丹沢水無川セドノ沢右俣沢登り

日程 2014年9月6日(土)

【行程】
6:30横浜発=車=8:10水無川キャンプ場8:50→9:20水無川本谷F1→9:22セドノ沢→9:30セドノ沢右俣→9:40セドノ沢右俣F110:00→10:05同F210:25→10:40同F310:45→(休憩)→11:10同F4(大滝)12:10→13:00沢に戻る→(休憩、大滝の巻道偵察)13:20→13:30書策小屋跡への分岐の二俣→14:10政次郎ノ頭近くの登山道14:45→15:45水無川キャンプ場=横浜

【記録】
 土日になると悪い天気にめぐり合わせのこの夏。この日も、午後から曇りのち雨の予報。雨が降り出すのが早まらないのを願って6:30に横浜をKN車で出発。新茅荘から水無川キャンプ場までの戸川林道は、所々大きな穴がえぐれて水たまりになっている。3人ほどの登山者を追い抜く。
 戸沢キャンプ場横の森林組合管理駐車場に車を止めて、東屋(県立戸沢休憩所=丹沢臨時警備派出所)でトイレを済まし身支度をする。KNさんが顔見知りの女性が東屋に来る。単独でセドノ沢左俣を行くとのこと。
水無川本谷への入渓場所をちょっと迷う。少し前に来たときは、もっと手前から沢に入ったが、今回は、右岸の踏み跡を堰堤の手前まで歩き、沢へ降りて左から堰堤を越す。堰堤の左端には古そうなスリングがかかっているが、スリングは使わず、脇の泥壁を登って越した。堰堤の手前で沢に下りる少し前に左側の岩場に鎖が白く光って見えた。後で分かったが、その鎖を使って堰堤を越える方が楽だそうだ。
 堰堤を越して5分ほど歩くと通せんぼをするゴロタの滝。左の大岩の間を上がる。
 10分ほど歩くと水無川本谷F1。右岸の鎖場を登る。落ち口は水流を跨ぐことになるが、水量が多い時は、ちょっと緊張する。左壁を少しトラバースして沢に下りると楽なようだ。
 すぐに左岸にセドノ沢の入口。セドノ沢に入って小滝を二つ越してすぐに左俣との分岐。先の女性とエールを交換して右俣へ入る。
 右俣に入って少し歩くとセドノ沢右俣F1。ロープを出して、水流左のコーナーを登る。中段から上にはカチッとしたフットホールドはなく、薄くへこんだフラットな部分に摩擦を利かせて登る。コーナー左の壁はハングしているのでそちらに頼ると不自然な姿勢となり苦しいかも。
中段下の足場がしっかりした場所から手が届く所にハーケンが1本あったが、かなり古く腐りかけた感じだったので、手近のリスの朽ちたハーケンの根元の隣に軟鉄のハーケンを打った。落ち口の少し先の左側の岩にハーケンが3本あり、それを使ってビレーした。体感ではV級+かW級くらいか。
 続いてすぐにF2。水流左の左上するノペーっとした斜面を2mくらい登って狭いバンドを右にトラバースした後一段上がって左へトラバースする。草付を右から上がって立木でビレー。久野さんリード。
しばらく歩くと、F3。滝部分(下写真の左部分)は、木が覆いかぶさっていて、しかもぬるぬる滑る。滝右の段々を登り途中から左に回り込んで岩を一段登った。容易。


 あとは、大滝だけ。少し歩いて中休憩。
 少し歩くと、F4の2段35m大滝。今年の7月に来た時と比べると水量はかなり少ない。その時は、水流左のカンテ状の上のテラスまで登って懸垂下降で引き返した。メンバー全員が初めてで、ガイドブックの「テラスで切った方がよい」との記述でテラスまで上がったもののその上がよく分からなかったからだ。  しばらく下からルートを観察する。F4は高さが35mなので50mロープワンピッチで届くので、今回は、カンテ状から一気に上部のフェースを登ることにする。  カンテ状には残置ハーケンが2本。フェースには、下からでは見えないが、登ってみると残置ハーケンが豊富にあった。腐っているものもあったが、比較的しっかりしていそうなものも多かった。やはり昔からずっと人気ルートだったんだろうなと感じた。  カンテ状は一部V級+くらいか。フェース中間部分では右足のフットホールドがちょっと遠い個所で、目の前にある古いテープスリングを一瞬掴んでしまった。一旦腰を右足の上に持ってきてから左足を抜けば掴まなくて済んだかもしれない。残念。そこがV級+くらいで、あとはV級くらいか。  フェースを登り切り、少し濡れたところを2、3m左上すると岩にハーケンが4本打ってあり、懸垂に使ったと思われるスリングがかかっていた。ただハーケンとスリングは結構古いものだった。左を見ると固定ロープが下がっていて踏み跡があり、その先に太い立木が見えたので、ハーケンの1本にプロテクションをセットして、その立木でビレーすることにした。プロテクションでロープが屈曲するので少し長めのプロテクションにした。  二人で登り切るのに、観察から1時間かかった。終了点から少し上の平らな所でロープをしまった。  なお、今回は沢で通常そうするように8mmダブルロープ1本で登ったが、傾斜、高さを考えると、ダブルロープを使うのであれば2本の方がよいのではと思った。  あとは右側の岩場を巻くようにつけられた踏み跡をたどった。谷のへりを伝う感じで進むと、先の踏み跡がちょっとあいまいになったところで右上に上がるとまたヤセ尾根に踏み跡があったので、さらに進んだ。しかし、かなり歩いたのに沢に戻る様子がないので適当に支沢を下りた。1ヶ所5m懸垂した。あまり時間もかからず沢に戻ると、巻道らしき踏み跡が見えた。その沢床で大休止し、巻道らしき踏み跡を元にたどると、岩があるヤセ尾根に出たが、自分たちが来た尾根とは違うようであった。結局正規の巻道はよく分からなかったが、もう少し早く沢に戻るのかもしれない。  その後は、水流はあるがガレた沢を登る。すぐに右から枯れた沢が出合うところがあったがそこは水流通しに左に進んだ。じきに水は枯れ次の二俣が現れ、右に入った。左に行くと書策小屋跡に至るのだろう。一筋水が流れている黒い滝を左から越して進んだ。さらに次の二俣で右に入り少し進んでかすかな踏み跡を追って左の尾根に上がった。ヤセ尾根で1ヶ所小さなギャップになっている所があったが、木の根をつたって下りて越えた。しばらくすると少し急な普通の尾根になり、表尾根と政次郎尾根の分岐のほんの10mくらい西の登山道に出た。  沢装備をしまい、大休止して政次郎尾根を戸沢へ下った。途中から雨具が必要な雨となった。登攀中は天気がもってくれてよかった。

(記録 N)


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