北アルプス 西穂高岳


日程:2012年1月6日(金)〜1月8日(日)


1月6日(金)
 二俣川駅北口21:00−八王子IC−松本IC−25:00道の駅風穴(仮眠)

二俣川駅北口を21時に出発、八王子ICから中央道に入る。3連休の前夜だが、交通量は若干多いものの渋滞はなく順調に流れていた。
岡谷ICを過ぎた頃から雪が降り始め、塩尻北あたりでは路面に白く積もり始める。その先の路面状況が心配されたが、松本ICで一般道に降りると降雪は収まり、一部圧雪状態だが走行には支障ない。
道の駅風穴の駐車場の端にテントを張り26時に就寝。この頃には星空が見えていた。
 
1月7日(土)
 道の駅7:45−8:45新穂高温泉登山者用駐車場9:15−9:45ロープウエイ山頂駅10:00−11:45
西穂山荘(テント設営)13:00−13:20丸山13:25−13:45西穂山荘(幕営)

 7時起床、テントを撤収して新穂高に向けて移動する。安房トンネルを抜け岐阜県に入ると一気に積雪が増える。
 新穂高温泉の冬期登山者用駐車場には既に10数台の車が停まっており、登山準備をしているパーティーも何組がいた。この駐車場は夏は有料なのだが冬季は無料で開放されている。そして、これまで新穂高に下山した時には必ず利用していた無料のアルペン浴場が閉鎖になり既に撤去されていたのは寂しい限りだ。
 ロープウエイ山頂駅の屋上展望台では多くの観光客が記念写真を撮ったり景色を眺めたりしていた。あいにく穂高の稜線は流れる雲で見えたり隠れたりしていたが、時折雲の切れ間に槍の穂先が見えると歓声が上がっていた。
 装備を整え西穂山荘へ向けて歩き始める。最初は1.5m位の雪壁に囲まれた遊歩道を進み途中から登山道になる。樹林帯の中をわずかに下り、いくつかのアップダウンを過ぎると急な登りになる。しっかり踏み固められた雪道はとても歩きやすいが一歩トレースを外れると太腿まで沈んでしまう。重いザックがそろそろ肩に食い込み始める頃に山荘に到着。高さ3mはあろうかという巨大な雪だるまが我々を迎えてくれた。

テント場には既に数張りのテントが設営されており、他にもせっせと雪を整地しているパーティーも何組かいたが、比較的いい場所を確保してテントを張る事ができた。
 テントに入ってひと休みしたいところだったが、靴を脱ぐとお休みモードになってしまうので、昼食はテントの外で軽く済ませ、アイゼンを装着して丸山まで偵察に行く事にした。
 山荘脇の急な斜面についたトレースをひと登りすると西穂高岳へと続く稜線に出る。傾斜が緩やかになり、わずかに登ったところが2452mの丸山だ。標識の前で記念撮影。独標はガスっていて見えないが、途中の登山道を歩いている人が見える。明日のルートを確認したところでテントに戻る。ハンバーグライスの夕食を済ませ、18時にはシュラフにもぐりこむ。

1月8日(日)
 4:00起床5:50−7:20西穂独標7:30−8:05ピラミッドピーク8:10−9:20西穂高岳9:30−11:00ピラミッドピーク11:10−11:40独標−12:15西穂山荘(テント撤収)13:15−14:20ロープウエイ山頂駅14:45−しらかば平の神宝乃湯で入浴−16:15駐車場16:30−21:30二俣川(解散)

 たっぷり10時間の睡眠をとり午前4時に起床。餅入りラーメンの朝食を摂り5:50にヘッドランプを点けてスタートする。

前日にルートを確認していたので暗い中でも不安無く歩ける。丸山を過ぎる頃には空はうっすらと明るくなり、独標のわずかに手前で日の出を迎える。気温は−15℃、眼下には雲海が広がりその上は快晴なのだが、20m/sの強風が叩きつけるように吹き付けてくる。風除けになるものが何も無い稜線ではとにかく耐えるしかない。
 雪のついた岩場を登り独標に着くと、ピラミッドピークから西穂、奥穂の稜線が目に飛び込んでくる。「アルプス」と呼ぶのにふさわしいすばらしい眺めだ。 

いよいよここから核心部へと突入する。独標からの下降路は昨年崩落してルートが変わっていたが、新ルートは以前よりやさしくなったように感じた。独標からピラミッドピークまではナイフリッジと岩場のアップダウンが連続する。最も緊張するところだ。
 ピラミッドピークから狭い雪稜を下り、3峰、2峰と越えると西穂高岳の基部に着く。山頂直下の雪壁ではロープを出して下降しているパーティーがいたが、我々はその横をアイゼンの前爪を蹴り込み、ピッケルを打ち込んで直登する。
山頂に着きハイタッチで登頂を祝う。奥穂、前穂、常念、乗鞍、白山、そして富士山も。まさに360°の展望だ。

ゆっくりと展望を楽しみたいところだが、強風は相変わらず収まりそうにないので記念写真を撮ると早々に下山にかかることにした。直下の雪壁では我々もロープで確保して下降。
同じルートを慎重に下降して12:15西穂山荘着。テントを撤収して下山にかかる。
ロープウエイ途中駅の前にある神宝乃湯の露天風呂で冷えた体をほぐし、新穂高から帰路についた。                              (S記)

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