剱岳 八ツ峰Y峰Cフェース、Aフェース


日程:2010年8月7日(土)〜8月11日(水)


8月7日(土)
【天候】晴れ
【ルート】二俣川15:30出発→(八王子IC→圏央道→関越→上信越→北陸道立山IC)→立山駅7日22:30

Sさんの仕事が早めに終了したため15:30に二俣川を出発する。高速道も順調に進み、立山駅は一番近い駐車場に停めることができた。

8月8日(日)
【天候】曇り時々晴れ
【ルート】立山駅6:20→室堂7:30、8:00→雷鳥平8:50→別山乗越10:35→剱沢小屋11:50→真砂沢キャンプ場13:45
                       
5時ごろから周囲がにぎやかになり落ち着かず、周りに合わせてケーブルカーの切符売り場に行ってみると既に販売を開始していた。あわてて並び始発の次の6時20分の切符を購入することが出来た。
4年前に乗車した立山駅から室堂への直通バスは廃止になっていた。(美女平からのバスは荷物料300円が必要)
室堂に7時半ごろ到着し30分それぞれ準備をして8時に出発する。
雲があり直射日光を防いでくれるため雷鳥平から別山乗越まで途中休憩は1本で登ることが出来た。
雲はあるが剱本峰も顔を出していた。
途中剱沢の警備隊に登山計画書を提出し、真砂沢キャンプ場を目指す。
雪渓上を真砂沢キャンプ場まで歩くことが可能だった(長次郎谷出合の先で夏道に入るように標識が立っており、雪渓下の激流(南無の滝)の音は日増しに大きくなっていて、帰りは夏道を歩行した。雪渓歩きは慎重な自己判断が必要)
日ごろの運動不足が露呈してKNはバテバテで何とか到着。

8月9日(月)
【天候】晴れ
【ルート】真砂沢キャンプ場起床2:30;出発3:45→八ツ峰Y峰Cフェース取付き6:30;登攀開始1P7:00→2P8:00→3P8:40→4P8:50→5P9:30→Cフェースの頭9:50→XYのコル11:30→真砂沢キャンプ場13:30

3:45にキャンプ場を出発する。KNは昨日の疲労が取れておらず長次郎谷の登りがかなりスローペースとなってしまう。
雪渓脇の大岩を目印にアイゼンとピッケルをデポしてY峰Cフェースの取付までガレ場を登る。不安定なガレ場で落石がおきやすい急斜面を登る。テントが張られた熊ノ岩がいつの間にか眼下に見える。
7:00にCフェース剣稜会ルートをNさんリードで登り始める。1P目、2P目を順調に登る。壁は傾斜しておりホールドも豊富でさらに花崗岩の岩肌は靴の食いつきも良く快適に高度が稼げた。2P目の終了点があまりよくなく3P目のビレイ点は少し上に変更する。3P目後半から高度感が増してくる。4P目はCフェースの核心部でナイフリッジは最高の眺めだ。Dフェースとお見合いをしながらトラバースして4P目を終了。最後のピッチは落石に気を付けながら登りCフェースの頭に到着。
XYのコルまでクライミングシューズのまま移動する。先行2パーティはAフェースの頭とのギャップへ懸垂下降するようだ。我々は三ノ窓側の段差を一気にXYのコルまで懸垂下降することにする。
コルからはガレ場を下る。デポしたアイゼンとピッケルを装着し雪渓をひたすら歩いてキャンプ場に到着。

8月10日(火)
 【天候】曇り時々晴れのち雨
【ルート】真砂沢キャンプ場起床3:30;出発4:50→八ツ峰Y峰Aフェース取付7:20;登攀開始1P7:50→2P8:45→3P9:25→Aフェースの頭9:50;大休止10:25→XYのコル11:00→真砂沢キャンプ場12:55

昨日はKNが疲労困憊だったため、やや遅めに出発する。混雑を予想していたがAフェースに到着すると誰も居ない。Cフェースにも人影は見えない。火曜日だから?と納得してゆっくりと準備をする。昨日と違い曇天ではあるが天気は持ちそうだ。
本日もNさんリードで魚津高ルートを登る。下から見ているとクラック通しですんなり登れそうだ。しかし登ってみると一箇所厳しい所があった。左ハング気味の岩のクラックに誘われ身動きが取れなくなってしまう。たまらずテンションを要求しながら右足をぐっと横に伸ばして脱出する。
2P目はAフェースの「かど」(カンテ)を登る。雪渓から眺めるとクライマーが岩にくっついているように見えるところだ。
3P目をこなしAフェースの頭で大休止。
這松の間の踏跡をクライムダウンして懸垂下降点に移動し、XYのコルへ懸垂下降する。
全員がコルへ降りるのを待っていたかのように雨が降り出した。
キャンプ場に着くと雨が強まり、鍬を借りて溝を掘ってもテントのグランドシートの下に雨が流れ銀マットが浮いてしまった。
ロッジの情報では、12日に台風が富山に上陸との予報だった。そのとおりになると、Sさんが予定の12日に下山ができなくなる可能性があり、また後続チームとの打合せも必要になる。そこで、明日予定していた源次郎尾根は中止とし、Sさんは1日早く下山することにして寝る。

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【天候】曇り時々晴れ
【ルート】真砂沢キャンプ場起床4:00;出発6:10→剱沢小屋9:23;気象情報確認10:10→別山乗越11:45;連絡12:05→雷鳥平13:30→室堂14:50→立山駅16:40

台風は予想より遅く13日午前3時頃富山に上陸との情報も出てきて協議したが、Sさんは昨夜の打合せどおりハシゴ谷乗越を越えて黒部ダムへ抜け、NさんとKNは剱沢キャンプ場まで移動し台風の詳細情報を入手し12日に登ってくるはずの後続チームの計画続行可否の最終判断をする事にする。
天気はこの日は良く時間の余裕があるので雪渓をゆっくりと登っていく。
剱沢小屋に台風の詳細情報を入手するために寄る。佐伯友邦さんに丁寧に応対していただいた。天気図を見せていただけるというので小屋の中に入ると天気図はデータ放送だった。
デジタル放送恐るべし!真砂沢出発前の情報と変わって、台風のスピードが少し上がり、12日の夕方から悪化して13日はかなりひどい天候になるとの情報だった。あまつさえ山は台風の影響が早く現れ遅くまで残る可能性が強い。携帯電話が通じる別山乗越まで移動し後続チームと連絡を取り中止にする。
お盆休み本番で続々と登ってくる登山者とすれ違いながら室堂へ下る。Nさんを富山駅に送り2010年の夏山合宿は終了した。
KN記

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