5月会山行・北アルプス・燕岳〜大天井岳

日程 2014年5月2日(夜)〜5月5日

<行動記録>
5月2日(夜)
 24時に八王子駅に集合した。新しくなった八王子駅を散策するべき、駅の改札口を出る。直ぐに改札口を出ると右にニューデイズのコンビニができていた。そこで、寝酒を購入する。また、西口へ出ると数件のコンビニができており、便利になったと感心する。

5月3日 天気:晴れ
0時40分発のムーンライト信州号に乗車し、寝酒を飲み、直ぐに就寝する。連休ともあり満席状態であうが、幸い隣りには乗客が来なかったのでゆったりできた。
 4時過ぎに目が覚める。わすか3時間あまりのしかもうとうと程度の仮眠で、寝たとは言えない。車窓から見る北アルプスの稜線が雲一つ無く、好天を確信する。
 4時53分に穂高駅に到着する。予約しておいたタクシーで直ぐに、中房温泉へ向かう。車内の暖かい中で朝食を済ませ、林道のカーブに揺られ、少々気持ち悪くなる。5時45分中房温泉着。登山口に登山者でごったがいしていた。やはり、ゴールデンウイークの初日だと言える。トイレを済ませ、身支度を整え、6時20分にN、O、M、T、Kのオーダーで出発する。ルートは最初から急登となる。登山者の多さに直ぐにじゅつつなぎになる。O氏のペースがあがらず、かなりの登山者に道をゆずる。50分ほどで第一ベンチ手前で休憩し、直ぐにO氏の荷の一部をKが受け取る。
> 第一ベンチから尾根を左に巻くように登山道は延びている。時折雪が出始めるが、雪がかたく締まっており、アイゼンを付けるほどではない。雪が現れたり、消えたりを繰り返す。高度をあげていく。後ろの山の高低差と時計の高度計を確認しながら登る。第二ベンチで休憩して、アイゼンを付ける。
第二ベンチから登山道は細い尾根状になるが、樹林帯をひたすら登る。下る登山者から多くの登山者とすれ違った、きっと今日の天場は満杯だろうと言われたことが印象に残る。以前としてゆっくりなペースで歩く。我々も天場のスペースが気になり、合戦小屋に着いたら、先行パーティーと後続パーティーと分けることを考えた。細い尾根から広い尾根に登山道は延び、急な登りを過ぎると第三ベンチになり、ここで休憩をする。
第三ベンチから急な登山道を登り、雪が多くなってきて、アイゼンでの歩行が楽になっってきた。傾斜が少し緩くなって富士見ベンチに到着した。多くの登山者が休憩していたため、少し過ぎたところで休憩を入れる。そこから、傾斜の緩やかな登山道を行き、広い尾根状になり、合戦小屋に到着する。夏はスイカで有名だが、今はドリップ珈琲を販売していた。トイレを済ませ、M氏、T氏とKの3名が天幕場を確保するため、先行するこにした。合戦小屋前から広い雪原を20分強登り、尾根の上に出ると、景色が開け燕山荘方面が見えた。大天井岳の稜線も見え、足が軽くなったように感じた。
尾根状の登山道は傾斜も緩やかで、赤旗みちびかれ燕山荘へ登る。小屋の手前が急なのでその手前で一本休憩を入れ、天幕場に12時30分に到着した。天幕場で2張分のスペースを確保し、雪を30cmほど掘り、整地に取りかかった。この頃より、雨が降り始め、合羽を着ての整地作業となる。
 4天を張り終えた頃にN氏とO氏が到着する。この頃にはかなりの雨となった。1天は平らな所に張り、整地を簡略し中に入って、濡れた衣服を天幕内で乾かした。今日の燕岳への登山は雨のためあきらめ、小屋に生ビールを飲みに行った。小屋内では悪天候もあり混雑していた。16時近くになり、食堂は夕食の準備に入るとのことで、追い出され、天幕へもどり、4天では夕食の支度にはいり、1天で昨日の寝不足のためはしばし仮眠した。
5時過ぎに夕食ができたと呼ばれ、天幕を出ると、周囲が明るくなり、雲が切れ始め天候が回復しつつあることを実感する。 夕食はO氏準備のポトフと鮭のふりかけを美味しく頂いた。夕食後に天幕の外へ出るとなんと雲一つ無いピーカンとなり、西の空は夕日が鷲羽岳の稜線に沈もうとしてる。感激して写真を撮りまくった。日没後に槍穂高岳が赤くなる光景に思わず「ウオー!」と声を出し、明日の好天に期待がふくらむ。日没後にしばらく山談義に弾み、19時半ころ就寝する。
5月4日 天気:快晴
 5時起床。天幕の外はもはや明るい。日差しが指しているので天気の良さが伺える。身支度を整えていると、隣りの天幕から朝食ができたと知らせを受け、食器を持参して朝食を食べる。朝起きたときには小屋のトイレは混雑していた様子であるが、7時近くに行くと比較的空いていた。
