十勝岳 美瑛岳縦走

日程:2013年8月3日


天気:快晴 望岳台5:30→雲ノ平分岐6:11→十勝岳避難小屋6:21/6:31→昭和噴火口7:22→十勝岳山頂8:15/8:30→美瑛富士分岐10:08→美瑛岳山頂10:25/10:50→美瑛岳分岐11:33→ポンピ沢12:00/12:10→雲ノ平分岐13:10→望岳台13:45

3:30起床、4時に旭川のホテルを出発して5時過ぎに望岳台駐車場、準備を整え5:20登山開始。旭川からこちらに車で向かう最中は曇りで多少天候を心配していたが、白金温泉を過ぎた頃には雲の上にでて、快晴。これからの山行が楽しみになる。
十勝岳避難小屋までの最初の50分、広々とした石コロだらけの登山道を進む。朝早いのに、登山者が結構多い。避難小屋の前で一息いれる。ここからは火山岩、火山礫の急斜面に差し掛かる。やや苦しい急登を1時間ほど頑張ると広々とした昭和噴火口前の広場に出る。荒々しい爆裂噴火口だ。

 登り始めて2時間弱、目指す十勝岳山頂が目の前に見えている。緩やかで広々とした吹きさらしの尾根をしばらく進むと、火山岩に覆われた急斜面にさしかかり、ペンキを頼りにルートをたどる。急登をこなすとやがてなだらかな斜面に変わり十勝岳山頂に8:15到着。望岳台から2時間45分、結構良いペースで登ってきた。夏山シーズンでもあり、山頂までは多くの登山者で賑わっている。山頂からはトムラウシ、旭岳、オプタテシケ山、美瑛岳、そして反対は富良野岳が遠望でき、最高の眺望と天候に感謝、本当に来てよかったと感激した。

15分ほど休憩して8:30美瑛岳への縦走を開始。山頂を下り、平坦な火山礫の台地に降り立つ。ここからは一気に人が減り、広大な稜線を一人じめしている気分に浸る。眼前には遮るもののない大展望、どこまでも続く山並み、はるかな地平線、緑の大地、ここはまさしく北海道だ。平ヶ岳、鋸岳と地図には表示されているが、なだらかで判然としない小ピークをいくつかやり過ごし緩やかに下ってゆく。ガスがかかると迷いやすいというこの稜線も今日は何の問題もない。やがてコルまで下りきると縦走路は美瑛岳への登りに転じる。美瑛岳へは爆裂噴火口側の崩壊地を大きく巻きながら登って行く。小ピークが幾つもあり、ひとつのピークに辿り着く度、次のピークが現れるので登りはやや長く感じたが、やがて美瑛岳の裏側に大きく回り込み、美瑛富士への分岐を左に折れ15分ほど登り詰めると美瑛岳山頂に10:25到着。2時間弱の稜線歩きだった。 ここで大休憩、相変わらずの雲ひとつない晴天で、トムラウシからの縦走路・美瑛富士が良く見えている。振り返ると、荒々しい噴火口の先に十勝岳と今歩いて来た縦走路がはっきりわかる。本当に素晴らしいコースだった。 10:50下山開始。はるか下の方に下山路が続いているのが見えている。そこまで火口脇の急斜面を一気に下降する。岩場や滑りやすい土のところを慎重に歩く。周りは高山植物が咲き乱れているのだが、ゆっくり見ている余裕がない。50分ほど黙々と下りきると、美瑛富士からの分岐点に辿り着くが、一息つく間もなくまた急下降が続き、急斜面に嫌気がさしてきたところでやっとポンピ沢に12:00に辿り着いた。ここは遅くまで雪渓が残っているそうだが、全く雪はなくごく普通の沢筋である。沢の水で顔を洗い10分ほど休憩、12:10出発し登山口まで一気に下降する。ところがここから十勝岳を大きく巻く登り返しが待っていた。ゆっくり歩を進めるが、ここまでの疲労でスピードは上がらず牛歩ごとくだ。この辺りは雲ノ平と呼ばれていて、眺望は良いが、登りから下りになるまで景色を楽しむ余裕はなかった。 十勝岳の巻き道も下りになると目指す望岳台の駐車場が見えてきた。やがて朝通った十勝岳と美瑛岳の分岐点に13:10に辿り着き、広々とした石コロだらけの登山道を望岳台目指して歩を進め、13:45に下山。9時間強の山旅だった。

十勝岳は荒々しい活火山、盛んに噴煙を上げていた。十勝岳までの登山道は、富士山や浅間山を歩いている感じか。百名山という事もあり登山者は多いが、ほとんどはピークハントで美瑛岳や富良野岳への縦走をするものは少ない。縦走路は静かな山旅が楽しめる。稜線からは、素晴らしい眺望が待っている。トムラウシ、旭岳、美瑛富士、富良野岳、そしてはるか日高連峰を望む事ができ絶景である。 美瑛岳から望岳台までの下りは、体力的に結構きつい。登り返しもあり、長い。 今回は最高の天気、最高の眺望に恵まれ、素晴らしい山旅となった。 KT 記

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