甲武信岳縦走

2018年11月23日〜25日

<行動記録>
 出発の3日前の天気予報では24日に雪マークが付いていたが、出発当日になり天気予報は好天して3日共に降水確率0%とあった。だが、23日は寒波の影響で甲武信岳頂上の最低気温が-9℃、最高気温が-2℃とあったので、冬シュラを持参するなど寒さ対策をした。

 23日の朝、西武池袋駅6時50分発の特急秩父3号で西武秩父駅に向かった。列車はほぼ満席であった。
8時15分に西武秩父駅に着き、バス停に行くととても長い登山者の列であり、その一番後ろに並んだ。しかし、確認するとそのほとんどは三峰山へ行く登山者で、我々のように川又まで行く登山者は10名を越える程度であった。

 8時35分にバスに乗り、9時40分頃に川又のバス停に着いた。トイレはあるが、店も飲みのもの自動販売機もない。沢水は得られる。

 10時に歩き出す。車道を35分ほど歩き、登山口にさしかかる。杉林の中を歩いてく、途中には紅葉が残っていた。天気は快晴だが気温は低い。登山道に入り15分ほど登り休憩をいれ、さらに50分結構急なところを歩くと雁道場(岩道場)の平坦部に着き休憩する。

 雁道場から樹林帯の急登を登り平坦な突出峠に着く。TM氏のペースが遅くなり、AR、TD氏2人に先行してもらうことになる。
 突出峠からしばらく緩やかな笹原の登山道で気候も良いのでのどかである。傾斜が増してくると樺避難小屋に着く。一息を入れ歩くとだるま坂という急登になり、雁坂峠とほぼ同じ標高となる。そこを過ぎるとトウヒ、コメツガなどの樹林帯をトラバース気味に歩いて行くと雁坂小屋が直ぐ近くに見える。しかし、沢を回り込むように歩くので思ったより時間がかかる。
雁坂小屋に15時50分に着いた。小屋で缶ビールが売っているので一安心する。先行してくれたTD、AR氏が四天を張ってくれていた。40分くらい前に着いたらしい。直ぐに二天を張り、小屋へ缶ビールを買いに行った。小屋では猪鍋を販売していたが、売り切れのようであった。荷物を整理してAR氏と缶ビールで乾杯した。しばらくして四天の方も整理ができたので5人で各々持参した酒と摘まみで談笑した。
 夕食はTM氏担当で茄子とベーコンのトマトスパゲッティーを美味しく頂き、食後も19時まで語らいだ。



 11月24日 天気:快晴
 4時30分に起床してテントの外を見ると薄らと雪が積もっていた。テルモスにお湯を詰め、荷物の整理をしてAテントで朝食を食べ、テントの撤収に入った。かなり寒く-7℃になったようだ。
 身支度を調え6時40分に歩き出した。日の出は6時30分ですでに明るい中15分歩くと雁坂峠に着いた。風はあるものの天気は良く、周辺の木々は霧氷で美しく、雲海の先に富士山、南アルプスが綺麗であった。雁坂峠は日本三大峠(針ノ木峠、三伏峠)の一つであることを初めて知った。
雁坂峠から樹林帯の登りで雁坂嶺まできつい登りで、その手前で休憩を入れる。その後は少し平坦になり、東破風山の登りの途中で休憩を入れる。東破風山から花崗岩の露岩帯で、気を引き締めて歩く。破風山に着くと甲武信岳の方面が良く見渡せた。左には金峰山が見えた。破風山からかなりの下りで、休憩できるところが無いので25分ほど下ったところの樹林帯で休憩を入れる。そこから10分ほどで破風山避難小屋である。そこを過ぎると今日最大の登りになる。樹林が切れ岩のあるところに10時50分に着いた。するとTM氏が弱気になり、徳ちゃん新道で西沢渓谷に下山すると言い始め、皆に一緒に行こうと説得されていた。その時、ARさんから一人1個ずつのミカンが差し入れがあり感動する。

