大峰山

2018年11月9日(夜)〜12日

<行動記録>
 11月9日
 バスタ新宿に22時30分に集合して23時15分発の夜行バスで大和八木駅に向かった。5日前の天気予報では10日に雨マークが付いていたが、出発する9日にはそれが消えて晴れマークに変わっていたので安心した。

 11月10日
 大和八木駅にバスが6時45分に着き、6時58分発の近鉄で橿原神宮前経由で下市口に7時39分に着いた。登山口へ行くバスが8時20分発であったが、登山者が多く50名くらいになり、臨時便が運行されていた。

 8時20分発のバスに乗車して天川川合のバス停で9時02分に着き、9時10分に歩きだした。赤い吊り橋を渡って多くの登山者が左に曲がったのでそれにつられ歩くとみたらい渓谷への道で間違いに気づき、赤い橋まで戻って登山道に入った。

 杉林の尾根に取り付き下部では紅葉が残っていて綺麗であった。天気予報では晴れの予報であったが、ガスがかかり10時頃には霧雨が降ってきた。しかし、樹林の中では気にならなかった。登山道は一部林道と重なっており、時折白いガードレールが目に入ってきた。かつては車で途中まで来ることができたのかと思うと、高度成長期の負の遺産と言えよう。
 3時間強で栃尾辻に着いた。荒廃した避難小屋があり、高校生の団体が休んでいた。その後の登山道は小さなピークがある比較的緩やかなアップダウンを繰り返し登って行く。登るにしたがいだんだんとブナ林が増えてくる。秋も深まりブナの葉は落ちている。景色が見えるはずが、曇り空で良く見えないのが残念であるが、上空は青空が見え始めているのでこれから良くなりそうである。
登山道が弥山辻へ行くレンゲ道と分かれ狼平に向け左に折れると沢まで下りになる。下った所が狼平で立派な避難小屋があり、二階には登山者の団体がいたようだ。ここで泊まるのも良い。登山道はそこから木の階段を20分ほど登り返し、トラバース気味に登って行くと弥山小屋に着く。ここまで6時間半を要した。小屋で宿泊の受付をして、直ぐに八経ケ岳へ向け行く。最初は下りで登り返すと頂上に着いた。西風が強く西側は雲があり、東側の大台ヶ原の方面は展望が得られた。風が強く寒いので写真をとり小屋に戻ることにした。小屋までもどり小屋裏の弥山頂上に行き、小屋にもどる。
17時から夕食ということで、直ぐに缶ビールでお互いの頑張りに缶ビールで祝杯を挙げ夕食を食べ、食後もしばらく食堂で酒を飲みうだうだした。19時半頃就寝した。

 11月11日 天気:快晴
 5時に起床した。6時からの朝食を食べ身支度をして6時25分に小屋をあとにした。小屋から階段の下りで朝陽が美しかった。小屋で朝食を食べている時が日の出だったので見る時間が無かったのが心残りであるが、今日の行程は9時間ほどかかるので気合いを入れて歩くことに専念しようとした。

 昨日と打って変わって無風快晴で気温は低いが寒くは感じなかった。35分ほど下り理源大師像のある聖宝ノ宿跡に着き、衣類の調整を行い、緩やかなブナ林を歩き弁天の森のあたりで休憩をする。そこから30分くらいで八経ケ岳の最短ルートの登山口の行者還トンネル西口分岐の奥駈道口に着く。結構な数の登山者が登ってくる。奥駈道へ入ると登山道が一変して踏み跡程度になり、いきなりの倒木に悩まされる。その後は笹原の尾根で葉を落としたブナ林で景色が見渡せ快適なところを行き、一ノ峠を越えて1472mのピークで休憩する。
風も無くのどかな日である。小さなアップダウンを繰り返し1時間ほど行くと天川辻に着き休憩する。行者還岳の異様な姿が目の前になる。歩き始め5分ほどで行者還岳避難小屋に着き、中を見てみると2室ありかなり立派な小屋である。小屋の横の岩を登ると行者雫水があり、水が出ている。そこから行者還岳の肩まで急登となり20分ほど苦労する。行者還岳まで往復15分であるが、先を進むことを選び笹原の尾根道を進む。次の七曜岳の登りが急で岩登りのようであった。ピークを越えると鎖があり慎重に下りると笹に被われた七つ池に着き休憩する。これで今日の行程の半分を超えた。大普賢岳の登りを頑張れば、小笹の宿避難小屋まであと僅かと自分を奮い立たせる。
七つ池から国見岳の登りが急でロープがあって慎重に登り、ピークを越えると鎖があり修験者の道であることを実感する。弥勒岳で休憩する。大普賢岳が目の前になったので、次のピッチに気合いを入れる。
 1780mの大普賢岳へ向け歩いて急登を抜け、頂上で写真を撮って先に進み、小普賢岳を越えた所で休憩する。気合いを入れ歩いたためか大普賢岳の登りはさほどでは無かった。むしろ国見岳や七曜岳の方が厳しかった印象である。
大普賢岳は気合いを入れ登ったためか、さほどきついとは感じなかったが、その後の阿弥陀森の登りは疲れた感じがした。阿弥陀森には女人結界門があり、大峰山寺の奥駈道の風習が残ったいるところであろう。そこから、緩やかな登山道を下り小笹の宿避難小屋に15時15分に着いた。しかし、避難小屋は扉が壊れているが、中は5〜6人程度が宿泊できる小さな小屋であった。平日ともあり我々だけの宿泊で、のんびりすることができた。水場は横の沢から得られた。念のため明日の朝に歩く登山道の様子を確認した。
明日の予定を相談して、頭書吉野まで行く予定であったが、温泉に引かれ洞川温泉へ下ることにした。バスの時刻が12時25分の後は15時頃になってしまうため、11時には洞川温泉に着きたいので、明日は4時起床、5時半出発と決め、まずは荒木氏が持参した缶ビールを頂き今日の頑張りに祝杯を挙げ、焼酎を飲み夕食までまったりした。夕食後、18時過ぎに就寝した。

