谷川岳 幽ノ沢V字状岩壁右ルート

日程:2010年9月3(夜発)〜4日


09/03(金)
 横浜駅西口県民センター前20:30−23:30一ノ倉沢出合駐車場

 県民センター前に集合、第3京浜・環八を経由して練馬ICより関越道に入る。途中渋滞もなく順調に走行して水上ICを出たのが23:00、いつもなら谷川岳ロープウェイの山麓駅であるベースプラザで仮眠するところだが、この夏から夜間閉鎖になったということなので、一ノ倉沢出合の駐車場で仮眠することにした。駐車場に着き車から降りると、夕立が降ったのかアスファルトの路面が一部濡れていた。一部乾いたところもあったが構わずテントを張り早速ビールで乾杯、12:30就寝。

09/04(土)
 駐車場4:45−5:05幽ノ沢出合5:15−6:10カールボーデン
 4:00起床。朝食を済ましテントを撤収して4:45駐車場を出発する。空はどんよりと曇っており、時折小雨がパラつくといった空模様の中ヘッデンを点けて林道を幽ノ沢出合へと向かう。幽ノ沢出合でハーネス装着、SUさんは沢靴に履き替える。ゴーロを10分ほど遡上すると傾斜が強くなり、ノッペリとしたスラブを靴底のフリクションを利かせながら慎重に登っていく。一昨年来た時は濡れたスラブが滑ってかなりてこずったところだが、今回は水量が少なく岩も乾いているのでフリクションもバッチリ利いて快適に高度を上げられる。出合から約1時間でカールボーデン着。
一昨年はここを目前にして降雨敗退しているので感激もひとしおだ。

 カールボーデン6:40−7:10取付−9:55  4P目終了点
 広大なカールボーデンのほぼ中央で大休止、目指すV字状岩壁や中央壁が目前に迫ってくる。ここでクライミングシューズに履き替え、登攀装備を整えてまずは取り付き点へ向けて右俣リンネの左側をSHリードで登る。3級程度の簡単なリッジを快適に登るが、勢い余って3P目を登りすぎ、ビレー点まで7mほどクライムダウンすることになってしまった。右俣リンネ脇のバンド状のビレー点でリードをSUさんに交代、いよいよV字状岩壁登攀のスタートだ。この頃から薄日が差し始めるが、風がさわやかで快適な登攀が予感される。
 1P目。一段下がって右俣リンネを慎重に横断、対岸を少し登ったリッジ上のテラスでビレー。支点が少なく、一部濡れているところもあるので緊張する。
 2P目。トポではここからT2(要)まで下るとあるが、3人で目を凝らして探してもそれらしいビレー点が見つからないため右上することにする。残置ロープを頼りに2m位下り、トラバース気味に右上したところでビレー。
 3P目。緩傾斜のスラブを右上し、その後、急だがホールドが豊富なフェースを直上する。フェースを登り切ったところでビレー。
 4P目。草付きのスラブを進み、右から張り出した岩の裾を左から巻くようにスラブを右上する。頭上の垂壁の少し手前でビレー。

 5P目10:00−10:50 6P目終了点
 5P目。ここからリードをNさんに交代する。頭上の垂壁を右から回り込むように登ると、左手に浅いルンゼが見える。ルンゼの左側はリッジになっている。その入口手前でビレー。
 6P目。左手の浅いルンゼを6、7mほど登り、右側の垂壁を左側のリッジから越える。ここが核心部。高さはたかだか2、3mでホールドはしっかりしているが、傾斜はかなり立っていて緊張するところだ。そこを抜けて右のルンゼ状に入って、すぐ上の土のテラスでビレー。

 7P目10:55−11:55 終了点
 7P目。SHにリードを交代。チムニーをステミングで登り始め、すぐに左のフェースに取り付いてから簡単なルンゼを直上してビレー。
 8P目。両側が草付のルンゼ。正面は支点がほとんどなさそうなので草付を登ることになるのだが、右か左かで判断を迷う。右の草付の方にかすかに踏跡がありそうだということで右を選択したが、これが大はずれ。急傾斜の草付を20mほどヤブこぎしながら登ったところで行詰ってしまった。戻ることも考えたが下るのは危険と判断、草付から左のルンゼ(?)に出て強引に登り、上部草付下に打ち込んであったハーケンを見つけて支点としたが、極端にスタンスの悪いところでビレーすることになってしまった。
 9P目。SUさんにリードを代わってもらう。急な草付から背の低い灌木帯を直上後左にトラバース、本来のルートに合流してから更に草付を右に登ったところが終了点だ。
白毛門、朝日岳、一ノ倉尾根などの展望を満喫する。

 終了点12:15−13:25堅炭尾根
ロープを解き、かすかな踏跡を辿って堅炭尾根へと向かう。すっかり快晴となり午後の強烈な日差しが照りつけて汗が噴出してくる。堅炭尾根に飛び出したところで小休止。武能岳や清水峠の小屋がよく見える。

 下山 堅炭尾根13:40−15:55芝倉沢出合16:15−17:00 一ノ倉沢出合
 しっかりした登山道を芝倉沢出合に向けて一気に下山する。芝倉沢出合で大休止、冷たい沢水で頭や腕を冷やし生き返る。林道を1時間ほど歩き一ノ倉沢出合の駐車場に着いたのは17:00だった。

2010年度山行報告へ