マレーシア キナバル山 山行報告(2017/1/6〜9)

1月6日(金) 晴れ
成田空港8:30集合、出国審査を済ませ、10:30発のマレーシア航空(MH-89)でクアラルンプール空港へ(7時間35分)17時に到着(時差ー1時間)。大阪からの参加者と合流し、乗り継ぎで19時発MH-2606 マレーシ便でコタキナバル空港へ21:35(2時間35分)。計約10時間のフライトだった。暑い。空港からホテルまで専用バスで15分ほど、ホテルで明日の準備を済ませ0時ごろ就寝。

1月7日(土) 晴れ→曇→雨→晴れ
5:30起床、6:30ホテルを出発。専用バスに乗り2時間でキナバル国立公園事務所(パークヘッドクォーター)へ。バス内で朝食。途中、車窓からキナバル山の山容を眺めることができる。8:30頃到着し入山手続き、IDカードの発行、誓約書へ署名など手続きに1時間ほどかかり、専用車で15分ほどで登山口(ティンポホンゲート 標高1,867m)。

10:00登山開始、今日の行程はラバンラタ小屋まで、標高差1,400m 距離6KM。密林の中をゆっくり歩きだす。30分ほどでCarson滝、30分ごと(500mごと)に休憩所が設置されており、トイレは水洗、登山道も非常に整備されているが、基本的に急登の連続で、歩幅の合わない階段が延々と続き、足の負担は大きい。登山道はジャングルの中を進んでゆくので、視界は効かず蒸し暑い。起点から4q ラヤンラヤンハット(Layang Layang Shelter 標高 2,534m)で50分ほど昼食休憩(12:20〜13:10)。朝は晴れていたが、この頃からだんだん雲行きが怪しくなり曇りになる。この周辺からウツボカズラの群落が見られるようになる。更に傾斜は厳しくなり、4.7km地点Villosa Shelter 14:50、5.5km地点(標高3,137m)Paka Shelter 15:30、ここで本格的な雨になる。今日最後の登りは強い雨の中小一時間、ラバンラタ小屋に到着するまで続いた。

16:20にラバンラタ小屋(3,273m)到着、すぐに夕食、メニューは中華系のバイキングで野菜類も豊富、日本の山小屋よりおいしいと思った。お酒も販売していたが、飲んでいる人はいなかった。食事中、雨が小降りになり日差しがレストラン内に差し込み、素晴らしい夕陽を眺めることができた。寝室は4人部屋、2段ベット2台で寝具にはシーツもあり快適。トイレも水洗で清潔、お湯の出は微妙だがシャワールームも設置されていた。食事終了後、明日に備え18:30頃就寝。

1月8日(日) >曇→晴れ→曇→雨→曇
朝1:30起床、簡単な軽食を済ませ2:30出発、今日の行程は山頂まで標高差800m強距離2.5kmを往復し、さらに登山口まで一気に下山する。星は出ていなかったが、思ったより寒くなく、薄手のインナー2枚とアウター1枚で十分な感じだ。暗闇の中、ヘッドライトで登ってゆくが、出だしから急な階段の連続ですぐに汗が吹き出し、アウターを脱ぎ、ゆっくり登ってゆく。みんなが同じ時間に登るので、登山道は渋滞気味だ。後で知ったことだが、この辺は2015年の地震で登山道が崩壊したため、新しく作られた新道らしく、旧道とはだいぶ離れた場所に設置されている。

サヤッサヤッハット(3,688m)にはゲートが設置されていて、登山口で受け取ったIDカードを提示しないとこの先登山を続けることができない。ちなみにこのIDカードは、地震による死者が出て以降、入山者の管理を徹底するために導入されたそうだ。この先は花崗岩の巨大な一枚岩の上をロープを頼りに登ってゆく。一見かなり滑りそうに見えるのだが、雨で濡れていなければ意外と足場はしっかりしていて、それほどロープを頼らなくても問題はない感じだった。東の空が白々と明るくなってきて、ローズピーク手前でご来光、たぶん時間は6:30頃だったと思う。空は雲が取れて、トゥンク・アブドゥル・ラーマンピークの岩場の間から素晴らしいご来光を眺めることができた。その後キナバル山の最高峰ローズピーク(4,095m)に7:00前に登頂、山頂は狭く10人ぐらいしか立つスペースがないので写真撮影も順番待ちだった。

