谷川岳 東尾根


2016年3月12日(土)発〜13日(日)
【天候】小雨(みぞれ)のち曇り
【行動時間】:
3/12(土)14:00相鉄平沼橋駅出発→(車)→16:45諏訪峡で夕食→18:00谷川岳ベースプラザ到着(テントで仮眠)

3/13(日)2:00起床→3:00ベースプラザ出発→4:15一ノ倉沢出合4:30→6:50シンセンのコル7:10→7:30第2岩峰9:00→10:00第1岩峰11:15→12:00オキノ耳→12:45肩ノ小屋→14:00ロープウエイ→15:00ベースプラザ→(車)→19:50平沼橋駅

身支度をしてベースプラザを出ると小雨が降っている。天気予報では朝にはやむ予定だったので、気にせず歩き始める。指導センターで登山計画書を提出し、衣類の調整をした。登山センター〜一ノ倉沢出合までの道は、道路に雪がかぶっている感じで歩きやすかった。予定通りに出合に到着。ハーネス、ギア類を装着し、トイレを済ませて歩き始める。一ノ沢の途中でアイゼンを履き途中休みを入れながら急登をシンセンのコルまで登る。先行パーティは5〜6名のパーティと単独の方が2名。歩き始めるとすぐに第2岩峰、雪がほとんどついておらず、先行パーティがロープを出して通過。我々も一昨年の11月に行った時と同じ状況だったのでロープを出すことにする。MHがリードをしてロープをフィックスし、YAMAさんとKNさんはプルージックで登ってもらう。最後にMAを確保して登った。プルージックでは、YAMAさんが苦労したそうです。KNさんもプルージックは怖いと言っていた。(少し難しい下部でプルージックを引き上げるのと登攀の両立が大変だったようです)MAはビレイで確保されていたため、草つきにピッケルを打ち込んで、思い切って登ったそうです。待ち時間を含めて第2岩峰を通過するのに1時間半ぐらいかかった。

第1岩峰までは雪も適度にしまっていてまたトレースもあったので歩きやすかった。

第1岩峰に到着しロープを出して準備をする。昨年と違って雪が少なく取りつく位置が1.5mぐらい低い。岩に取りつき登ろうとしたがのぼりはじめの足元も外傾しており足を乗せる場所がなく登ることができない。目線の高さの所に足を乗せるところがありそこまで行くことができない。いろいろとやっているうちに腕がパンプして終了。その後KNさんに様子をうかがいに見にいってもらったが、まくことにした。今回はこの第1岩峰を登るために事前トレーニングをしてきた。残念な気持ちだったが、また次の機会にチャレンジすることにする。去年はNガイドたちが落ちても雪の上だったから、けががなかった、Nさんのガイドブック比較表にも、下が平らの雪面になっている、と記載されていたのとは全く違う状況。下の岩も露出しており、落ちると危ない状況でした。

まき道は巻き用の支点になる、ハーケン、小さなブッシュがあった。

ロープを出して登り始めたがトレースもあり雪の状態も良いので途中まで行って、ロープはしまうことにした。第1岩峰をまいて振り返ると誰も第1岩峰を登った痕跡はなかった。全パーティが第1岩峰をまいていた。どうやら雪の状況で登れるかどうかが決まるのではないかと思う。

第1岩峰からオキノ耳まではあっという間で雪庇もなくトレースがついているので直登した。急斜面だったが私が確保なしで登り、後のメンバーには私がロープを出すまでの間待機してもらった。反対側斜面の木で支点をとり半マストで確保して登ってもらった。最後の斜面はほとんど雪がついていない状態。スラブ状の斜めの岩を登り、そのあとは、斜面を短い木をつかんで登った。

私はピッケル、KNさんはクオーク、YAMAさんはピッケルとシモンのアイスバイルを打ち込もうとしましたが、ほとんど効かない状況。全員無事に登り、オキノ耳で皆と握手をして喜びをわかちあった。頂上で記念撮影をして肩ノ小屋でギア類をしまい、天神尾根経由でロープウエイまで行き無事に到着できてホッとしました。


<KNの備忘録>
(一ノ倉沢出合まで)
今年は雪が少なく、登山指導センターの裏の雪壁も無いのでゲート横をすり抜けて、夏道ルートでヘアピンカーブをショートカットしてスタート出来た。 一ノ倉沢までの国道は、所々に舗装面に明け方に降った雪がうっすら乗っているだけの場所があった。 何か所かブロックが転がっていて、国道においても上方の雪庇崩壊雪崩などの注意が必要。

(一ノ倉沢出合からからシンセンのコルまで)
出合からすぐの所で沢が露出して水が流れている所があった。 一ノ沢出合はデブリで埋まっていた(1週間前もデブリはあったとの情報) 左方ルンゼの分岐も左側からのデブリが溜まっていた。デブリを避けて右に迷い込まない様に乗り越えて行く。

(シンセンのコルから第二岩峰)
コルからはシンセン沢側から岩を巻いて尾根に上がって、一ケ所進路を塞ぐ小岩を乗り越えて第二岩峰の取り付きに到達出来た。 第二岩峰は雪が少なく秋と同じルンゼルートを登った。 昨年は雪が多くルンゼは雪で埋まっていて取り付きも積雪で一段高かったので、ルンゼに入る手前をビレイ点の1.5m程度の一段上からノーロープで登ることが出来た。積雪があれば出だしが一段上からになるので容易になると言える。

(第二岩峰から観倉台)
雪が少ない分ラッセルは無かった。雪の上を歩いて標高を稼げた。シュルントはあったが巨大ではなかった。
(観倉台から第一岩峰)
ナイフリッジは衰退していて、トレースもあったため広くて歩きやすかった。一段下がる所も雪は腐っていなかったので降りやすかった。ガスで高度感がなかったことも一因。
(第一岩峰からオキの耳)
第一岩峰の取り付きは雪が少ないのでテラスにはなっていなかった(落ちたら雪はクッションになってくれずに岩に当たる) トラバース側も確保支点がある。30mロープではトラバース部分だけの確保になりそれもちょっと短い。 第一岩峰の上部は灌木(細い)で支点を取れる(埋まっているのではないかとの懸念があったが通常は埋もれていなくて取ることが可能との情報) 国境稜線へは雪が多い時は左へトラバースして雪庇が小さいところを越える。今回は雪が少なくて岩が露出していてトラバースは出来ない状態だった。 最後の直登は雪が少なくて外傾した岩登りで灌木(細い)を掴んで乗り越えた。 天神平で3月5日は190cmの積雪があって雪壁で登れたとの情報。13日は積雪量130cmに減少していた。


(MH記)

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