台湾・玉山主峰

日程:2016年5月3日〜4日

5月3日(火)台湾 阿里山
朝6時起床、晴。6:30阿里山のホテル近くのレストランで朝食。バスで阿里山を7:20に出発する。東埔に8:00、気温11℃。準備を整え、5分ほど歩いて登山事務所に行き、パスポート?書類を提出して、専用タクシーで塔塔加鞍部へ。9:10登山開始、日差しが出ると蒸し暑い。半袖。なだらかな良く整備された登山道をゆっくり登る。右側が崖で前峰を巻く様に登山道が作られている。10:00モンロー亭、10:10出発、途中11:00ごろに休憩、休憩亭12:00、昼食、13:15出発。標高3,000mを超えても鬱蒼とした巨木の生える樹林帯が続く。ヤマツツジのピークらしく群落がそこかしこにあって美しい。この頃からガスがかかってきて涼しくなる。途中2回ほど休憩を挟む。高度が3,000mを超えた辺りから参加者によっては、頭痛、嘔吐、めまいの症状が出てきた。高山病対策としてはゆっくり身体を慣らしながら登るのが基本だ。

15:35排雲山荘(標高3,402m)着。小屋はかなり立派で清潔。トイレも水洗。そそり立つ絶壁と東峰稜線を遥か上に望み、この山が改めて高山である事を認識した。登攀意欲がそそられる。17:00夕食。日本の山小屋の食事より美味しい。夕食後は頭痛を訴える人がほとんどですぐに就寝。

2016-5-4(水) 排雲山荘
早朝1:30起床、晴、満天の星、御来光の期待が高まる。2:00朝食、準備を整え荷物を軽くして2:30出発。ヘッドライトをつけて葛折りを繰り返す。3,500mを越えたところでやっと森林限界、暗いながらも東の空がうっすら明るくなって来た。高度が上がり、やや呼吸がしづらくなって来たので、30分に一度休憩を挟む。山頂直下の30分は鎖場が連続する岩場に変わり、今迄のなだらかなルートが一変するが、それほど危険なところではない。山頂5:20に登頂。気温-2℃。残念ながら高雲が出てしまい御来光はいまひとつだったが、玉山連峰が一望のもと、北アルプス山頂からの眺望と全く遜色の無い360度の大展望を満喫した。5:45に下山開始、下りも同じルートで排雲山荘7:25着。荷物をまとめ、8:00出発。休憩亭9:20/9:30モンロー亭10:55/11:20塔塔加鞍部12:00。専用タクシーで東埔へ。東埔でバスに乗り換えて台中へ、移動中一時豪雨となる。17時の台湾新幹線で18時に台北に到着。

(感想)
台湾の山は、日本の山にとても良く似ている。すれ違う登山者同士挨拶を交わす流儀、山小屋のルールなども同じで取り立てて外国の山に来たという特別感はなかった。また台湾の登山者も日本と同様、マナーがきちんとしていて、ゴミも落ちておらず、総じて親切で愛想が良い。当該地域は国家公園にあたり、自然保護の意識、入山規制も徹底している。台湾人は民度が高い。
気候的には亜熱帯で、5月のベストシーズンでも日差しが当たると蒸し暑く、日本の夏山を登っている感じだったので、多分7.8月は暑すぎて登山時期としては不適であろう。台風の季節でもある。3,500mの森林限界を越えるまでは、鬱蒼とした巨木が密生する樹林帯が続き、日本の山に例えれば高温多雨の大峰、大台山系や熊野のイメージか?それが森林限界を越えると北アルプスの稜線の様に爽快な山歩きに変わる。日本の高山との違いは、森林限界が1,000m違うことと、5月初旬の4,000m稜線でも夏山の様で、残雪が殆ど無いことくらいだろうか?
高度障害は3,000m位から人によっては現れる。 3,400mの小屋では多くの人が頭痛に悩まされていた様だ。自分も大したことはなかったが、軽い頭痛がした。今回のツアーの参加者は6名、人数的に理想的で、かつ足も揃っていたのでみんな歩きやすかったのではないだろうか?
台湾では3,000m以上のピークは286あるらしい。日本の登山愛好家も100名山ばかり狙わず、もっと台湾の名峰にも目をむけるべきだと思う。台湾は親日的で食べ物も美味しく、僅か4時間弱で行ける、日本人にとっては身近で居心地が良い国だ。今回の山行でいっぺんに台湾の虜になった。思ってたより近く手ブラでも行けそうなところなので、以後年に一度くらいは山に、観光に訪問しようと思う。


(TSUM記)


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