鹿島槍ヶ岳

日程:2013年7月26日(金)〜28日(日)


天気:26日 曇り後雨 27日 曇り時々雨後晴
27日:大谷原 6:00⇒西俣出合 7:00/7:10⇒高千穂平(2,049峰) 9:10/9:30⇒赤岩尾根分岐 11:00⇒冷池山荘 11:15
28日:冷池山荘 5:20⇒鹿島槍ヶ岳 7:00/7:15⇒冷池山荘 8:20/8:45⇒爺ヶ岳中峰 9:50/10:00⇒種池山荘 10:40/11:10⇒扇沢登山口 13:20⇒扇沢ターミナル 13:35

26日、新宿17時発のあずさで松本着20時、松本駅で全員集合し食事に向かう。金曜日の夜でどこの店も混雑している。居酒屋で1時間ほど食事をして、ホテルに行く。松本ツーリストホテル、格安料金であったが、大浴場もあり部屋も十分快適でゆっくり休むことができた。

27日朝4時にホテルロビーに集合し、松本4:35のムーンライト信州号で信濃大町5:11着、予約していたタクシーで大谷原へ向かった。残念ながら天気は曇り、今日の予報では午後から雨である。大谷原には数台の車と団体さんの中型バスが駐車していたが、思っていた以上に閑散としており、このコースはあまり人気がないようだ。ただ中型バスで来た中高年の団体さんがちょうど出発するところだったので、いっとき騒がしくなる。

我々3名は団体さんに先駆け6時ちょうどに出発、最初の1時間は林道歩きだ。なだらかな沢筋の林道は徐々に傾斜がきつくなり、汗ばんできたころ、西俣出合のダムに到着した。ここで一息入れて赤岩尾根を登りだしたが、いきなりすごい急登が始まり、一瞬でもなだらかで一息入れるようなところがない。一気に50分ほど登ったが、3人とも息も絶え絶えになりこのペースで登ると最後までもちそうになかったので、以後30分に1回休憩を取ることにした。
その後登るとやや傾斜は緩やかになったような気がしたものの急登には変わりなく、ゆっくり歩を進め、西俣出合から2時間ほどで高千穂平に到着。ここまで樹林帯の中を登ってきたが、やっと眺望が広がった。あいかわらずガスっているが、ふもとの方や稜線が時々顔を覗かせている。

20分の休憩を取り出発、ここからは崩壊地やヤセ尾根が続く急斜面を進む。結構面白いが雨の日の下りはあまり歩きたくない道だ。1時間30分ほど急登を登り詰めるとやっと稜線に飛び出す。ここまで5時間、なんか1/3くらい休憩してた感じの登りだった。主脈縦走路にでて、ここからは一気に人が増える。稜線からは立山や剣の頭がガスの薄れた瞬間、垣間見ることができた。15分ほど歩き冷池山荘に到着、11:15。当初は今日中に山頂まで行って山小屋まで帰ってくる予定であったが、小屋の人の話ではやはりこれから天気が崩れてくるようだ。行くのなら行けるところまで行き、雷が鳴りだしたら引き返してくるくらいの気持ちで出かけた方が良いと言われたので、山頂には明朝に行くことにして、今日の山行は中止とし、さっそくビールやコーラで乾杯した。我々は午前中に山小屋についてしまったので来た頃はまだがらがらで、今日は天気が悪いので空いているのかと思ったが、午後から続々と登山客が到着しいつの間にか満員状態に、結果的には2枚の布団に3人寝る羽目になった。小屋の人が言った通りに午後から土砂降りの雨になり、テント泊の人も小屋に逃げ込んできたので結局小屋はいつもより混んでしまったようだ。午後のひと時は混雑した山小屋の喧騒と憂鬱な雨でうんざりするような長い時間だった。暇なのでビールをついつい飲んでしまい、夕食までの時間を所在なく過ごした。18時に夕食だったがその頃になると雨も小降りになりやがて止んだ。20時過ぎに消灯。

