8月会山行 北アルプス 燕岳〜餓鬼岳〜唐沢岳

日程 2014年8月11日(夜)〜15日

<行動記録>
8月11日
二俣川駅北口19:30−23:20みどり湖PA(車中泊)

保土ヶ谷バイパス、国道16号を経由し鵜野森交差点を左折、相模原相川ICより6月に開通したばかりの圏央道に入る。平日の夕方という事もあり一般道はやや渋滞していたが、圏央道に入るとスムースに流れ始め、中央道も交通量は多いものの順調に流れる。  途中双葉SAで休憩を挟み、みどり湖PAで車中泊。

8月12日
みどり湖PA6:40−7:35駐車スペース7:45−8:00中房温泉登山口8:15−8:40第一ベンチ8:50−9:20第二ベンチ9:27−10:00第三ベンチ10:05−10:45富士見ベンチ10:50−11:30合戦小屋11:40−12:50燕山荘

4安曇野ICで高速を下り一般道を中房温泉へ向かう。みどり湖PAではほとんど降っていなかった雨が途中から降り始め、次第に本降りとなる。中房温泉登山口まであと1Km余というところで係員に車を止められ、駐車場満車の為路肩のスペースに駐車するよう指示される。このため登山口まで15分程雨中の車道歩きを強いられる事になった。  平日(月曜)とはいえやはり夏休み、中房温泉登山口はたくさんの登山者でにぎわっていた。トイレと身支度を整え登山開始する。久々に背負った20kg超のザックが肩に食い込み、いきなりの急登に汗が噴出す。本降りの雨と汗で合羽の内も外もびっしょりだ。よく整備された登山道を、約30分毎に現れるベンチで休憩しながらゆっくりとしたペースで登るとやがて合戦小屋に着く。この頃になって雨が小降りになり、時には薄日が差すようになる。風が強くじっとしていると寒いので合羽の下にフリースを着込んで早々に出発する。  合戦小屋から上の登山道は積雪期はほぼ稜線を登るため風をもろに受けてかなり寒かった記憶があるのだが、無雪期の登山道は稜線の東側に付けられているため風がほとんど当たらず暑い。少し登った所でフリースを脱ぎ、改めて燕山荘を目指して登りはじめる。小屋が目前に見えて来た所で数人の登山者が立止まって斜面の方に向かってカメラを構えている。何かと思って一緒に見上げると、数メートル上の斜面で雷鳥のヒナが数羽えさをついばんでいた。親鳥の姿は見えなかったがかわいいヒナの姿にしばし癒される。
燕山荘に着く頃には天気も回復して展望が開けてきた。テント場はほぼ満杯の状態だったが、登山道脇にちょうどぴったりのスペースが空いていたのでそこにテントを張る。テント場の受付を済ませビールで乾杯、その後付近を散歩したり槍ヶ岳など北アの山々や高山植物の写真を撮ったりしてゆったりとした時間を過ごす。
鷲羽岳付近に沈む夕日を眺めた後テントに戻り夕食。19時頃には早々にシュラフにもぐりこんだ。

