北ア 奥穂高岳・北穂高岳


日程:2011年5月1日(日)〜5月5日(木)


山岳会に入って3000mを越える雪山を登りたいと思う人は多いと思う。自分もそうして入会した1人である。今回はベテランと初体験のメンバーを交えて、今まで続けてきた歩行訓練や雪上訓練の成果を存分に発揮した、すばらしい山行となった。

5月1日(日)
大和駅20:00出発→(八王子IC→松本IC)→風穴の郷24:00
 
横浜は小雨。大和駅は3名が集合。反対車線は渋滞していたが順調に進む。風穴の郷で帰省先から直行したM夫妻と合流。雨は上がっていた。
26日に涸沢で発生した雪崩の影響次第で西穂高への計画変更をする備えをしたが、twitterを見ると問題はなさそうだ。

5月2日(月)
風穴の郷5:30→沢渡第2駐車場6:30→上高地バスターミナル7:00→10:30横尾10:50→本谷出会13:00→涸沢15:30

沢渡第2駐車場に車を停める、意外と駐車場は空いている。早々にタクシーの勧誘を受けて5人で1台に詰め込まれてバスターミナルへ移動。1台4000円なので割り得。
20kgを超える荷物をはじめて背負うメンバーも居るが順調に進み、徳沢で先に入山していたSさんと合流し10:30に横尾到着。
横尾を出てしばらくすると雪道となる、本谷出会13:00。やや疲れの出るメンバーもありペースが落ちる。アイゼンを装着する必要はなく15:30に涸沢に到着。
天場はやや混んでいて窮屈だったが、整地して6天と4天2つを並べて張ることができた。2張りは6人では贅沢な空間だがおかげで3日間のBC生活を快適に過ごすことができた。
夕食はハンバーグとサラダ、10℃以下に要冷蔵の食材だが車中はクーラーボックスに保存して運んだ。その甲斐あって美味かった。

5月3日(火)
涸沢BC4:30起床・6:30出発→(ザイテングラード)→9:20白出のコル9:45→11:00奥穂高岳11:10→12:10白出のコル12:50→14:00涸沢小屋→涸沢BC14:40

4:30起床6:30出発で周辺と比べて少し遅めの行動開始となる。登るルートがBCから見えるというなんとも言えない道のりである。高度を稼ぐごとに涸沢のテントが小さくなっていく小豆沢をひたすら登る。小豆沢は昨年雪崩が発生しており、今年も状況は良いとは思えず急登で通過に時間をかけるには不安があった。そのため途中からところどころ岩の露出するザイデングラードへ入る。新人も居るが鷹取山などで訓練をしてきた成果を発揮し難所もクリアーして白出のコルに到着。

いよいよ奥穂高岳へ取り付く。アイゼンを装着しての岩場と梯子の登攀に不安はあったが無難に通過し、快晴ではないが遠望が利き風もなく快適な山頂で景色を楽しむことができた。メンバーの足裁きも快適で下りもロープを出すことなくコルに戻った。

BCまでは尻セードを楽しみながら一気に下り、涸沢小屋に寄り各々ソフトクリームやコーヒーで一服して涸沢の春を堪能した。夕食はYさんが自宅で仕込んだ具材たっぷりのトン汁。今日もグルメな夕食だった。

5月4日(水)
涸沢BC4:00起床・6:10出発→(松濤のコル)→北穂高岳→9:00北穂高小屋10:25→涸沢BC13:50

 昨日よりやや早めに起床し出発。昨日の状態を踏まえて荷物を極力少なくした。今日も沢をひたすら詰めていく登りとなる。天候は曇天で小雪が時折舞う中を進む。

26日の雪崩によるデブリ帯を抜けゴルジュを通過する急登を越えると少し緩斜面になる。しばらく登っていると上部から人が滑落してきた。どんどん落ちていくが何とか自然に停止し手を動かしていた。下山後確認したら頭を切っただけで無事だったとのこと。(松濤のコルの10mほど下に滑落痕があった、上部のインゼルから落ちもせずぶつかりもせずに雪面を滑れたのが幸いしたようだ。500mは落ちたと思われる)

曇天のなか、コルに到着。北穂頂上の展望はなく早々に小屋へ移動する。北穂高小屋に入りコーヒーを頼んで優雅な一時を過ごす。小屋でゆっくりしていると天候は急速に回復して槍ヶ岳が姿を現した。小屋のランチタイムも始まり評判のスパゲッティーを食べたい所だが涸沢のおでんに軍配が上がり、長すぎた休憩を終え下山することにする。

山頂に戻ると360度の展望に回復しておりその場を去るのがますます惜しまれた。

いよいよ緊張の下山だ、事故に遭遇しているだけにコルの直下から積極的にロープを使う。インゼルを抜けるところまで50mロープで6ピッチを使った。ここを抜ければ岩に激突する心配もなく各々尻セードなどで下った。

ヒュッテに着くとすぐにテラスに移動しておでんと最高の景色をつまみに一杯を楽しんだ。夕飯はM夫妻仕込みもなすを沢山使った味噌いため。美味い食事で腹いっぱい。

5月5日(木)
涸沢BC4:00起床・6:40出発→横尾8:50→上高地バスターミナル12:20

最終日の朝はこれまたM夫妻仕込みでニヨッキを使った本格的なミネストローネ!今回の山行はなんとグルメなこと!ランドネ的涸沢生活ばんざい!
テントを撤収し、疲れもたまっているので体操をしてから快晴の涸沢に別れを告げて下山を開始する。
登った日に比べて雪がかなり少なくなっていた。
横尾からは苦行ともいえる3時間を歩ききり、楽しかった山行を終了した。

下山後は沢渡で風呂に浸かり汗を流した。大渋滞もあって、横浜の自宅には22時に帰宅。
腹がへったのでカップラーメンを食べて寝た。涸沢より粗食のエンディングだった。

(KN)

2011年度山行報告へ