 天気は快晴で雲ひとつない、少し風が強いので寒く感じる。アイゼンを付け7時08分に燕山荘前を出発する。荷物は日帰り装備なので軽いのがいい。小屋から登山道は緩やかな下り、雪が溜まっているところはアイゼンが小気味よく利くが、案外と稜線の雪は消えているので、土や岩稜帯をガツガツのアイゼンで行くので、歩くペースが上がらない。40分程で蛙岩(ゲエロイワ)に到着、冬ルートのトンネルをアイゼンとピッケルのピックを効かし通過する。そして、休憩を入れる。行く手には槍ヶ岳が堂々と鎮座している。裏銀座のルートが白く青空に映えている。また、行く手の先には大天井岳の雄姿が美しく輝いていた。
2678mのピークを過ぎて、しばらくすると大下りの頭に到着。槍ヶ岳が目前にあり、絶好の写真のポイントと言える。そこから、雪のないガレ場の登山道を15分ほど下り、岩稜の尾根を登り返す。岩峰にピークを越えた所で休憩を入れる。そこから、小さなアップダウンを繰り返し、大天井岳の手前でもう一本休憩を入れる。大天井岳の中央に冬ルートの踏み跡が多くの登山者のため付けられている。
 大天井岳の登りは、最初鎖を使い鞍部に降り立つ。そして岩稜の登りになる。下部の30m位が休憩の時に見たより、傾斜が急でアイゼンの爪を利かせ、ピッケルのピックを打ち込んで慎重に登る。幸い、雪が締まっておりアイゼンの爪が良く利く。急斜面を過ぎても雪面が続き、慎重に登る。途中から岩混じりの登行になるが、一歩一歩慎重に歩き、60分ほどで大天井岳のピークに出る。しかし、風が強く記念写真を撮り、風を避ける場所を探すが無い。大天荘へ行くことも考えたが、これまでの時間が掛かったことを考えると、小屋で休む時間は無い。そこで、直ぐに登って来た道を下ることにした。登りより慎重にピッケルとアイゼンを利かせ下る。傾斜が急な所はアイゼンの爪を蹴りこみ、後ろ向きで下るように指示した。鞍部を越えた所で休憩をする。
雪と岩の稜線を戻り、大下りの手前で休憩を入れる。あと2時間はかかる見込み。時刻は14時を回っている。燕山荘に到着が16時を過ぎるので、今日は燕岳へは無理かと頭をよぎる。しかし、M氏とT氏は行きたい様子。槍ヶ岳の上空には笠雲がかかり、天候は下り気味と思われる。是非とも今日中に行きたいと思うところ。
 大下りを下り、雪のない登りになる。アイゼンを履いているのでガレ場は結構辛い。大下りの頭で、槍ヶ岳の展望を楽しみ、過ぎたところで休憩。15時半である。BC到着は16時半になる。このままでは燕岳は無理かと頭をよぎる。
岩から燕山荘までは登りになる。岩のトンネルにさしかかり、ピッケルとアイゼンでクライムダウンをする。岩稜を過ぎて3つのピークを越えて最後の登りを登り切ると燕山荘に到着する。天候は持ちそうなので、燕岳へ行くことにするが、N氏とO氏はテントに残り(生ビールを飲むために)、残りの3名はテントに荷物を置いてから、燕岳へ行動にかかる。17時近いので登山者は少ない。数人とすれ違い17時16分に燕岳頂上に到着する。
ここから望む北アルプスの北部の白馬岳の方面が綺麗に見える。360°の展望を楽しみ。天幕へ急ぐ。18時に天幕着。小屋へ缶ビールを調達に行き、N、O氏両名が夕食の支度をしてくれていたので、直ぐにご馳走になる。いたれにつくせりに感謝する。  夕食後にしばし酒を飲み、山談義を楽しみ、小屋で明日の天気予報の情報を得ると、明日は安曇野で霧とあるので、天候は下り坂。19時半に就寝する。
5月5日 天候:雪のち雨
 5時に起床する。昨日同様に隣のテントで朝食を作ってもらい、食器を持ち伺う。天気は下り坂で、雪が降り始めた。朝食後にそれぞれの天幕内で荷物を整理をして、テントの撤収にかかる。もはや雪は本降りで風が強い。気温も寒くなっていた。
 7時過ぎに小屋の前でメンバーを待つが、M氏とT氏のアイゼン装着に手間取っている様子。雪の中でのアイゼン装着に慣れていない様子である。
 7時25分に燕山荘を後にして、下りにかかる。5cmほどの湿った雪が積もり、雪がアイゼンに着いて団子状態になる。ピッケルで落としながら慎重に下っていく。稜線から合戦小屋までの下りは風も受けず歩けたが、雪がみぞれ交じりとなる。8時10分に合戦小屋着。トイレを済ませ、着込んでいたフリースをここで脱ぐ。
 合戦小屋からトレースがしっかり付けられたルートを下り、第三ベンチで休憩。完全に雨になっている。一時的に晴れ間も見えたが、雨の中の下りになり。第二ベンチを過ぎてからは泥んこ状態となる。第一ベンチでアイゼンを外し、急な登山道を下ると中房温泉が見えて、山行の終演となる。11時10分に中房温泉に到着し、日帰り温泉に入り、生ビールを飲み、今回の山行の反省会を行う。
5人乗りのタクシーが居たので、穂高駅に向かう。穂高駅前で地ビールの看板を見つけ、またビールを飲む。  穂高駅から松本駅まで各駅に乗るが、大変混雑している。松本駅で食事をしようと、昔懐かしい「たくま」(カレーとトンカツの店)で腹を満たし、16時30分発の臨時の特急あずさで八王子駅経由で帰る。