8月13日
燕山荘6:00−6:28燕岳6:40−7:30奥北燕7:40−8:30東沢乗越8:40−9:40東沢岳9:55−13:25餓鬼岳小屋

4:30起床、未明の空には星が輝いており、今日の晴天を約束していた。朝食を済ませテントを撤収、燕山荘前の広場から見る槍、穂高の稜線が朝日に染まって美しい。 燕岳へ続く登山道にはすでに多くの人が登っており、山頂にも何人かの人影が見える。
燕岳山頂からはそれまで見えなかった立山連峰が顔を見せ、剱岳もはっきりと確認する事ができる。まさに360度の大展望だ。  山頂から奥北燕へ続く登山道に入るとそれまでとはうって変わり、登山者の姿はほとんど見られなくなる。コマクサが群生するザレ道は緩やかなアップダウンを繰り返し、程なく奥北燕のなだらかなピークに着く。本来の山頂は少し先のようだが、登山道はここから東沢乗越に向けて470mの長い下りとなる。少し下ったところではハクサンイチゲの群生が目を楽しませてくれた。  急傾斜の長い下りを黙々と下り東沢乗越で休憩、そこから250m登り返すとようやく東沢岳の岩峰に着く。東沢岳山頂からは本日の核心となる餓鬼岳へと続く稜線が一望できる。エアリアマップのコースタイムでは3時間の行程だが、見た限りでははるかに遠く感じる。しかも途中にはケンズリ等の鋭い岩峰がいくつも行く手を阻んでいる。  やや長めの休憩の後気合を入れて歩き始める。山頂から急なガレ場を下り、一旦樹林帯の中を下った後再び登り返すと最初の岩場にさしかかる。ルートにはペンキマークが付けられていて迷う事はないのだが、急峻な岩場はちょっと離れたところから見ると「本当に道があるのか?」と疑うくらい険しいアップダウンを繰り返して道が付けられている。  ケンズリは手前から左に巻くように道が付けられているのだが、150m下ってまた登り返すというキツイアルバイトを要する。その後鉄のはしごを登り一旦稜線に出ると、今度は木製のはしごや角材を渡した桟道が渡された岩場が連続し息つく暇もない。
コースタイムを30分オーバーして餓鬼岳小屋の幕場に着いた時は疲れきっていた。テントを設営後小屋で受付を済ませ、小屋から一段上がった所にあるテーブルに陣取ってビールで乾杯、乾いた喉に冷たいビールが美味い!  テントに戻りしばし昼寝をした後具沢山の豚汁で夕食。まだ明るいうちに就寝した。20時頃から(多分大町だと思うが)花火大会の大きな音がしていたが、テントから出て眺めるだけの気力もなくタダひたすら寝続けていた。

8月14日
餓鬼岳小屋幕場5:35−5:41餓鬼岳山頂5:45−6:14展望台6:20−8:10唐沢岳8:25−9:45餓鬼のコブ9:55−11:00餓鬼岳小屋幕場

午後から天気が崩れるとの予報の為予定より30分早く幕場を出発した。小屋から一登りすると餓鬼岳山頂に着く。ここからガレた道と岩場を通過し樹林帯を抜けると展望台に着く。曇ってはいるが後立山連峰や剱岳方面の稜線は辛うじて雲の下に姿を見せている。目前に見下ろす餓鬼のコブまでは150mの下りと50mの登りが待っている。
   餓鬼のコブから唐沢岳までがこのルートのハイライトだ。しばらく樹林帯の中を歩き、唐沢岳手前から唐沢岳を左に巻くように急なザレ道を下りいよいよ唐沢岳への急登に差し掛かる。山頂直下は岩場で昨日のケンズリ以上に緊張したが、山頂に着いた時の達成感には替えがたいものがある。
 同じ道を戻り展望台に着くころには雨が降り始め、幕場に帰りついた時にはずぶぬれになっていた。 テントに戻り昼食を食べると夕食まで長い昼寝タイムとする。18時就寝。

8月15日
餓鬼岳小屋幕場5:00−7:40東沢岳7:45−8:16東沢乗越8:23−10:00ブナ平10:07−11:00中房温泉登山口11:05−11:20駐車スペース11:35−12:20しゃくなげ荘(入浴と昼食)13:30−19:00二俣川

いよいよ最終日、昨日も午後はゆっくり休養しているから疲れもそれほど溜まっていない。天気予報ではこの日も午後から崩れ一時雷を伴うという事なので、予定を早めて3:30起床、5:00出発とする。
 歩き始めて1時間ほど経過すると小雨が降り始め、東沢岳に着くころにはやや強くなってきた。強い西風が吹き付けるが寒さは感じない。  東沢乗越からの下りは最初はごく普通の急な登山道という感じだったが、西大洞沢出合を過ぎると渡渉、高巻の連続となる。雨も激しくなり、濁流がゴーゴーと音を立てて流れる増水した沢を、水流に隠れた石の上をくるぶし位まで水に浸かりながら何度も渡渉するのは緊張の連続だった。また、高巻道も何箇所か崩落していて、ロープが張ってはあるのだがこれも気休め程度、ほとんどバリエーションルートといっていい道だった。スタートを予定より1時間早くしたことが大正解で、これが予定通り6時に下山を開始していたら渡渉はもっと危険な状態になっていたかもしれない。靴の中まで全身ずぶ濡れになって中房温泉にたどり着いた時は正直ホッとした。
 穂高温泉郷のしゃくなげ荘で入浴と昼食。平日限定の「そば御膳」が入浴料込みで1000円というのはお値打ちだった。  帰路では諏訪湖の花火大会のため諏訪湖SA手前で想定外の渋滞があったものの、その後は小仏トンネル手前の渋滞もそれほど長くなく、予定していた19時ピッタリに二俣川に着くことができた。
                                           (S 記)

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