8月会山行 北アルプス 五竜岳〜鹿島槍ヶ岳縦走

日程 2014年8月12日〜15日

<概要>
 夜行2泊3日の日程で予備日を入れて3泊4日の計画で望んだ。しかし、台風13号の接近で、初日の10日の天気予報では大雨と予想された。計画当初はBUN氏も参加予定であったが、13日までの日程が都合つかないとキャンセルになり2人の出発となった。8月6日の時点で明らかに10日は大雨の予報で、出発を遅らせようとしたが、交通機関の手配がうまくいかず、9日の夜の夜行バスで新宿を出発し、初日は八方池山荘で停滞して、2泊3日で五竜〜鹿島槍を縦走した。天候的には良くなかったので、テント泊を小屋泊まりに切り替えて山行に望んだのが、スピードアップにつながったし、悪天でも行動ができたことと言える。

<行動記録>
8月9日(土)
22時30分に新宿駅西口、都庁の地下大型バス駐車場に集合する。本来夏山シーズンなら登山客で大にぎわいの場所であるが、閑散としてる。我々を含め、20人といない。
 我々の乗る七倉から扇沢、八方、猿倉行きのバスの乗客は8名と小型バスでの運行となった。23時に出発すると都内は雨が降り出した。談合坂SAに立ち寄り、八方に着いたのが翌日の5時50分であった。

8月10日(日)天気 雨、強風
 八方でバスを下車すると、雨が降ったり止んだりの天候で、八方尾根の下部が良く見えた。もしかして、唐松山荘まで行けるかもと頭をよぎった。雨具を付けゴンドラ乗り場まで行き再度ここでどうするかを二人で相談して、一応上に上がってみることにした。ゴンドラ、リフトと乗り継いで上に行くと、風と雨の強さに即、八方池山荘泊まりと決した。
山荘へ行き、宿泊手続きをして、朝食を食べ、テレビニュースで台風の情報を得て、明日は、天候が良くなりそうだが、朝の内はガスがかかりそうだと判断した。ネットで白馬村の天気予報を検索すると、9時から晴れマークがついていた。部屋で数時間寝て昼に起き、生ビールとカレーうどんで昼食とした。台風は昼過ぎに通過した様子で、山荘停滞として正解と昼寝とした。夕刻に風呂へ入り、18時に夕食を食べ就寝した。

8月11日(月)天気:霧雨、曇り時々晴、一時雨
 4時15分に起床する。風は無いがガスに山荘は包まれている。5時の朝食を済ませ、身支度を整え、6時に出発しようと小屋を出ると、小雨が降っているので、雨具を着用するか迷うが、雨具を着用せず出発する。歩き出して東の空は青空が見え始め、天気の回復が期待でそうである。尾根を1時間ほど歩き、八方池に到着する。ガスが切れたり雨が降ったりとはっきりしない天気。
 八方池から尾根を登りはじめ、雨が少し強くなりはじめ雨具を着用する。稜線は雲の中であるが、視界は利くので気分はまずますよい。先方に丸山ケルンが見える2360m付近の平坦な所で休憩。雨が止み雨具を脱ぐ。
 休憩後に歩き始めようとするとまた雨が降り出し、雨具を着用する。今日は雨具を着用すると晴れるし、脱ぐと雨が降り出すといったはっきりしない天候となった。丸山ケルンを過ぎてからは、厚いガスの中の登りとなる。岩稜のトラバース気味の登山道を行くと、唐松山荘に到着する。稜線は風が強く、雨は降らないが防寒のため雨具を着用したまま行動する。山荘の脇にザックをデポして、唐松岳を往復する。
山荘へ戻り、休憩料を払い、山荘内で休憩をする。
 依然、風は強く、牛首の岩稜を慎重に歩き、2時間ほどで五竜山荘に到着する。小屋の受付を済ませ、自炊部屋で昼食がてら、缶ビールで喉を潤す。ここではネットがつながらず、16時の気象通報を聞き、台風から変わった低気圧から寒冷前線が日本海に延びていることを知る。 小屋の黒板に書かれた、明日の天気予報では、霧雨か曇り、晴れ一時雨で降水確率50と余り良くない模様。降水確率から明日の行動を心配となるが、最悪ならキレット小屋泊まりもありと、明日は鹿島槍ヶ岳へ行動することを決める。小屋は悪天ともあり、8畳に3人と恵まれたスペースを頂く。夕食後、明日の起床を3時30分、5時出発と決め、19時過ぎに就寝する。

