塩見岳〜仙丈ヶ岳縦走

日程:2018年7月19日〜23日

<行動記録>
7月19日 天気:晴れ時々曇
 7時30分にバスタ新宿に集合して、8時05分発の飯田行きの高速バスに乗車する。平日であったがバスの座席は半分以上埋まっていた。バスはトイレ付きであったが、途中のSAにより25分ほどの休憩をとった。

 バスは予定通り松川ICに11時49分に着き、下車後トイレを済ませ12時00分発の鳥倉登山口行きのバスに乗車する。バスの乗客は我々の他1名で三伏峠から光岳へ縦走すると言っていた。松川駅より数名が乗車して登山者は10名に満たなかった。バスは小型のバスで大鹿村から細い山岳道路になり急坂を登って行った。

バスは13時55分に鳥倉登山口に着き、トイレを済ませ14時08分に歩き出す。最初の20分くらいは樹林帯の急登で、その後は豊口山の中腹をトラバース気味に歩いてコルに出る。後は緩やかな尾根を登り、登山道が尾根の北斜面に入ると水場に着く。水は細いながら出ている。しばらく歩くと塩川ルートの分岐に着く。ここから30分ほど歩くと三伏峠小屋である。小屋の裏手にテント場があるが、30張り程度張れ平坦に整備されている。水場までは往復20分くらいであるが、着いたのが17時30分と遅いので、小屋で2lのペットボトルの水を600円で購入し、夕食の準備をしながら缶ビールで乾杯した。
 7月20日 天気:快晴
4時に起床する。昨夜は雨が降ったらしくテントのフライが濡れていた。しかし、今は星が輝いている。朝食を食べテントを撤収して6時に歩き出す。陽は塩見岳の上に昇り、山の写真を撮ろうとするが、逆光で旨く撮れない。小屋からの登山道は直ぐに荒川三山へのルートと分かれ左に入る。樹林帯の登山道でいつの間にか三伏山を通り過ぎてしまうほど展望が得られない。しかし、木々の合間から中央アルプスの姿が近くに見え、天気が良いのが分かる。
1時間ほどでコルに着く、その後登り返すと頂上がひらけた本谷山に着く。ここは360度の展望が得られ、北アルプスの槍ヶ岳から白馬岳まで見える。とりわけ塩見岳が近くに迫ってくる感じである。荒川三山も見え、この上ない好天に感謝する。本谷山から先は、緩やかなアップダウンを繰り返しながら樹林帯を行く。すると塩見新道の分岐点に着き、ハイマツを抜けると塩見小屋に到着する。
時刻は10時10分であるが、今日はここまでの行動で終わりとし、小屋で宿泊の手続きをして缶ビールを飲む。宿泊者は天水を500mlもらうことができ、さらに天水を500ml100円で購入して、明日の行動用の飲み水を煮沸して作った。昼過ぎからガスが出てきて展望は得られなくなった。
 小屋の寝具は寝袋で持参したことを伝えると宿泊料を500円引きとなった。また、小屋のトイレは携帯トイレのみを使用しており、男性は1袋、女性は3袋の携帯トイレの配布を受けた。使用後はボックスに廃棄できるので良いシステムだと思った。夕食は16時半で食後は特段することも無く18時に就寝した。
  7月21日 天気:快晴
4時30分に小屋の電気がつき目が覚める。小屋の窓から空を見ると星が輝いていたので今日も晴れだと確信する。5時に小屋の朝食を食べ、5時45分に歩き出す。
