて予約が13時30分になってしまったことと、風呂の清掃のため12時から入って汗を流し、生ビールを美味しく頂いた。タクシーまで時間があるので、レストランで昼食を食べ新得駅に出た。

 新得駅15時49分発の特急で札幌駅に18時に着き、各々のホテルへ行き荷物を預け、19時にすすきのにある松尾ジンギスカンで反省会をして分かれた。

<行動時間>
 7/11 ロープウエー6:30-6:40姿見駅6:50-7:25引き返し-7:45避難小屋9:25- 11:20旭岳11:35-12:35間宮岳分岐12:45-13:35北海岳13:45-14:50白雲岳分岐14:55-15:30白雲岳避難小屋

 7/12 白雲岳避難小屋4:25-8:20忠別岳8:35-10:15五色岳10:25-11:40化雲岳11:50-12:23ひさご沼分岐12:33-14:50北沼15:00-15:35南沼キャンプ場16:00-16:3トムラウシ岳16:40-17:00BC

 7/13 トムラウシ南沼5:05-5:38トムラウシ公園5:50-6:50こまどり沢上部7:00-こまどり沢7:15-7:50登り返し上8:00-8:50カムイ天井手前9:00-短縮路分岐-11:12トムラウシ温泉

<山行雑感>
 今回はTSUMU氏の山行の前に山中2泊3日で旭岳からトムラウシ岳までの山行を、予備日なしで計画した。その為11、12日の両日が天候悪化の場合は縦走は無理と頭書から懸念しており、出発時の天気予報では縦走は無理な感じであった。しかし、実際に山行に望むと11日は昼より晴れ、12日には1日晴れとなり、11日の朝は荒天であったが、白雲岳の登頂をあきらめ、無事に白雲岳避難小屋に到着できた。

 12日は文字通りの晴れで行動時間が南沼まで12時間の長丁場であったが、AB氏も荷物の軽量化を図り無事に歩き通した。また、この日はテント設営後にトムラウシ山へ登り、テントに戻ったのが17時となったが、13日のトムラウシ温泉への下山を考えると南沼まで来た方が安心する。多少の雨でも下山できるからだ。化雲岳からトムラウシ山までのルートは大きな石ころがゴロゴロで歩きずらく、ペンキの印が不明瞭なところもあり、時間がかかるので悪天候では無理しない方が良いと思った。

 今回の山行は平日の実施で思った以上に白雲岳の避難小屋前のキャンプ場のテント数が多かったのには驚いた。また、トムラウシ山への縦走路では他の登山者に、まったく合わなかったのも驚いた。今回の山行の前と後は北海道地方は天候に恵まれず、我々の望んだ11日と12日のみが晴れでグットタイミングであったと思う。


記録 KOS


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