1月会山行・富士山雪上訓練




日程:2012年1月21日〜22日



2012年1/21(土) 天候:くもり時々雪 気温:0℃

八王子発(7:24発)=富士急行富士山駅(6:26着)=(タクシー)=中の茶屋(9:50)→馬返し(11:50)→佐藤小屋(16:50)

 富士山駅で、身支度をしてタクシーで出発。火曜日と、一日おいて木曜日から南岸低気圧による降雪が続いており、どこまでタクシーが入れるか気になったが、案の定中の茶屋までしか入りませんでした。
 中の茶屋でタクシーを降り、装備等を整えて10時から歩き初め、トレースをたどって馬返しに着いたのが11:50。雪のためかいつもより30分ほど余計にかかったようです。
 馬返しでは、神社の階段がすっかり雪に埋まっていて、それと分からない。KNさんによると、1月でこんな積雪は近年めずらしいとのこと。自宅を早朝出発で、長丁場が予定されるため、主に30分に一度3〜5分の短時間の休憩を取りながら進みました。
 途中で、10人位のパーティーを抜いた後に、5合目御座石の小屋前で団体さんに合流したところ、それは、都岳連の雪山講習総勢55名のパーティーで(先に抜いたのも都岳連だった)、彼らが、中の茶屋からずっと、えんえんとラッセルしてきたとのこと。そこから我々4人も合流し、交代でラッセルしました(1回やりました)。雪の深さはおおむね膝上くらい(60cmくらいだったようです)で、吹き溜まりで、腰下あたり。雪はどちらかというと湿っていました。ウエアや手袋も多少濡れました。ラッセルにはオーバー手袋が必需品だと思いました。途中から降り出した雪の中、17時近くに佐藤小屋に着きました。我々は7時間、都岳連は8時に歩き始めたとのことで9時間の行程でした!!
 1日目はそれで終わり、佐藤小屋では、KNさんの顔で盛大なサービスを受け、快適に過ごしました。衣類やザックを乾かせたので、小屋泊に感謝でした。

2012年1/22(日)天候:曇り 気温:−3℃

5:30起床 6:00朝食 7:00訓練→12:00訓練終了→12:50佐藤小屋発→14:35馬返し→15:50中の茶屋=タクシー=富士急富士山駅16:00

 2日目は、佐藤小屋のすぐ先の斜面でラッセルのやり方と足の踵に体重をかけて下るかかとキックステップ方法を行いました。
 ラッセルは、“右ー”“左ー”“右ー”“左ー”と重心移動しながら、片方の足に全体重をかけて足元の雪を踏み潰すと同時に、もう片方の足をあげる事がコツで、足を上げやすくするために身体を左右に傾けると足をあげやすいことがわかった。(岩登りの時、片足の上に軸を作りながら重心移動で登る方法と同じ感覚。)効率的なやり方を覚えて良かったです。
 それから佐藤小屋から約2時間かけて、ラッセルを交代で行い、訓練場所に登って行った。
 この時のラッセルは、ラッセルする人はザックをおいて行い、ラッセルが終わったら次の人のために雪面にバケツを掘って、ザックの置き場を作る。そして下に置いてあるザックを取りに下り、またザックを担いで登るという方法をやりました。
 登りでは傾斜を緩和する(下りではスピードをコントロールする)蛇行歩行で登りました。最終目標点に向かう直線の左右に蛇行して登るが、あまり傾斜角度をつけずに蛇行すると、高度が稼げないこと、また雪面を切る形になるので雪崩を誘発する危険性についても、考慮する必要があるとのことでした。
 
 訓練場に到着後、スタンディングアックスビレーの訓練をするために準備を行いました。
 斜面の滑りを良くするために、空身で滑ったり、お尻の下にスコップをあてがって滑って、滑り台のような溝を作りました。
 確保する人の自己確保を取るために、斜面上部にスノーアンカーをセットしました。スノーアンカーを設置する場所の雪が柔らかい場合は、しっかりと踏み固める。その際、力がかかるアンカーの下側もしっかり踏み固めることを忘れないようにする。
 確保する側は、流れるロープの摩擦で首筋を火傷したり、ジャケットやオーバー手袋が溶けたりしないように、綿の上着(襟を立てる)と安物の手袋を身に着けました。
 落ちる役と確保する役を決めて実際に一人ずつやってみました。確保する人は、落ちた人を慌てて止めようと流れているロープを急に握ると確保している人までバランスを崩してしまい危険なので確保する人は必ずロープを流しながら徐々に制動をかけ止めることを心がける。一方で、落下距離は少ないに越したことはないので、落ちたことによってロープがたるんだ分をできるだけたぐる。また足はピッケルを埋め込んでいる方に軸を作って体重をかけてバランスを崩さない ように備えておくことが大事である。
 次に、リードで登る人がプロテクションを設置した上部で落ちた状況を想定して、確保者より上部にスノーバーを打ち込みヌンチャクでプロテクションを取り、ロープをかけて確保を行ってみました。やはりプロテクションがある方が落ちるスピードが和らぎ確保者の急激な衝撃もかなり少ないことが実感することができました。

最後は腰がらみで確保する練習を行いました。
足場をしっかり固めてふんばれるようにしておくことが大事で、確保者は流れでるロープを流しながら徐々に制動をかけるようにする。自己確保用のアンカーも取りました。

【感想】
今回は積雪が多く移動がラッセルだったので移動に時間がかかってしまい訓練の時間は少なかったが、雪山で安全に登り降りするための確保方法を覚えることができて良かったです。

以上 記録:HM

2011年度山行報告へ