小屋からハイマツの間に付けられた登山道を行く。天狗岩を回り込むように登山道は付けられており、ガレ場を過ぎて鞍部の所で休憩を取る。その後は岩稜の登りとなり、地図上では2ケ所ほど危険マークが付いている所があるが、慎重に登り塩見岳西峰に7時35分に着いた。西に中央アルプス、北西に北アルプス、北に仙丈ヶ岳、白い頂きが目立つ甲斐駒ケ岳、裾野が広い間ノ岳、東に農鳥岳とその先に富士山、南には荒川三山が見え、塩見岳は文字通り南アルプスの中心だと感じた。360度の大展望を楽しみ、東峰に移動する。東峰の頂上は狭いが、これから歩く縦走路が良く見えた。北荒川岳まではガレ場が多いようで、岩の下りは無いようで少し安心する。
 頂上で30分ほど展望を楽しみ、東峰を後にしてガレ場を下る。登り返すと北俣岳分岐になりここで休憩をとる。蝙蝠岳から戻る登山者が居たが装備から小屋からのピストンであると思われる。分岐から先もガレ場が続き、キャンプ禁止の道標がある所で一息入れる。ここから見る塩見岳が素晴らしかった。ここから先の尾根の下りは樹木が無く展望が良いので気分良く歩けそうであるが、ガレ場なので足元をしっかり見て慎重に歩く。逆方向からの登りの登山者も目につくようになったが10名程度であった。尾根を下って行くと樹林帯となり、登山道は尾根の横をトラバース気味に歩くのだが、アップダウンがあり思った以上に苦労し、旧北荒川岳のキャンプ場に着く。
広いザレ場を登り北荒川岳に着き、塩見岳と今日歩いたルートを見ると下って来たことを実感する。また、反対に北を見ると。この後も樹林帯のアップダウンがあり、まだ遠いなと思った。尾根の東斜面の樹林帯を行き、なかなか新蛇抜岳を通過しない。途中で休憩を入れてやっと新蛇抜岳と思われる所を過ぎた。少し行くと展望の良い竜尾見晴に着くのだが、行く手を見ると、まだ先の尾根の中腹に小屋の屋根が見える。熊の平の小屋であろうがまだ遠いと思った。その後も樹林帯で展望の得られない尾根をアップダウンしながら行く。1時間半のコースタイムの所を2時間以上を要して歩いた。15時15分に熊の平小屋に着き、テントの受付をしてテントを張り終えて、冷たい湧き水で冷やした缶ビールで乾杯する。テントサイトは数カ所に分かれており、晴れる総数は30張り程度かと思うが、今日は我々を含め10張りを越える程度と少ない。 ここは携帯が入らないので天気の確認はラジオのニュースで天候を確認し、明日も晴れで安心して、夕食後19時過ぎに就寝する。
7月22日 天気:快晴
3時起床して朝食を食べて4時35分に歩き出す。テント場から三国平への朝一の登りできつかった。登るにしたがって後ろを振り返ると、塩見岳に朝日が当たり綺麗であった。早起きして歩いたかいがあったと言えよう。
砂礫の台地の三国平で休憩する。農鳥岳と間ノ岳の鞍部に富士山が見える。間ノ岳の向こうから太陽が登り、間ノ岳は逆行で見えずらいが間近に見える。この尾根の登りは1時間と地図にはあるが、もっと時間がかかるように見える。三国平から緩やかな尾根を登り、痩せた尾根になる手前で一度休憩を入れ、幾つかのピークを越えて三峰岳のピークに着いた。ここは360度の展望が楽しめ、北岳や仙丈ヶ岳が近くなった。今回の山行の目的の仙塩尾根が見え、結構アップダウンがあるのと樹林が多いことが確認できた。
三峰岳からの最初の下りは砂礫で、だんだん下るに従いハイマツの尾根になる。さらに下ると樹林帯となる。幾つかのピークを越えるのだが、アップダウンがあり岩稜となり鎖も付けられている。反対から登山者が結構登ってくる。殆どが北岳山荘を目指しているらしい。