山頂に15分くらい滞在した後、雄大な景色を写真に収めながらのんびり下山、8:10サヤッサヤッハット(3,688m)、8:25 7km地点(3,653m)、ラバンラタ小屋に9:30に到着。 ラバンラタ小屋で朝食を取り、荷物をまとめ10:30に下山開始。行きと同じティンポホン登山ルートを下る。出発時は晴れていたが、だんだん曇りになり下山間際は土砂降りの雨になる。1時間に一回の割合で休憩をはさみ、ティンポホンゲート(登山口)まで4時間 14:40に到着。長い急な下りの連続でほとんどの人が筋肉痛になったようだ。IDカードのチェックの後、専用車でパークヘッドクォーターに戻り、レストランで昼食。16:15頃出発、コタキナバル市内のスーパーマーケットに立ち寄り、19:00にホテル着。シャワーを浴びて少し休憩、21:00にホテル近くのレストランで夕食、22:00にコタキナバル空港に向かい、1月9日0:50発の直行便(MH-80便)で成田空港9日7:20到着。非常にタイトな4日間だった。

【感想】
キナバル山は、山頂周辺が巨大な花崗岩で出来た異風の山で、日本にはこの手の山はないだろう。幾つかのピークで構成されたこの山の初登者は、本当のピークがわからず、別のピークを頂上と勘違いしたそうだ。 標高は4,100mで高度の感覚は、富士山や台湾の玉山とさほど変わらず、高山病はかかっても軽度かと思われる。ただ日本のように山小屋で酒を飲んでいる人はほぼいない。私も飲まなかった。 登山ルートは、本来今回我々が使ったティンポホンルート以外にマシラウルートがあるが、地震以降閉鎖中で2年後位に再開予定だそうだ。 森林限界は3,500m位で、それまでは視界のきかない密林地帯をゆく。急登で階段の連続なので結構辛い。熱帯雨林のジャングルなので天気が目まぐるしく変わる。ほぼ毎日、雨が降るようだ。 2015年に犠牲者もだした地震があり、巨大な花崗岩が落下した爪痕が今でもはっきりわかり、登山道は大きくルートを変えている。一枚岩の花崗岩から剥がれ落ちたような巨大な岩盤が、ラバンラタ小屋の上部に放置されていて、今度地震が起こったらこの岩盤が小屋に落ちてくるのではないかと心配になる。 キナバル山は世界遺産だそうで、世界中から登山者が来ている。登頂するには山小屋に一泊する必要があるが、小屋は200名位収容できるらしい。食事はバイキングで美味しく、部屋は個室の2段ベッド、トイレは水洗、シャワールームもある。非常に快適だった。 コタキナバルはボルネオ島にあり、リゾート地としても人気がある。日本からは直行便は帰りのみ就航していて、行きはクアラルンプール経由なので4時間以上余計に時間がかかる。今回は登山のみの非常にタイトなスケジュールだったが、機会があれば是非観光で再訪したい。 キナバル山は特別難しいところはなく、誰でも登れる山だが、山頂稜線からみた眺望は素晴らしかった。今年も今回のキナバル山を皮切りに、海外登山を継続してゆくつもりだ。

1/6 成田 10:30→クアラルンプール 17:05/19:00→コタキナバル21:35→ホテル22時ごろ
1/7 ホテル 6:30→パークヘッドクォーター 8:30 →ティンポホンゲート(1,867m) 10:00→1km(2,039m) 10:30→1.5km(2,164m) 10:50→2km(2,252m) 11:15→3km(2,455m) 12:07→3.5kmラヤンラヤンハット(2,534m) 12:24-13:10→4.5km(2,898m) 14:50→6kmラバンラタ小屋(3,273m) 16:20
1/8 ラバンラタ小屋 2:30→8.5kmローズピーク(4,095m) 6:59→サヤッサヤッハット(3,688m) 8:10→7km(3,653m) 8:25→ラバンラタ小屋 9:30-10:30→ティンポホンゲート(1,867m) 14:40→パークヘッドクォーター・レストラン 15:00-16:15→ホテル 19:00-21:00→夕食 21:00-22:00→コタキナバル空港 22:30 1/9 コタキナバル空港 0:50→成田空港 7:20


(TSUMU記)


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