12月会山行 南ア・薬師岳

日程:2016年12月28日〜30日

<行動記録>
 12月28日 天気:快晴
八王子駅に7時45分に集合した。8時03分発の特急あずさ3号に乗車するまで時間があるので、駅そばで朝食を済ました。
今回は甲府駅までJRで移動して、そこからタクシーで夜叉神峠まで入山する計画で、あずさの指定席を予約したが結構な乗車率であったが、ほとんどは大月駅で下車していた。

甲府駅に9時07分に到着して、予約しておいたタクシーにて夜叉神峠へ向かった。途中のコンビニで寝酒や昼食を購入して、峠へ行く途中の上り坂では路面が凍結していて、タクシーの車輪が滑っていた。昨夜の雪のためとタクシーの運転手は言っていた。 夜叉神峠に10時35分に到着した。登山口に水が蛇口から出ていた。
今日の宿泊は夜叉神小屋のテント場に宿泊をするが、水が無いので各自2lの水の荷揚げをしたので、酒と合い重なってかなりのザックの重さとなった。約1時間ほどで夜叉神峠小屋に到着する。天気は無風快晴でのどかな陽気で、峠から見る北岳〜間の岳〜農鳥岳の稜線が白く美しかった。
峠の展望台の裏手の笹原にテントサイトがあり、10張り程度が可能なスペースがあった。その一番奥にエスパース4天を張り、荷物を整理して酒飲みタイムとなった。新人のTDさんが冬期白根三山の縦走を単独でやり、農鳥小屋から農鳥岳への行動で雪壁を登ったことや冬期槍ヶ岳の横尾尾根を登ったことなどを聞いて、ZUKA氏ともども参考になった。
夕方になり日没間際に北岳の雪面が輝いているのを確認した。太陽は農鳥岳のはるか南に沈んで行った。日没とともに気温はぐっと下がった。テントに戻り酒を飲みつつ山談義に盛り上がった。冬の夜は長いと17時過ぎに夕食のシーフードカレーを食べ、20時近くまで飲み続けた。

12月29日天気:晴れ
4時起床の予定であったが目覚ましに気がつかず、寝坊して5時に起床する。朝食の葱ラーメンを食べ、身支度を調え天幕を撤収して、トイレへ行くと北岳の稜線が赤く染まっていた。慌ててカメラを持ち撮影する。ZUKA氏は数分遅れてモルゲンロートを見損なった。時刻は7時になっていた。今日の行動予定は南小室小屋へ行き天幕を設営して、薬師岳へ行く計画である。朝の雲一つない北岳を見ると、今日の薬師岳の登頂が楽しみとなった。
7時に夜叉神小屋を出発し、大崖頭山への尾根道をゆっくり登っていく。樹林帯の登りで最初の20分くらいが急であるが、その後は傾斜が緩くなる。北岳の方面はガスが沸いているのが樹林帯の合間から垣間見れた。登山道は雪は無く、冬山とは思えない中、歩いて行く。50分ほど歩き最初の休憩をする。気温は-5℃。
さらに樹林帯の登りを行くと8時30分に折立峠の鉄制の道標のあるところを通過し、少し下りとなる。本来は下った所に折立峠があるらしいがはっきりしない。そして、登りになり8時55分に2本目の休憩をする。
  野呂川林道に沿った登山道は広く歩きやすい。30分ほど歩き見晴らしの良い所に出る。ここが焼場跡で白峰三山の景色が良い所にでる。北岳のガスは晴れ、青空が広がっていた。
そして、登山道は再び樹林帯へ入る。9時55分に3本目の休憩をする。かなり登ってきたと思われる。次の休憩は南御室小屋と思われる。焼場跡から雪が現れ、アイゼンは付けないものの登山道は凍結していたので慎重に歩く。30分強で苺平に到着し、ここから雪道の登山道を下り、南御室小屋に11時に到着する。ここまで4時間と早いペースで来れた。
TD氏が天幕の受付をして、広場の奥の設営跡を見つけそこにエスパース4天を張った。余分な荷物を天幕に残し、11時45分にアイゼンを付け小屋の裏よりシラビソの樹林帯の登山道を薬師岳に向かって歩き出す。1時間ほどで大きな岩が現れてきた。しばらく歩き急登を行くと砂払岳のピークに出る。すると岩の向こうに北岳が見えた。そこを過ぎて振り返ると富士山が美しかった。砂払岳を越えて下ると立て替え中の薬師小屋に到着する。トレースに沿って20分ほど登り、広いピークの薬師岳頂上に13時45分に到着する。
頂上から白根三山の展望はいうに及ばす素晴らしい。北には観音岳への稜線が広がる。南には富士山の雄姿が見える。北岳の東に延びる池山吊り尾根のボーコンの頭が目の前に見える。風があるものの展望を楽しみ、薬師小屋の裏で風を避けて休憩を取る。
砂払岳を登り返し、下りに入ると前から見慣れた登山者2名が登ってくる。ARA、KATA両氏であった。二人も砂払岳の展望を得て、一緒に来た道を軽快に下って、15時に南御室小屋に到着する。雪道の下りは早いと痛感する。ザックはツェルトで包み、天幕の外に置いて、天幕内を広くした。
小屋の裏の流水で水を補給して天幕に入ると、他の登山者が缶ビールと焼酎を売りに来たので1500円で購入して、小屋の食事は16時半とARA氏から聞いたので、17時半に天幕に来てもらうように打ち合わせをして、小屋組と分かれた。天幕内は酒飲みタイムとなった。
小屋で購入した缶ビールと他の登山者から購入した缶ビールと焼酎を飲みながら山談義に弾んだ。17時近くになりZUKA氏用意の豚丼を美味しく頂く。ひとり当たり6切れと腹一杯になる。多少食べきれずポテトサラダは持ち帰りとなった。
17時半に6人が揃いして、明日の打ち合わせを行い、小屋の朝の食事が6時なので、6時半にARA、KATA、YUKI、ZUKAの4名が薬師岳へアタックして、KOSとTDはテントキーパーとなることにした。YUKI、ARA氏が小屋へ戻っても、4人は酒飲みを続け、20時近くになり就寝した。

