頸城山塊・火打山


日程:2011年5月14日〜15日


14日:笹ヶ峰(10:10)⇒休憩⇒黒沢橋(11:30)⇒休憩⇒富士見平上部(14:50/15:00)⇒高谷池ヒュッテ(15:40)   ※黒沢橋〜十二曲がり 約1時間迷う

15日:高谷池ヒュッテ(7:00)⇒火打山山頂(9:05/9:20)⇒高谷池ヒュッテ(10:30/10:40)⇒富士見平(11:20/11:30)⇒黒沢橋(12:20/12:36)⇒笹ヶ峰(13:20)
※高谷池ヒュッテ〜山頂、登山道を誤り直登、途中から登山道へ

14日朝4時起きで、5時過ぎに家を出る。6時24分発のあさま号で長野に向かう。長野駅には8時5分着。それからレンタカーを借り笹ヶ峰には、9時40分ごろ到着し、準備を整え10:10に出発、最初は赤いテープを頼りにツボ足で樹林帯の雪原をなだらかに登る。日差しが強く眩しい。歩き出してすぐに暑くなり、アウターを脱ぐ。1時間ほど歩いて一本立て、それから10分ほど歩くと黒沢出合の橋を渡る。ここからが本格的な登山道になるが、踏みあとが複数ありルートが非常に分かりにくい。アイゼンを履き赤テープを頼りに進んだが、そのうち踏みあとがなくなる。仕方なく元に戻り別の踏みあとを辿ると、やっと正式なルートが見つかった。しかしだだっ広い雪原で赤テープが頼りにならないようでは、中々ルートを読むのはむつかしい。結局1時間のロス、この徒労は後あとの歩行にひびいた。ここからが十二曲がりと呼ばれる急登で、夏道の九十九折登りでもきついのに、雪山の直登である。大いに体力を消耗する。十二曲がり上部は、一部で雪が解けておりアイゼンを履きながらの登りは歩きにくい。やがて傾斜も緩やかになり、樹林帯を登りつめると左側に雪庇が張り出した雪原につく。そのまま雪原を進むと、左側に火打山が俯瞰できるようになり、正面には黒沢山の斜面を見上げる。この辺が富士見平か?ここから左側に黒沢山の斜面をトラバースする。結構高度感があり慎重に進む。30分ほどのトラバースを過ぎると緩やかな下りそして高谷池ヒュッテへの登り返しを10分ほど踏ん張ると15:40にヒュッテに到着。小屋は3階建で、我々は2階の部屋をあてがわれた。今日の宿泊客は10人程度であろうか?小屋の1階が食堂兼談話室になっていて、ビールで乾杯する。日が徐々に暮れてきて足元が冷えてきた。ゾウ足でもあればと思ったが持ってきていない。そのうち風が相当強く吹いてきた。小屋が強風で揺れているような気がする。明日の山頂への行程でこんな風が吹いたらかなわないとちょっと心配になる。小屋で酒を飲みながらAさんと話をしていると入口から夕日が差し込んできたので、外に写真を撮りに行く。するとちょうど焼山に日が沈むところで、山が真っ赤に燃えているように見えた。この分なら明日もきっと晴れるだろうと確信しつつ数枚写真を抑えた。
夕食は17:30で18時前には終わってしまい、酒を飲み始めるもすぐに睡魔が襲ってくる。今日の朝は早かったこともあり、19時ごろ就寝。

 深夜かなりの強風が吹き荒れ朝を心配したが、5時ごろ目が覚めると幸運にも風はおさまり雲一つない快晴だ。小屋から外に出て火打山を数枚写す。寒さもそれほどではなく絶好の登山日和だ。食事を済ませ7時に出発、小屋の前は本来なら池塘が広がっている湿地帯だが、この時期はまだ深い雪の下である。目印のない大雪原を前方に見える火打山目指して登る。とりあえずはスキーの滑った後をたどりながら進むが、夏に来たことのない山なので登山道がよくわからない。雪山はどこでも登れるといえばそれまでだが、徐々に傾斜が急になり次第に高度感がある木の全くない急斜面ところまで登り詰めると足が止まってしまった。このまま斜面をトラバース気味には登れそうもないとAさんに音を上げると、Aさんはそのまま直登しハイ松が雪の上に出ているところへ進んで夏道を発見してくれた。夏道に出て一本立て、夏道をたどって山頂を目指す。番いのライチョウが我々の前をちょこちょこ歩いている。火打山は山頂はなだらかなお椀を伏せたように見えるが、山頂直下はやや急である。真っ白な斜面を登り、9:05に登頂、ガイドブックに書いてあったあように、360度遮るもののないすばらしい眺望が眼下に広がっていた。特に白馬岳を中心に北アルプスを望み、妙高山の特徴のある山容も手に取るように眺めることができる。

風は穏やかであたたかい。山頂に15分ほどいて下山を開始、今度は夏道を忠実にたどる。ところどころ雪が解け、土や岩が見えているところがある。なんだ夏道なら全然楽だったのにと思わず登りの無謀さにあきれる。やはり雪山に来る前に夏に一度来てルートを把握しておくべきだ。今回の反省である。1時間ほどで高谷池ヒュッテに戻ってきた。我々が山頂を目指して登りだしたときには、我々以外に山頂を目指している登山者はいなかったが、この時間帯になって登山者や山スキーヤーが続々と山頂を目指し登ってゆくのが見える。あたりまえだけどみんな夏道をたどっている。

ヒュッテで一本立て、黒沢山のトラバースを進み、富士見平から十二曲がりの急斜面を下り黒沢橋に12:20、最後の樹林帯の雪原を下りて登山口に13:20に到着、池の平温泉で温泉に入り、車で長野駅へ、駅前のすし屋で1時間ほど祝杯を挙げ、新横浜へ20時ごろ到着。

今回の山行は両日とも天候に恵まれ、快適な雪山山行を満喫した。強烈な紫外線を受け、帰ってから顔中皮がむけた。火打山は全般的にだだっ広い雪原が多く、方向が判別できず道に迷った。天気が良かったので問題はなかったが、ガスったらまずいことになりそうだ。また正確に登山道をたどればそれほど危険な個所はないが、ルートを誤ると危険個所に遭遇することもあるので、正確な読図技術と雪のない時期に事前に来ておく必要を感じた。全般を通して火打山はすばらしく印象深い山だった。ぜひ紅葉の時期に再度訪れてみたい。(TMR記)

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