八ヶ岳・赤岳

日程:2018年12月22日〜24日

 <行動記録>
 出発数日前の天気予報を見ると、気温が高く雨の可能性もあるので、テントにはフライを装備して、メンバーには冬用ヤッケよりゴアの雨具の方が良いなど相談をした。

 12月22日(土)天気:曇り
 八王子駅7時29分発のスーパーあずさで茅野駅に9時08分に着いた。9時25分発のバスで美濃戸口へ向かう。バスは連休ということで混んでいた。10時美濃戸口に着くと雪が無く驚く。気温も+9℃と秋のような気配である。
身支度を調え10時30分に出発する。いつもなら凍った林道をアイゼンを付け歩くのだが、その必要なし。1時間で美濃戸山荘に着き休憩をする。そこから北沢へ向かう。1時間で堰堤広場に着き休憩する。
北沢に入るも雪が溶けている状態で、気温も+1℃で暖かい。北沢を歩き大同心が綺麗に見えるところで休憩を入れ、赤岳鉱泉に14時10分に着く。テントを設営するが雪が少なく雪ペグが利かないので石ころをアンカーとしてテントを設営する。この日はテントでまったりする。夕食はAB氏準備の豚汁を美味しく頂く。19時頃に就寝する。

 12月23日(日)天気:曇り後雪(霙)
 4時30分に起床する。天気予報は曇りである。朝食を食べ身支度を調え6時10分に行者小屋へ向けヘッドランプを点け歩き出す。50分ほどで行者小屋に着き、しばし休憩する。小雪が舞う中、文三郎尾根に向け歩き出す。積雪は5cm位である。文三郎尾根の末端で休憩し、高度を増していく。中岳の鞍部に8時30分に着き、赤岳へ向け歩き出すが、視界の悪さと風の強さで下山を決める。1時間ほどで行者小屋に戻る。9時過ぎから雪が降り始め途中敗退で良かったと思った。赤岳鉱泉に10時30分に着きテントで酒を飲みまったりしていると、外は霙交じりの雪であった。そのまま断続的に翌実の朝まで降り続く。

12月24日(月)天気:曇りのち晴れ
 4時起床する。テントの外は3〜4cmの積雪があった。天候は雪が降っているが、天気予報では9時頃に赤岳頂上で晴れマークが付いていた。問題は風が強いかである。朝食を食べ身支度を調え5時37分に歩き出す。昨日歩いているのでヘッドランプを点けトレースを頼りに歩く。6時20分頃より薄明るくなり、中山尾根に着く頃には明るくなった。行者小屋に6時25分に着く。するとAB氏が時計を無くしたことに気がつく。雪は弱くなり天気が良くなりかけているように思うが、赤岳の頂上は見えない。

 行者小屋から昨日同様にARA氏を先頭で歩き出す。昨日に比べ積雪は4〜5cm増えたと思うが、トレースがあるので苦にならない。文三郎尾根の階段を上り、赤岳主稜の末端が良く見えるところで休憩を入れる。

 文三郎尾根の上部の中岳への鞍部を目指し歩いて行くと、風が昨日より弱く、明るくなりかけてきた。中岳の鞍部に着くと風は多少あるものの視界が比較的利いた。足元は風のため積雪はほとんど無い。小石混じりの斜面を斜め右に登り、いよいよ岩稜帯の登りに入る。登山道はクサリが設置され、トレースもありコースが良く分かる。冬の赤岳初挑戦のAB氏も夏の北ア・剱岳の北方稜線などの経験があり、難なく登って行く。所々膝位まで新雪が積もっているところがあるが、ピッケルを利かせ高度を上げていく。キッレット小屋からの登山道と合流したあたりから、傾斜があるが問題なく登り8時55分に赤岳の頂上に着いた。登山者が10名以上居た。記念撮影をして休んでいると急に太陽が現れ、青空が広がった。するとその先に南アの甲斐駒ヶ岳から北岳が見えた。さらに、塩見岳の方が見え歓声を挙げた。
 とてもラッキーな事で最高の登山と言えよう。ゆっくり展望を楽しみたいところだが、今日にテントを撤収して美濃戸口へ下山しなければならないので、後ろ髪を引かれる思いで9時10分に下山にかかる。頂上直下と途中の深雪に注意して下山するが、新雪が積もった後で大変美しかった。岩稜帯の下部から阿弥陀岳を見ると陽が当たり綺麗であった。
 文三郎尾根の下降点に9時40分に着き、文三郎尾根をピッケルを利かせ下って行く。下からザイルに繋がれたガイド登山者が目立つ。その時、AB氏がザックカバーを着いていたらガイドの一人から「ザックカバーは滑落すると滑るので止めた方が良い」と忠告を受ける場面もあった。文三郎尾根を下る時に赤岳主稜を眺め、今日は登山日和だとARA氏が言いながら下って行く。また、末端に来た時に阿弥陀岳の北陵が見え、取り付いているクライマーが居た。行者小屋に10時25分に着き、AB氏が小屋に無くした時計を確認したが無く、赤岳鉱泉への登山道を探しながら行くことにした。結局、時計は見当たらない。

 赤岳鉱泉に11時05分に着き、テントのフライに氷化した雪を払い落とすのに苦労しながらテントを撤収し、12時08分にパッキングを済ませ、アイゼンを付け下山する。
 堰堤広場で休憩を入れ、美濃戸山荘でアイゼンを外して、美濃戸口に14時45分に着いた。14時45分の路線バスがあったが、赤岳山荘で風呂に入り、生ビールなどを飲み、16時20分発のバスで茅野駅に向かった。
 茅野駅に17時に着き、19時05分発の特急スーパーあずさの指定席を確保して、茅野駅前の居酒屋で反省会を行い、横浜に帰った。

<行動記録>
 12/22 美濃戸口10:20-11:28美濃戸山荘11:42-12:38堰堤広場12:50-13:30休憩13:37-13:50赤岳鉱泉

12/23 BC6:10-6:52行者小屋7:00-7:45尾根取り付き7:55-8:30稜線(撤退)-9:25行者小屋9:40-10:05BC

12/24 BC5:37-6:25行者小屋6:33-7:25休憩7:33-8:55赤岳頂上9:10-10:25行者小屋10:35-11:05BC撤収12:08-13:02堰堤広場13:08-13:45美濃戸山荘13:55-14:45美濃戸口

<山行雑感>
 今回の美濃戸口でまったく無かったのには驚いた。初めてのことである。気温も美濃戸口で+9℃で北沢の登山道の雪が融け、水がたまっていたところもあった。しかし、24日には-14℃と本来の八ヶ岳の冬が戻ってきたようでよかった。今回は最終日に硫黄岳へ登るため鉱泉にテントを張ったが、結局赤岳へのアタックのみとなり、行者小屋ベースの方が良かったかと反省する。アイスキャンドルに8本位ザイルが垂れ下がりアイスクライミングを楽しんでいた。天候が悪く、ジョウゴ沢へは行かなかったが、ジョウゴ沢はおそらく相当な込みようであると思われる。
 今回の主目的なAB氏の赤岳初挑戦であったが、23日の中岳のコルでの強風により途中敗退、24日の赤岳登頂後の好天と厳しさと素晴らしさを体験できたことは大きな収穫になると思う。次は阿弥陀岳南稜や北陵に挑戦してください。

記録 KOS


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