知床 羅臼岳(1.661m)山行報告

日程:2013年9月14日

木下小屋 6:20→オホーツク展望台 6:55→646m地点 7:15/7:25→弥三吉水 7:49→極楽平 7:59→仙人坂 8:20/8:30→銀冷水 8:46→雨具装着休憩10分→羅臼平 9:36/9:50→羅臼岳山頂 10:45/10:55→羅臼平 11:45/12:00→仙人坂 12:46→極楽平 13:00/13:18→弥三吉水 13:20→木下小屋 14:20

14日5時、ホテルの窓から外の様子を窺うと、雨はさほどではないものの風が非常に強い。今日は午前中を中心に雨の予報で、山行を実行するかどうかメンバーと相談する。今回の山行は、羅臼岳から硫黄山への縦走だが、さすがにこの天候では縦走は無理と判断、代わりに羅臼岳往復に切り替え山行を実施するかどうかを検討。下でこの風なら、山頂では台風並みの強風が吹いているのではないかとの意見もあったが、そもそもこの3連休は停滞前線・台風の影響もあっていずれも雨の予報で、その中でも今日が一番マシという事もあり、しばらく様子をみてから判断することにした。

6時、相変わらず風が強いが、雨が止みやや明るさも増して来たようなので、行けるところまで行くことにして準備を整える。駐車場には数組の登山者が同じ様に準備をしている。 ホテル地の涯の裏手にある木下小屋の右手から、なだらかな登山道が始まる。6時20分に出発。今日の標高差は1,400m ほどあり、登りがいがありそうだ。しばらく樹林帯の中を緩やかに登って行くと30分強で展望台に着く。樹林帯のなかで一面の視界だけが開けていて、オホーツク海が眼下に広がっているが、今日は視界があまり良くない。樹林帯を歩いている時は、風はさして気にならないが、視界が広がるところではやはり強風が吹いている。木々が激しく横殴りに揺れていて、風がゴーゴーと唸り声をあげている。ここから先に進むべきかどうか自問したものの、同じような樹林帯の中の登山道で風の影響をあまり受けそうになかったのでそのまま前進、1時間ほど歩いて休憩、その後、弥三吉水(やさきち)の水場、平坦な極楽平と意外と順調に通過、仙人坂からやや急登となるも、非常に歩きやすい道でさほどきつさは感じなかった。
2つ目の水場である銀冷水を過ぎると大沢の沢筋を詰める。ここから一気に視界が広がって、雨風が強くなる。全員雨具を装着。振り返るとオホーツク海が眼下に広がる。意外と高曇りの状態で遊覧船の航跡や知床五湖も良く見える。吹きさらしの沢筋を小一時間ほど歩くと羅臼平の広場に到着。トイレはないが、広い天幕場になっている。三ッ峰方面には視界が広がるが、目指す羅臼岳はガスがかかっていて山頂は見えない。さっきまでの雨風はやや収まったようだ。15分ほど休憩を取り山頂に向け出発。ここには羆対策のフードロッカーが設置されていた。ハイマツ帯の穏やかな登山道をしばらく進む。天気が良ければさぞかし快適なルートであろう。羅臼方面への分岐、水場をやり過ごすと岩場が現れ、山頂への最後の急登となる。20分程度岩場をこなし、10:45山頂に到着。山頂は意外と狭く、足場も悪い。ガイド登山のパーティーもおり、満員状態である。相変らずウトロ方面の視界は広がっているが、羅臼方面の眺望は絶望的だ。山頂から国後島を眺めて見たかったのだが、次回までお預けのようだ。 天気も悪く寒いので、10分ほどいて記念撮影ののちすぐに下山に取り掛かる。岩場は雨で濡れているので、慎重に下る。こんな天気なのに後続から続々山頂に登ってくる登山者とすれ違うのが一苦労だ。岩場を過ぎハイ松帯まで降りてくる頃、本来目指していた硫黄山への縦走路が見えてきた。硫黄山の山頂付近はそそり立った急峻な山の様相で、いくつものピークの先に聳えている。次回必ずリベンジを果たそうと心に誓いつつ、ゆるやかで視界の広がった羅臼平へ戻ってきたのが11:45。もう木下小屋に戻るだけなので、ここで大休憩を取りそれからゆっくり降りる。木下小屋への下山は14:20。

(感想)  羅臼岳は、登山道が整備されていて非常に歩きやすい。1,400mの標高差もあまり苦痛に感じなかった。知床のイメージからするともっと秘境的なイメージを描いていたのだが、むしろ全国にある百名山の歩きぬかれた登山道と同じなので若干興ざめで残念だった。今回、天候の関係で断念せざるを得なかった硫黄山への縦走路まで行けば、本来の知床らしい光景を目の当たりにすることができたのかもしれない。次回はぜひ縦走を実現したいと思った。(TM記) 2013年度山行報告へ