森林限界を過ぎるといよいよ鎖場が現れる。岩が濡れていたり、岩場が苦手な人にとってはかなり緊張するところだが、今回のメンバーは全員鎖場というと、俄然元気が出るような者ばかりなので全く問題ない。快適に高度を稼いでやがて権現岳へ続く尾根との分岐に出る。赤岳からキレット方面へ縦走する人たちだろうか何組かのパーティーが休憩している。5分ほど休憩し、ここから急なはしごをいくつか登るとまもなく赤岳山頂に着く。山頂はこれまでの静かな真行寺尾根とは打って変わってたくさんの登山者でごった返していた。
槍、穂高、鹿島槍など北アルプスの山々や乗鞍、御岳、木曽駒、仙丈、北岳など日本中の山が見えるのではないかと思えるほどのすばらしい展望だ。朝は逆光でよく確認できなかったが富士山は初冠雪したようだ。北アルプスの稜線も一部白くなっているように見える。ここで大休止したいところだが、あまりに人が多いので赤岳天望荘まで降りて休憩する事にして下山を開始する。急なガレ場を落石を起こさないように慎重に下り、天望荘の脇で30分ほど大休止する。
鉄の階段や鎖が続く地蔵尾根を一気に下って1時間ほどで行者小屋に着く。テント場は既に満杯状態で平らなところはほとんど残っていない。林の中に丁度一張分の平らなスペースを見つけて早速テントを設営、まずは赤岳登頂と今日一日の無事を祝して乾杯する。
夕飯はカレー。米4,5合を炊き、大鍋でスパム、玉葱、人参、シメジ、エリンギなどをバターで炒め9皿分のカレールーを投入してコトコト煮込むと特製きのこカレーが完成だ。
たっぷり食べ、ほんのり飲んで20時過ぎには全員夢の中だった。 |