 その後は樹林帯の緩やかな登山道で、気温もあがり始めた。木賊山の分岐を甲武信岳小屋へ向けトラバースして歩き、11時52分に小屋に着いた。ここでTM氏は皆に説得さてこの後も一緒に行動することになった。
小屋から少し登り、甲武信岳の頂上に着いて、記念写真を撮り十文字小屋へ向け歩き出した。途中で休憩を入れてようやく13時30分に山宝山に着いた。この山は傾斜が緩やかだが大きい山だと思った。頂上から緩やかな下りの登山道を行き、鞍部と思われるところを越えると、尻岩という巨岩があり、少し登山道を登ったところで休憩する。あと3時間で日没になるので、16時までには十文字小屋に着きたいと思うところ。
休憩後歩くとクサリがあり、そこを越えると2288mのピークに出る。その先に鋭角な山の白岩山が見える。頂上に標識があるが、「今は登山禁止になっている」とTM氏が言う。結構な岩ルートでMATCH氏は楽しがっているが、アップダウンで時間を要してしまう。途中で休憩を入れ、2225mの大山の頂上に16時に着いた。あと30分くらいだろうと5分ほどの休憩を入れ、先に進むとくさりが付いた急な下りが続き、慎重にクライムダウンをする。「人が多く通るところならもっとクサリが付いているだろう」とAR氏が言う。だが、すでに時刻は16時半になり、日没時刻である。だんだん暗くなる中登山道を下り、ようやく十文字小屋の屋根が見えた。16時50分に小屋に着いた。TD氏はテントを張り終え首を長くして待っていたようだ。急いでもう一張りテントを張り、小屋で缶ビールを購入して、四天に集まり今日は良く歩いたと祝杯を挙げる。結局10時間30分を要して充実した1日となった。
夕食を作りながら酒を飲み、明日の行程を考えて14時41分の川又のバスに乗るために、6時出発と決め4時起床にすることにした。MT氏用意のペンネを美味しく食べ、19時に就寝した。

 11月25日 天気:快晴
 4時に起床して、朝食を食べ天幕を撤収して5時50分にヘッドランプを点けて栃本へ向け歩き出す。緩やかな下りの登山道をゆっくり歩き6時20分に分岐点に着き、衣類調整を行い、四里観音避難小屋のある鞍部で休憩する。ここから先はアップダウンがあるところで1867mのピークを越え、大山は頂上に登らず右の尾根に向け下り、尾根を越えて登り返すトラバースで尾根に出て休憩する。三里観音を過ぎて赤沢山の左側の中腹を行くのだが、結構な斜面で慎重に歩く。なかなか休憩ポイントが無く、赤沢岳の北面を蒔いて登ったところで休憩する。

 その後は笹原の歩き安い登山道でもあり、季候も良く快適に歩いた。登山道の先に白泰山が見え、その手前の鞍部にある避難小屋まで頑張って歩いた。10時10分に着いて、展望台があり、そこに行くと破風山から笠取山の方面が良く見えた。
白泰山避難小屋からは白泰山への登りがあり、その後は下って一本休憩を入れ、白泰山登山口の林道へ出る。ここまで来るとあと1時間で栃本に着くので長めの休憩を入れる。林道から直ぐに杉林の登山道になり、30分ほどで林道に抜け、600mほど歩き栃本のバス停で着いた。13時26分のワゴンバスがあり、それに乗り川又のバス停に着き、14時41分発の秩父観光バスで三峰口に出る。そこで、15時46分発の秩父鉄道に乗り、温泉に寄らずに帰るメンバー2人と別れ、お花畑駅で下車して、西武秩父駅に併設されている温泉に入り、汗を流した後、ミゾポテトフライなどを摘まみに生ビールを飲み、18時25分発の特急秩父号で池袋に出て解散した。

<行動時間>
 11/23 西武池袋駅6:50-8:15西武秩父駅8:35-9:37川又10:00-12:00雁道場12:10- 12:55突出峠13:05-13:40避難小屋-15:50雁坂小屋

 11/24 雁坂小屋6:40-6:55雁坂峠-9:25破風山-11:52甲武信小屋12:12-12:30 甲武信ヶ岳-13:30山宝山13:35-16;03大山16:08-16:50十文字小屋

 11/25 十文字小屋5:50-6:20栃本分岐6:25-6:55四里観音避難7:05-10:10 白泰山避難小屋10:20-12:08白泰山登山口12:20-13:20栃本バス停13:26- 13:40川又14:41-15:15三峰口15:46-16:02御花畑駅-風呂-西武秩父駅18:25- 19:46西武池袋駅

<行動雑感>
 今回のルートはAR氏の提案から実現した。アプローチが埼玉県大滝村になるので遠かったが、天候に恵まれ中日は日の出から日没後まで10時間強歩くなど、3日間ともに充実した山行になった。また、下山後のバスが14時41分を逃すと17時過ぎまで無いので、最終日はバスの時刻を意識して歩いた。  雁坂小屋は素泊まりのみの営業小屋で11月25日が小屋閉めとあった。水場は無く川又側に1300m行った沢が水場である。今回は小屋でポリタンから得られた。
 雁坂小屋から甲武信ヶ岳への登りはアップダウンがありきつかったし、その後の十文字小屋までのルートは岩場でかなり時間を要してしまったが楽しかった。以前十文字小屋から甲武信ヶ岳へのルートは歩いたことがあるが、記憶になく新鮮な気持ちで歩けた。また、十文字小屋はシャクナゲで有名な小屋で6月中旬がお勧めです。

記録 KOS


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