8月12日(火) 天気:曇り一時雨
3時30分に起床、朝食を済ませ、5時に小屋を出る。東の空は朝焼けが真っ赤に染まっていた。思った以上に天気は良いとY氏が言う。 歩き始め1時間で五竜岳頂上に到着する。朝焼けはどこへいったやら、穂高岳方面はどうやら雨が降っている様子で、あの雨がいつここまでやってくるか心配になる。
五竜岳から最初の下りはジグザグのガレ場で、落石を落とさないように行動する。その後は岩場の下りとなり、時折急な下りでは、岩に正対してクライムダウンをする。危険箇所では鎖がある。小さなコルを過ぎて、G4の登り、ピークを脇を過ぎて、小さなアップダウンを繰り返し、G5を過ぎてやせ尾根となり、その後は比較的平坦な登山道を行く。ガレ場を過ぎた当たりの平坦なところで休憩をする。ここまでいいペースで来ている。
歩きはじめ、直ぐに小雨降り始め雨具の下を着用する。しかし、この雨はさほど気にならずにしばらくして止んだ。岩稜の尾根のアップダウンを繰り返し、15分ほどで北尾根の頭を通過、この辺は歩きやすい登山道、口ノ沢のコルを過ぎて、岩場(3段登りといわれる岩場?)となり慎重に歩いて、小さなピークの手前で休憩する。
尾根の西側に登山道はのび、2段の鎖を登り、岩場につけられたハシゴや鎖を慎重に越えて、岩場を回り込むと、キレット小屋が見えた。この頃より雨がきつくなってきたので小屋内で休憩をとり、天気の様子を伺う。
一時、ここで停滞とも考えたが、2時間強の登りを頑張ればと思い、冷たい雨の中、小屋を出発する。岩壁に付けられた丸木をへつるように渡り、ハシゴを登り、V字のキレットの核心部にさしかかる。ハシゴを下り、その後は鎖がつけられた登山道を慎重に登り、高度を上げていく。30分ほど登るとその後は尾根の西側を登り、岩場やガレ場が続く。風の当たらない場所を探しているうちに1時間強登り通しとなる。小さな尾根を越える手前で休憩を入れる。
その、小さい尾根を越えると、鹿島槍ヶ岳の南峰が見え、吊り尾根が目前に見えた。30分強歩いて、吊り尾根の分岐に到着する。この頃には雨があがり、気温も上昇してきた。分岐にザックをデポして、鹿島槍ヶ岳の北峰に行く、北峰の頂上から今日、歩いてきた道を振り返り、キレット小屋を望む。北峰から南峰までの登り返しは40分強かかり、南峰の頂上へ到着する。頂上で周囲の展望を楽しみ、冷池へゆっくり下る。布引山で休憩を入れ、高山植物を楽しみながら冷池山荘に15時に到着する。今日の行動時間は10時間と良く歩きました。
小屋の自炊スペースでお茶がてら、缶ビールを飲む。お疲れ様でした。夕方になるにしたがい天候は良くなり、明日は晴れが予想される。17時頃に夕食を食べ、19時過ぎに就寝する。

8月13日(水) 天気:晴れ
 4時半に目が覚める。朝食を食べ、6時に小屋を出発する。爺ヶ岳への登りをゆっくり登る。1時間半ほどで南峰へ到着する。槍ヶ岳から白馬岳までの景色を楽しみ、種池山荘へ向かう。
 種池山荘から柏原新道を快調に下り、2時間45分で扇沢に到着する。まずは生ビールで喉を潤す。今回の山行の成功に感謝する。11時30分発のバスで大町温泉郷の薬師の湯へ行き、汗を流し、やはり生ビールで疲れを癒す。長野行きのバスまで1時間あるので、バス停前の日本そばやで昼食を食べ、長野駅から長野新幹線で東京へ出て帰宅する。

<行動時間>
8/11  八方池山荘6:00―9:05唐松山荘9:15―9:30唐松岳9:45―9:55唐松山荘10:50―13:00五竜山荘
8/12 五竜山荘5:00―6:00五竜岳6:10―9:20キレット小屋9:50―11:35鹿島槍ヶ岳分岐―鹿島槍ヶ岳北峰―鹿島槍ヶ岳分岐12:05―12:45鹿島槍ヶ岳南峰13:00―15:00冷池山荘
8/13 冷池山荘6:00―7:30爺ヶ岳南峰7:45―8:10種池山荘8:15―11:00扇沢

<山行雑感>
 今回の山行は台風の通過後も天候不順が予想され、テント泊から小屋泊へ計画を変更した。天候によってはキレット小屋泊も予想されたからである。また、Y氏と日程の調整をして、14日まで山行可能なので、予備日に余裕があったことと、キレット通過が装備の軽さからスムーズにできたことが成功した一因であると思う。12日の雨の中のキレット小屋からの行動は、テント装備では躊躇して、小屋泊としたかもしれないからだ。キレットのコースは要所要所に鎖、ハシゴがつけられ、三点確保をしっかり撮れば、さほど難しくはない。やはり、一番は天候判断だと言える。日程に余裕を持ち、キレット小屋泊のつもりで計画することが良いと思った。
 多くの登山者が鹿島槍ヶ岳からキレット小屋泊で計画をしているケースが多いようであるが、鹿島槍ヶ岳からキレット小屋までの下りは注意を払いたい。

記録 KOS

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