<行動時間>
5月3日 中房温泉6:20発-7:10第一ベンチ20-8:00第二ベンチ15-9:08第三ベンチ18-10:55合戦小屋11:05-12:30燕山荘着
5月4日 BC7:08-8:00岩の手前15-9:25登り返し9:35-10:25鞍部35-11:45頂上55-12:55鞍部13:06-14:12ピーク22-15:30岩の手前40-16:35燕山荘着      燕山荘16:50-17:16燕岳30-18:00BC
5月5日 燕山荘7:25発-8:10合戦小屋25-9:05第三ベンチ15-1020第一ベンチ35-11:10中房温泉
<山行雑感>
 数年前に同じ時期に同じ季節でこのルートへ来たことがある。思いの外、大天井岳の冬ルートがきつかった感がある。下りでザイルを出そうかと思ったほどであったが、下りの雪の状態が硬くアイゼンが利いたのでザイルを出さずに済んだ。天気は最高であったが、風が強かったので、大天井岳のピークではゆっくりできなかったのが残念です。  最終日は思いの外、天候が悪化して雪と雨に見舞われたのは残念です。また、2日目に燕岳のピークを踏んで置いて良かったと思いました。夕方6時に天幕に戻り、夕食の支度ができていたのには感謝です。N氏とO氏には感謝です。
 5月3日の登山者の多さにはびっくりしました。大天荘も天幕場もその多さにはビックリです。4日の閑散とした天幕場とはえらい違いです。
K記

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