 11月12日 天気:晴れ後曇り
 4時に起床して朝食のラーメンを食べる。パッキングを終えて5時10分にヘッドランプを点け暗い中を慎重に登山道を確認しながら歩き出す。幸い登山道は傾斜もきつくなく歩きやすかった。6時近くになり東の空が赤くなり、谷間に雲海があり幻想的な雰囲気であった。段々と明るくなり山上ヶ岳の姿が確認できた。頂上直下の登山道をトラバース気味に登ると建物が見え大峰山寺だと分かった。時刻は6時15分である。荷物を置いてしばらくすると東の空から太陽が昇ってきた。日の出を眺めてから、150m先の頂きへ行った。
大峰山寺から西ののぞきの方へ少し歩き、そこから栃村ヶ岳山荘経由洞川温泉へ下った。鉄の階段が何カ所にも付けられた急な尾根を35分くらい下ると女人結界門のある鞍部に着いた。そこから少し登り返したところで休憩する。この後の登山道を地図で確認すると起伏が激しい尾根をトラバースするように着けられており安心すると同じに洞川温泉まで3時間あまりで下れることが分かり気持ちに余裕ができた。
笹の茂る急斜面に付けられた登山道を約1時間ほど歩くと栃村ヶ岳山荘に着いた。小屋は営業中で味わいのあるたたずまいであった。小屋前のベンチで休み、法力峠経由で洞川温泉に向かった。途中の百名水に立ち寄ると駐車場に多くの車が名水を取りに来ていた。しかも、蛇口が各々駐車場に設置されていた。近くに名水をボトルに入れる工場もあった。
 11時10分に洞川温泉センターに着き、汗を流してビールが飲みたいので店を探し、バス停前の食堂に入った。12時25分発のバスまでビールを飲み喉を潤し、祝杯を挙げた。
<行動時間>
11/10
天川川合-栃尾辻-15:40弥山小屋15:50-16:15八経ケ岳16:20-16:45弥山-16:50弥山小屋

11/11
弥山小屋6:25-8:20一ノ峠8:30-9:25天川辻9:35-(9:40小屋)-11:30七つ池11:40-13:35 弥勒岳13:45-(14:45大普賢岳)-14:30阿弥陀ヶ森14:40-15:15小笹の宿避難小屋

11/12
避難小屋5:10-6:15山上ヶ岳6:30-(7:08レンゲ辻)-7:15休憩7:25-8:05 栃村ヶ岳山荘8:20-9:35法力峠9:45-11:10洞川温泉センター

<山行雑感>
11日の核心部の天候が快晴で2泊3日の山行が無事終えることができ嬉しく思う。頭書は吉野までの縦走を考えていたが、山上ヶ岳から吉野まではコースタイムで10時間かかり、吉野には手頃な日帰り入浴ができるところが無いので、ついつい洞川温泉に引かれて下山した。大峰山の縦走は景色が良いのでは無いので、奥駈道を歩いたという実績が残る登山と言えよう。
 次回は大峰山の南部の縦走にチャレンジしたい。気候のことを考えると夏は暑く、雨が多いので、台風の影響の少ない10月下旬から11月上旬が良いのではないかと思う。また、南部は宿泊場所と水の確保が難しそうだ。

記録 KOS


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