28日、朝4時30分に起床。雨は止んでいたが一面ガスがかかっている。今日は本来なら昨日中に山頂に行く予定を今日に変更したので、長い行程だ。多分扇沢には夕方近くになるだろうと想定し、出来るだけ早く出発することにした。5時に朝食、荷物をできるだけ軽くして5時20分に出発。ガスがかかり剣・立山方向はまったく眺望がない。ふもとの大町方面は時々眺望が広がるものの基本的には霧の中のハイ松帯を進んでゆく。ちょうど出発前にこんな天気はライチョウに遭遇する可能性が高いと話していたが、案の定、ライチョウの親子4匹に登山道そばで遭遇した。途中の布引山には6:15、この頃から雨が降り出した。じっとしていると寒いので7分ほど休憩して鹿島槍を目指す。それから最後のジグザグ下りを40分ほどこなして鹿島槍ヶ岳に7時ちょうどに到着。本来ならここからは素晴らしい眺望が望めるはずなのだが、今日は全く何 も見えない。山頂には結構な人がくつろいでいた。こんな天気でも八峰キレット方面に向かう登山者もいる。

相変らず寒いので15分ほどで下山を開始。登りと同じように眺望のない稜線を黙々と小屋に向かって引き返す。途中、山頂を目指す多くの登山者達とすれ違った。高山植物が花盛りだ。1時間強で冷池山荘に到着。行程が長いので、すぐ荷物を整え、8:45に小屋を立つ。ここから爺ヶ岳までは最後の登りだ。ゆっくり歩を進め昨日上がってきた赤岩尾根分岐をやり過ごし、しばらく進んで主脈縦走路を山頂方面にそれ、わずかな急登をこなすと爺が岳中峰に9:50、10分休憩ののち種池山荘へのなだらかなジグザグ道を一気に下った。

天気は朝からずっとガスっていて全く眺望がないのだが、ぞくぞくと登山者が鹿島槍を目指して登ってくる。年配のグループも多い。種池山荘に10:40に到着。ここまで時間的に順調に来ていて、想定よりも早く下山が出来そうなので大休憩を取る。小屋の前のベンチは満員で大賑わい。ちょうど昼食時で、小屋で買ったカップラーメンをほおばっている人が多い。我々も行動食を取りくつろいだ。30分の休憩ののち、最後の行程へ。あとは柏原新道を一気に下るだけが、ここは意外にだらだらと長い。ゆっくり下って行ったが、昨日の赤岩尾根との対比は歴然で、こちらの柏原新道は傾斜も緩やかで道も整備されていて歩きやすいことこの上ない。これなら年配のグループでもゆっくり登れば問題はなさそうだ。

沢筋の雪渓を二か所ほど通過し、尾根の中腹になだらかに取りついた登山道を下って行く。やがて樹林帯の中に入ると、木々の隙間から扇沢の駐車場が所々で俯瞰できるのだが、なかなか近づいた感がなく逆に距離感を感じる。途中で雨が降ってきて、雨脚が強くなってきたので雨具を着る。登山道も木の階段など非常に滑りやすくなってきたので、スピードを落とし慎重に下っていく。2時間強で扇沢の登山口に到着。13:20下山、2日間何も見えない中をよく歩いた。15分ほど車道を登り返し扇沢のバスターミナルへ。この頃天気が良くなり晴れてきた。上空は青空が広がっていた。ふもとに下りてきたので晴れていたのか、山頂も含め天気が回復してきたのかは考えないことにした。Hくんはちょうど扇沢発新宿行きの高速バスに間に合ったのでバスで帰路へ。大人二人は、とりあえず大町温泉でひと風呂浴びてビールで乾杯することに。16時ごろ大町温泉バス停で中央線沿線で用事のあるNさんと別れ、特急バスで長野へ、そこから新幹線経由で横浜へ。21時頃帰宅。

(感想)
鹿島槍ヶ岳は数年前に一度来ていて、山頂稜線からの眺望に感銘を受けた記憶があったので今回も楽しみにしていたのだが、結果的にほとんど眺望無に終始した山行になってしまい、同行したメンバーには気の毒だった。ただ赤岩尾根はなかなかの急登で、達成感のあるルートだった。山行自体は、メンバーにも恵まれ楽しい山行だった。(KT 記)

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