北アルプス 槍ヶ岳〜西穂高岳


2013年7月25日(夜発)〜28日


  

日程:2013年7月26日(金)〜28日(日)
1日目:新穂高4:50〜槍平小屋8:30〜飛騨乗越〜槍ヶ岳山荘テント場13:10〜休憩後、槍ヶ岳ピストン15時頃
2日目:槍ヶ岳山荘テント場4:50〜南岳6:50〜(途中あられと雷で停滞)長谷川ピーク8:50〜北穂高小屋10:30〜涸沢岳13:30〜穂高岳山荘テント場13:50
  3日目:穂高岳山荘テント場4:25〜奥穂高岳5:00〜ジャンダルム6:20〜天狗の頭8:30〜西穂高岳10:20〜西穂独標11:30〜西穂山荘12:25〜西穂口13:15

メンバー:CL/ AM、HM 2名

・天気:1日目曇り、2日目 曇り時々雨、一時あられ・雷、3日目、霧雨のち曇りのち雨

25日木曜夜20時頃、横浜を車で出発、25時過ぎに新穂高の登山者用駐車場に到着。平日にも関わらず車が多いが、まだ駐車スペースは選べる状況。簡易トイレは2基。早々に車中で仮眠。

1日目は3時半起床4時半駐車場出発、新穂高ロープーウェー脇より登山道へ。先行パーティーもまばら、単独行が何人か追い越していくが、入山者はそんなに多く無い。白出沢出合の少し先までは、道路工事の標識もあり林道歩き。沢を越し、整備された登山道を歩きはじめる。滝谷の出合を過ぎ、槍平小屋へ。ここでは、燕岳からの縦走パーティーなど、下山者数人と会う。槍平小屋から先も快適な登山道歩き。対岸の稜線上に歩いている人が見える。斜面にコバイケイソウが花盛りで美しく、クロユリも見ることができた。しかし、千丈乗越分岐からが辛かった。先行した単独行の男性はぐんぐん登っていくが、自分はゆっくりペースで高度があがらない。初日は2000m標高差。目標の稜線は見えているので一歩ずつ足を進め、やっと槍ヶ岳・南岳・飛騨乗越の分岐にたどり着いた。岩を回り込んだところから槍の穂先が見える。
小屋に着くと、飛騨乗越で一緒になった男性から早めにテント場を確保するようアドバイスをもらう。小屋の中も外も老若男女・外国人もたくさんの登山者でにぎわっている。テント場の申込みをし、小屋でコーヒーとココアを注文し休憩。その後、割り当てられたテント場へ向かう。最初の割り当ては0番。高い場所で、風にあおられそうな場所である。一旦設営するも、風が出てきているのでもう少し下部のテント場へ変更してもらうことにする。今度は3番。そこに2〜3人用のツエルトを張る。この夏に購入したファイントラックのツエルトUロングである。今回は、軽量化の為にテントではなく340gのツエルトとストック1組を持ってきた。今回のテント場はすべて営業小屋の近くのため、万が一の時には小屋泊に変えることも想定し、ツエルト泊を試してみた。ツエルトUロングは、底辺が220cm・幅も100cmあるため、二人分の軽量化した荷物なら、靴もヘルメットもすべて中に入れて、大人2人が寝る事が可能である。張り綱とストックを使った張り方のコツは、三鷹のハイカーズデポで丁寧に教えてもらった。また、風速10mくらいなら耐えれる、とも聞いていた。自宅で何回か練習をしていたので、テント場でも効率良く張ることができた。その後、槍ヶ岳山頂に登った。最後の梯子を登りきると下山待ちのおじさん達が拍手で迎えてくれたので、ハイタッチで返した。おじさん達もうれしそうだった。山頂はちょうど人がはけて、貸切状態。ガスで景色は良くないがゆっくりと槍ヶ岳山頂を堪能できた。我々の下山と入れ替わりに中学生グループが、「もう腕がパンパンだよー」「ヤバイ」と言いながら山頂に向かっていた。テント場に戻り、ツエルトの外で夕飯を作って食べ、早めに寝ることにする。夜中、風が強く風速10m以上あったように感じたが、倒壊することもなく朝まで寝ることができた。

