大山三峰山

日程:2018年1月27日

<行動時間>
 本厚木駅バス発06:55−煤ケ谷7:32−物見峠分岐8:20−大山三峰山頂11:00 不動尻12:45−広沢寺温泉バス停13:25

<山行報告>
 1月22日は関東地方に4年ぶりの大雪とのことで、5日経っても大山三峰山には大分残っていると思い、アイゼン歩行訓練のため山行を実施した。本厚木駅前にて宮ケ瀬行のバス乗った所、残雪と道路凍結のため終点の宮ケ瀬までは運航していません、とのアナウンスに少し焦ったが、目指す煤ケ谷までは行くことができた(バスはその4つ先の上煤ケ谷までだった)。橋を渡り川沿いを歩き、右手の正住禅寺の前の坂道を上がったところで準備、農道の登山口で登山届を箱に入れて歩き始めた。

 樹林帯ジグザグの道を登り始めるが、この辺りにはあまり雪は残っていなかった。さらに登っていくと樹々の切れ間から、光り輝く湘南の海と江ノ島が影のように浮かんで見える。1時間ほど登り、物見峠と三峰山の分岐の辺りからは15p程度の残雪となった。ここまでは人の入った跡もあり歩行に支障はない。物見峠には行かず、左の急登を登る。しばらく歩くと、祠のあるベンチに到着した。雪のせいか、通常のペースより20分は遅れていることが以外だった。

 ここから樹林の中だが稜線歩きとなる。この辺りは時々切れているというより、塔ノ岳へ向かう表尾根のように崩れている箇所が多い。大きな松がそのヤセ尾根に聳え立っており、いつ落ちでしまうのかと心配する箇所があるが、今回もまだ無事のようだ。ヤセ尾根に雪が溜まり、人の入った跡がない。もう雪は膝ほどまで残っている。ラッセル跡がないので、広い所では尾根へ尾根へ登るようにした。何度か道標の後ろから稜線に出ることがあったので、通常の登山道からは大分外れていたのかもしれない。汗をかいたのでジャケットを脱いたが、やや肌寒い。雪山では『いつの間にか低体温症』になる危険性もあるというのを聞いたことがあるので、ジャケットをまた着直してビスケットと紅茶で温まった。
しばらく歩き少し降りた開けた樹林の中に、雪に埋まったベンチと道標があった。道標には三峰山への0.6k?とあるが、ここからが核心の急登で、しかもトレースがなく登山道が全く分からない。すでに3時間ほど歩てこの先の急登、ラッセル、迷い道等を心配、躊躇し、登山口へ戻ることを少しだけ考えた。しかし、天気は良く奥のピークが見える。地図で確認し、アイゼンを装着した。よく見ると鹿の足跡が上へ上へと伸びている。鹿のトレースは樹々の間の雪の少ないところを登っているようにも見える。この登りからは梯子と鎖場の連続で岩場もあり足場が悪い。ヤセ尾根の崩壊地に木橋が掛かっており、慎重に歩いたつもりだったが、木橋と岩の隙間に右足を踏み外し胸まで落下した。その後も慎重に、慎重にと三点支持を心がけてゆっくり登った。登りつめたピークが北峰だという(表示はない)。三峰山へ100mの道標があった。さらに鎖場を登り下りをすると、三峰山頂に到着した。通常より1時間半遅れだ。樹林の合間から見える、里山の春はまだ遠い。海はどんよりしている。寒かった。お湯を沸かしコーヒーを飲みながら、この先の予定を考えた。多少、雪が多くても不動尻までは何とか行けるだろう。しかし、大山へ向かう上り、さらに唐沢峠からのヤセ尾根のルートも雪は多いだろう。ひとりラッセルはつらいそうだ。時間も掛かるだろう。

結局、不動尻へ下りることを決めたが、心配なのは雪のため不動尻への下りの道が見つからずに、知らず知らずに沢へ下りてしまうことだ。以前に日光・女峰山の下りで、雪道をどんどん下りてしまい、周りは真っ白の世界となり道に迷ったことがある。『いつの間にか迷い道』遭難は怖い。鎖場のある急な下りを下りて、やや開けた地点が不動尻との分岐地点で、注意深く探すと下りの道がわかった。しかし、今まで同様トレースはない。ゆっくり下り始めた。

雪に覆われた道は階段や岩が隠され、危険だった。斜面にはデブリの跡もあり、そこでは歩くスピードを速めた。しばらく歩くと左側に沢が出てきて、樹林帯を抜けた開けたところが、不動尻のキャンプ場跡だ。ここでアイゼンを外した。ここから車道に出るとようやく雪も減ってきた。車道を歩き山ノ神隧道に向かう頃には、一人、二人と登山者に出会った。山では全く人に出会わなかったのに。アイゼントレでもしていたのだろうか。

 車道歩きは退屈だったが、雪のない箇所でも時折、凍結しているところがあり、スリップに注意して歩いた。トンネルの出口には氷柱が下がっていた。広沢寺温泉付近はぽかぽか陽気で、歩いていて心地良かった。梅の花が開花し始めていた。バス停に着いたのは13時25分とほぼ6時間の雪山登山となった。やや疲れた。

記録 KATA


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