南アルプス 仙塩尾根北半縦走
日程:2016年6月26日(夜)〜28日
6月26日(日)夜
二俣川 20:00発<車> 22:10 芦安温泉市営駐車場着 23:00車中泊
二俣川駅北口集合、東名−圏央道−中央高速を経由、甲府昭和ICより一般道で芦安温泉市営駐車場に到着。日曜日の夜にもかかわらず駐車場は約5割ほど車が停まっていた。車中で軽く飲んで23:00就寝。
駐車場のトイレ建物は新築されていたが、建物の中に仮設のトイレがおいてあるだけで男子用は1基のみ。シーズン中はかなりの混雑が予想される。
6月27日(月)
5:00起床 5:50<バス>−6:48広河原8:00<バス>−8:25北沢峠8:36−10:30大滝頭五合目−11:30小仙丈岳11:38−12:55仙丈ヶ岳13:1−13:40大仙丈ヶ岳13:5−16:10高望池(泊)
芦安温泉を始発のバスに乗車して広河原へ向かう。乗客は我々を含めて20名位か、座席がほぼ埋まる程度。車窓からは白峰三山が快晴の空をバックにくっきりと見えた。車掌の話では、25日の開通以来今日が最高の晴天だとの事。
北沢峠行きのバスは平日ダイヤの為1時間余の待ち時間があったので、広河原のインフォメーションセンターでゆっくりと朝食をとる。北沢峠へ向かうバスの車窓からも雲ひとつない青空に堂々と聳える仙丈岳や甲斐駒ケ岳が望め、登高意欲をそそられる。
北沢峠バス停には新しい休憩舎ができていて、そこで準備を整えいよいよ登山開始。シラビソ、トウヒなどの針葉樹林帯の中をゆっくりと登り一合目で最初の休憩。二合目で駒仙小屋からの道を合わせると傾斜はやや急になる。大滝の頭五合目から小仙丈ヶ岳に至るこのコースで最も急な登りを喘ぎながら登り、小仙丈ヶ岳で休憩。この頃には北岳方面にガスがかかり始め、山頂はガスに隠れてしまった。しかし強い日差しが遮られ歩くにはちょうど良い。
小仙丈沢カールを左下に、馬ノ背ヒュッテを右下に見下ろしながらゆっくりと登り、仙丈ヶ岳山頂に着く。仙丈ケ岳には過去4回登った事があるが、無雪期の登頂は今回が初めてだ。雲がかかって稜線を隠してはいるが、北岳、間ノ岳、甲斐駒ケ岳、鋸岳、木曽駒ヶ岳などぐるり360度の展望を満喫できた。
ここからいよいよ仙塩尾根のスタートだ。山頂から大仙丈ヶ岳への縦走路に入るとすぐにメスの雷鳥が出迎えてくれた。わずか数十センチの距離に近づいても逃げようとしないで、こちらが写真を撮り終えるまで待ってくれたのには感激した。
縦走路はよく歩かれているらしくルートは明瞭、そしてハクサンイチゲやチングルマ、シナノキンバイなど高山植物がいたるところにかわいい花を咲かせて目を楽しませてくれる。アップダウンを繰り返しながら徐々に高度を下げ、伊那荒倉岳を過ぎて高望池まできた所でビバークする事とした。当初は両俣小屋のキャンプ指定地まで下りて幕営する予定だったが時間的、体力的に限界だった。
登山道脇の平坦なスペースにテントを張り、持参した酒とウイスキーで乾杯、最近ちょっとハマっている山飯「トマト丸ごとご飯」で夕食にした。19:00就寝。
6月28日(火)
4:30起床 6:00出発−6:40独標6:45−7:20横川岳7:25−7:50野呂川越7:50−8:34両俣小屋8:50−11:15野呂川出合11:25<バス>−11:40広河原11:55<乗合タクシー>−12:45芦安温泉13:40<車>−16:15二俣川
夜半からパラパラとテントを打つ雨の音が聞こえていたが未明には本降りとなり、強い風の音も聞こえるようになっていた。朝食を摂りながら今日の行程について協議し、この強風では3000mの稜線に出るのは危険との判断で一致、野呂川越から両俣小屋に下山する事に決めた。
雨の中テントを撤収。濡れたテントがズッシリと肩に食い込む。独標、横川岳、野呂川越までは昨日同様よく踏まれた縦走路だ。しかし野呂川越から両俣小屋へ下る道では、至る所で倒木に行く手を阻まれ、予想以上に歩きづらい下山となった。
両俣小屋の前に張られたテントの下をお借りして雨をしのいでしばし休憩、ここから約2時間の林道歩きとなる。ゴアの雨具もこの雨にはさすがに勝てないらしく、シャツまですっかり濡れてしまった。雨具を着ていても蒸暑さは感じないどころか濡れた体はちょっとの休憩でも寒さを感じるほどで、当初の予定通りに稜線に出なくて良かったと改めて感じた。
うんざりするほど長い雨の林道歩きが続き、やっと広河原行きのバス停が見えたときには正直ホッとした。
広河原で乗合バスに乗り換え芦安温泉へ。市営駐車場に併設の温泉で入浴と昼食を済ませ、帰路に着いた。
(記録:S)
2016年度山行報告へ