2日目、天気は曇りで、一時雨ところにより雷のち晴れという天気。とりあえず、南岳に向かうことにする。歩きはじめて少しの所で、雷鳥に遭遇。雷鳥は何度みてもかわいい。2時間ほどで南岳小屋に着く。バッチを買い、小屋の中で休憩させてもらう。なかなか綺麗な小屋で、行動食も豊富で良心的な価格で売っており、次は泊ってみたいなと思う。休憩している所に昨日から同じ行程の単独行の男性が来た。雨が降ってきたのでここから下山すると言う。我々は雨はひどくならないと判断し、大キレット方面に進むこととする。その後、気にならない程度の小雨がふったりやんだりであったが、1パーティーとすれ違った時に、遠くでゴロゴロと雷鳴が聞こえてきた。ちょっと嫌な感じだなぁと思っていると、小雨の粒が、塊に変わってきた。「アラレやヒョウは、悪天候の前兆だよ!」と会話していると、みるみるアラレがひどくなってきたので、急いでツエルトをかぶって停滞する。凄い勢いのアラレとともに、雷鳴が聞こえるが、雷はそんなに近い感じではない。
短い時間でアラレも雷鳴も止み、もやがはれて初めて遠景が見えた。気を取り直して、長谷川ピークと飛騨泣きを越え、北穂高小屋へ向かう。今日も天気があまり良くない為、すれ違う人はまばらである。北穂高小屋で30分程休憩し、涸沢岳に向かう。北穂直下は雪が残っておりステップが切られている。すぐに涸沢岳方面へ分岐し、再び岩稜帯を歩く。稜線上に数パーティーの先行者の様子が見える。涸沢岳まで再び気を引き締めて歩き、山頂で記念撮影をして穂高岳山荘へ向かう。穂高岳山荘に到着すると小雨がふったりやんだりしはじめた。本日の小屋泊りは、1枚の布団に2人の混雑だそうである。我々はテント場の申込をして、診療所のお向かいにツエルトを設営する。設営場所は自由。ツエルトは朝のアラレの時にかぶったのでびしょ濡れだ。設営して乾かしておこうと、設営後、小屋でコーヒーを注文し休憩させてもらう。休憩後ツエルトに戻ると、中はほとんど乾いたため、夕食の準備をする。また小雨が降ってくる。天井に付けられている紐を通じて雨が滴り落ちてくるが、その1ヶ所だけで他に漏水・浸水は無いので、天井の紐に細引きをつけてツエルトの側面側にしずくの通り道を作成。結局、朝まで雨がふったりやんだりしたが、天井部の結露も漏水・浸水も起こらなかった。

3日目、朝から霧雨である。天気予報は回復方向だったので、ヘッデンを付けて奥穂へ向かう。我々のすぐ後に男女4人組パーティー。とりあえず奥穂まで先行する。奥穂には、女性5人組パーティーが先着していた。女性パーティーと、我々、男女4人組パーティーが、ジャンダルム方面へ向かう。ジャンダルムには意外にあっさりのぼれた。山頂で記念撮影をする。男女4人組が先行していった。彼らは安定した速さでぐんぐん離れていく。天狗の頭の手前から、ちらほら逆方面から来る登山者とすれ違う。岩綾歩きに飽き飽きしたところで、やっと西穂の山頂にたどりついた。10時20分。思ったより早かった。山頂ではピストンの登山者がコーヒーを沸かしたり楽しそうである。我々は少し休憩し、早めに下山することにする。
これから登る人と下山する人で渋滞がはじまっていた。独標にくると、西穂の山頂で会った長野県警の二人がいる。登山指導をしているのであろう。小雨が降ってきたが、初心者風のパーティーや、半透明のコンビニ販売?の雨具を着ている家族も登って来る。高度を下げるにしたがって雨が強くなってきたが、どんどんお年寄りや子連れのパーティーが登って来る。私だったらやめるのになあ、と思いつつ下山のスピードを上げる。西穂山荘に着いたが、雨も降っているのでトイレ休憩だけでロープーウェーに向かうことにする。疲れた体にムチを打って、足場の悪い登山道をひたすら下る。ロープーウェーに近づくと、微妙な登りが出てくるので、もう登りはいらないのになぁと思いながらひたすら早足で歩く。50分程で西穂口に到着。靴を洗って雨具を脱ぎ、すぐさまロープーウェー乗り場へ直行。乗車待ちの間、予備日が1日余ったので、平湯温泉に1泊しようかという相談をする。駐車場に14時前に着き、身支度を整えて、平湯バスターミナルに向かう。以前、雲ノ平の帰りにここで平湯温泉の宿を紹介してもらったからである。前回と同じ岡田屋旅館を紹介してもらい、温泉と豪華料理で、天候には恵まれなかったが、無事歩き通せたことを祝った。(AM 記)

雑感(AM):今回は軽量化を重視した。ウルトラライトハイカーの装備を参考にし、ツエルトの積極利用を行った。しっかりと設営できる場所であれば、多少の風雨には倒壊/浸水することもなく、意外と快適である。ロングコースとバランスを崩しやすい岩稜歩きに対して、自分の体力を考えて荷物の軽量化をしたことが一番の成功の鍵であった。今後も、コースや人数によってはツエルトの積極利用も良いと思った。

雑感(HM):今回の縦走は軽量化を課題に準備を進めてきた。テントの替わりにツエルトを使用したことがかなりの軽量化となりコースタイム以下で移動することができた。新しい試みで不安もあったがチャレンジをして良かった。長谷川ピークやジャンダルムの手前の馬の背は切れたっておりもしバランスを崩して落下したら助からないような場所なので荷物を軽量化して身軽にしておくことは大切である。天気については、今回は天気が悪かったので次回は天気の良い日に行きたい。  

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