12月30日 天気:晴れ
4時30分に起床して、KATA氏準備の鳥肉入り旭川ラーメンを美味しく頂く。テルモスにお茶を入れ、KATA、ZUKA両氏はアタックの準備をした。 6時45分に4人は薬師岳小屋に向かい行動した。残った2名はお茶を飲みながらゆっくりした。8時45分に荷物を整理して、9時にテントの撤収に入った。テントの撤収が終わった頃の9時20分に薬師岳アタックをした4名が戻ってきた。
荷物をパッキングして9時48分に南御室小屋を後にした。苺平からの下りは氷っているのでアイゼンを付けての行動とした。苺平への登りは約30分ほどで、さらに歩いて焼場跡の展望の良いところで休憩をする。ここでアイゼンを脱ぐ。
多少凍結しているものの慎重に下り、その後は雪の無い登山道を下り折立峠で休憩を入れ、夜叉神小屋で白根三山の展望を楽しみ休憩する。そこからは35分ほどせ夜叉神峠駐車場に到着する。荷物を何とか車に収め、芦安温泉に向かうものの日帰り入浴施設はお休みで、YUKI氏が探してくれた「草津温泉」に立ち寄り、談合坂SAで軽い食事をして、長津田駅で解散した。
<行動時間>
 12/28
八王子駅8:03-9:07甲府駅9:20(タクシー)-10:35夜叉神峠11:00-12:00夜叉神峠小屋(テント泊)
12/29
5:00起床・出発7:00-11:00南御室小屋11:45-13:45薬師岳14:00-14:10薬師小屋14:20-15:00南御室小屋(テント泊)
12/30
4:30起床:アタック隊出発6:45-9:00天幕撤収-9:20アタック隊着・南御室小屋9:48-12:30夜叉神小屋12:45-13:25夜叉神駐車場

<費用>
JR横浜-甲府間乗車券2268円、特急指定券1650
甲府駅-夜叉神駐車場タクシー代10990円
南御室小屋天幕代 一人500円 缶ビール(350ml)500円
帰りの交通費(レンタカー使用)4200円

<山行雑感>
 今回の山行は夜行1泊2日の日程でも可能であったが、あえて朝発の日程にしたのは薬師岳アタックのチャンスが2回あった方が良いと判断したことと、メンバーが3名になってタクシーの利用が可能になったことが上げられる。また、新人でも参加できるこのルートは、危険箇所がなく、冬山入門には打って付けのエリアであるので、冬山初参加のZUKA、YUKI両氏にとっては、晴天に恵まれ良かったと思う。また、入会して間もないTD氏は、山行中に酒を交わしながら、冬山経験の豊富と体力のあることに関心した。その力量は充分に当会にとって戦力となると思う。
 夏の北海道いらい数回にわたり山行を同行したZUKA氏は、体力は充分にあるものの、冬山縦走山行で、大きなザックにしても関わらず、天幕本体がザックの上にはみ出る様子とザックの重さには、もう少しパッキングの上達と荷物の精選が必要ではないかと思った。  小屋泊まりではあるが、入会から1年足らずに冬山装備を揃え、富士山の雪訓に参加して冬山合宿に参加してくれたYUKI氏、ボーナスを冬山装備につぎ込んだZUKA氏と今後の活躍が期待される。
 南アルプスは晴天率が高いことが言われていたが、3日間とも晴天に恵まれ、良かったと思う。ただ、暖冬のため雪は少なかったのが少し残念に思う。また、冬型になった30日の朝で南御室小屋で-17℃であった以外は、八ヶ岳に比べ寒さは緩いと感じた。
 参考までに雪が降った直後には夜叉神峠の手前の急坂ではタクシーのスタットレスタイヤでも滑っていたので注意が必要ではないかと思う。 記録:KOS


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