後半は樹林帯で太陽の日差しを受けずかえって歩き安いとも言える。12時25分に野呂川越分岐に到着する。
ここから両俣小屋まで下りである。最初は急坂をくだり野呂川に出て川岸に少し歩くと両俣小屋に着く。小屋の方に聞くと最近クマが出るらしいので、空き缶は必ず洗ってからゴミ箱へ入れ、生ゴミなどは朝にゴミ箱へ入れてくださいと注意を受ける。ここは登山者だけでなく釣り客も居てテントを張っていた。隣にテントを張った方は仙丈ケ岳の藪沢小屋に昨日泊まったらしいが、ガラ空きであったらしい。また、仙丈小屋、馬の背ヒュッテは満杯であったことを聞く。

我々は明日の仙丈小屋の宿泊予約を取ろうと電話を三峰岳から掛けたのだが、留守電でつながらず、その後も稜線から何度か電話を掛けるが繋がらなかったので、明日は藪沢小屋に泊まろうと決めた。明日は2時半起床、4時出発と決め18時過ぎに就寝した。

7月23日 天気:快晴
2時30分に起床して、朝食を食べるとONさんが体長不良ということで、両俣小屋から野呂川出会いに出て帰ることになった。コッフェルやフライなどの装備を受け渡して、KOS単独で仙丈ヶ岳から北沢峠へ行くことにした。テントを撤収して3時55分に暗い中、ヘッドランプを点け踏み跡と赤布をたよりに歩き出す。4時20分頃より周囲は明るくなり、ヘッドランプ無しで行動することができた。野呂川越に4時45分に着き休憩する。

野呂川越から横川岳の登りになり、ピークを越えた所で休憩をいれた。独標、水場を越えて伊那荒倉岳で休憩する。今日も天候は良いが昨日より薄い雲が広がっているようである。伊那荒倉岳以降も小さなピークを幾つか越えて2676mのピークに出るとようやく展望が開け、仙丈ケ岳への尾根が見渡せた。振り返ると塩見岳・三峰岳からの歩いてきた稜線が見え塩見岳が遠くなったと感じる。この付近はハイマツ帯でさわやかな風を受けながら歩けて気持ち良い。その後は再び樹林帯に入り、しばらく行くと岩稜となり、日差しを遮るものが無い中、幾つかのピークを越えて、大仙丈ケ岳の手前の鞍部で休憩を入れるが給水量が増える。
大仙丈ヶ岳まで山腹を蒔くように登り、9時40分に着いた。360度の展望が広がっていた。登山者は少なく私一人であった。また、この調子ならも北沢峠13時30分発の広河原行きのバスに間に合うかもしれないと思い、仙丈ケ岳に着いた時刻で考えようと思った。
大仙丈ヶ岳から、仙丈ヶ岳には多くの登山者が居るのが分かる。仙丈ケ岳までは岩稜で慎重に歩き、10時30分に仙丈ヶ岳に着いた。登山者が多く、どんどん尾根から登ってくる。頂上で写真を撮り、小仙丈ヶ岳経由で尾根を下ることにした。小仙丈ヶ岳は尾根の一部が小高くなり、そこを越えた所で休憩する。その後、樹林帯に入り藪沢からのルートに合流し、その後も尾根を下って行く。途中で休憩を入れ、甲斐駒ケ岳の裾野に向かって下りて行くと13時に北沢峠に着いた。何と人の多いことに驚く。広河原行きのバス待合室で順番待ちをして、13時20分発の臨時のバスに乗り広河原に出て、14時発のバスで甲府駅に向かった。途中の芦安の白峰会館の日帰り温泉に入り汗を流し、生ビールを飲み喉を潤してからカツカレーを食べた。次の16時発のバスに乗り、甲府駅に出て17時32分発の高尾行きの各停に乗り帰った。
<行動時間>
7/19 鳥倉登山口14:08-17:30三伏峠
7/20 三伏峠6:00-7:20本谷山-10:10塩見小屋
7/21 塩見小屋5:45-7:35塩見岳西峰-塩見岳東峰8:10-11:00旧テント場跡-15:15熊の平
7/22 熊の平4:35-5:25三国平-7:35三峰岳7:45-12:25野呂川越30-13:30両俣小屋 7/23 両俣小屋3:55-4:45野呂川越4:55-6:45伊那荒倉岳6:55-9:40大仙丈ヶ岳9:45- 10:30仙丈ヶ岳10:40-10:30小仙丈ヶ岳10:40-12:00北沢峠

<山行雑感>
 今回は塩見岳から仙丈ヶ岳まで5泊6日の日程でゆっくり目の山行を計画した。天候に恵まれ、縦走を完結したが大沼氏が最後に体調不良で両俣小屋から仙丈ヶ岳まで行けなかったのが残念である。仙塩尾根は樹林帯のアップダウンが多く、結構時間がかかるとともに、展望を得ながら歩く感じではなく、ピークに上がった時に展望を楽しむことができきる。 塩見岳は過去に北岳から塩見岳の縦走を計画して、熊の平までは来たことがあったが、荒天のため縦走を断念したことがあるので、今回縦走ができて嬉しい。また、熊の平でテントを張り、展望が楽しめたのも嬉しい。
北アルプスに比べ南アルプスへ行く山行が少ないので、これからも南アルプスへ機会があったら行きたいと思う。



記録 KOS


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