・緩傾斜帯
草付帯を抜けルンゼ状斜面に入る。Cガリーのトラバースへの入り口はルンゼ状斜面の左側のちょっとした藪の中にある。見落とすはずはない踏み跡があるが、登るのにうつむいているため意識していないと通り過ぎてしまう。
Cガリーを上に詰めるルートもあるらしいが、我々は少し下ってから第4尾根の下部に入った。
ここでクライミングシューズに履き替え潅木に覆われた岩を登り、第4尾根取付のテラスに到着。天気も一気に回復し富士山がくっきりと見える。
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・第4尾根1P(W級+40m)
C沢を詰めてきた先行パーティーがおり、小休止となる。しばらくして大滝で一緒だったパーティーも合流してくる。緩傾斜帯を上りすぎてCガリー横断で苦戦したとのこと。Cガリーの方を見ると懸垂下降しているパーティーが見えた。やはり間違える人が多いようだ。
いよいよ第4尾根登攀開始。Nさんリードで進む。キャメロット#1でプロテクションを取り名物のクラックに足を突っ込み登っていく。
いよいよ自分の番となる。最初の一歩がすべるためギャラリーが多い中で妙に緊張する。岩も乾き温くなりクライミングシューズも良く効くので大胆に進むことが出来た。難しさよりフットジャムの足の痛さが記憶にのこった。 |
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・2P(V級−35m)
後続を意識して上のビレイ点を探したためNさんが先へ進み2P目の途中でリードしていた。Nさんの場所は3人が並ぶには不安定なためSさんが下方になる本来の2P目でビレイをし直しそのままNさんが進む事にする。
2P目は右側が階段状で登りやすいようだが、左のスラブ状の斜面を登る。スメアリング頼りの登攀となるが岩は乾燥しており多少のホールドでも靴が良く効いて不安はない。スラブ上の斜面を登るとリッジになっておりピラミッドフェースの頭の下を巻くように進む。
・3P(V級40m)
Sさんリードで進む。その名のとおり白い岩がフェース状になっている。後半に高度感があり緊張するが、小さなホールドがあるため一つ一つ拾いながら登る。 |
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・4P(U級20m)
ピラミッドフェースの頭の裏側のビレイ点からSさんリードで進む。ビレイ点からSさんを見ることはできない。
このピッチから高度感が増してくる。ロープの流れが悪く岩に引っかかってしまう、すんなり登れば楽なのにロープのせいで妙に高度を感じさせられる動作を強いられる。
・5P(X級35m)第4尾根の核心部と言われる垂壁。最初の2,3歩がすべるためその先をどうするか悩む所。
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幸い右がガバれるとの情報をもらったため手を伸ばすとまさしく「ガバ」っとつかめた。おかげで一気に上に上がることが出来た。しかしその先はナイフリッジとなり登攀の難しさより高度感で目がくらみそうになる。ここからマッチ箱のピークまで最高の空中散歩という所だが下を見る余裕もなくひたすら登る。<BR>
マッチ箱のピークの懸垂点は手前にもあるのだが、Nさんが続いてくるパーティーを意識して一番先の懸垂点まで進んでいる。そこでの懸垂準備は狭い上に高度感抜群で懸垂の準備がよれよれになってしまった。 |
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・懸垂下降
マッチ箱から懸垂下降しテラスへ降りる。マッチ箱の先端から素直に懸垂下降するとテラスの少し上に降りる事になる。
・6P(W級40m)
マッチ箱の横のフェースを登る。リードのSさんはクラックがフェースか迷いながら最後はフェースを登る。クラック沿いに行くのが楽そうだが、靴が良く効くのでフェースを登った。 |
・ 7P(W+50m)
Nさんリードで枯れ木テラスを通過して更に上のビレイ点まで進む。50mロープが目一杯伸びる。枯れ木テラスを越すあたりで緊張する部分があるが、それを越えればもう厳しい場所はない。
・ 大テラスへ
8P目をとる場合もあるそうですが、ロープはつけたままクラックをまたいでまずは小テラスへ移動。ここでロープをしまって最後の斜面を登り大テラスへ移動し終了。
喜びを分かち合い写真を撮って装備を解除。やった! |
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テントの撤収も含めると帰りのバスが気になるのでサクッと北岳山頂に寄り13時に下山を開始する。
下山途中で今日のバスは16時が最終との情報があり愕然となる。白根御池小屋で17時があることの確認を取るまでは超ハイペースで下ることになる。
(結果はバス時刻表では土日祝日は17時が最終となっているが、実際は17時はバスでは無くタクシーが対応しているようだった)
体に鞭打って白根御池小屋に14時40分に到着。小屋で17時のバスを確認できたため安堵しながらも、急いでテントを撤収し広河原を目指す。これからは荷物の重量も増しての急坂下りになる。広河原についた時はもう膝はがくがく。芦安で温泉につかり帰路に着く。高速は大渋滞で、大月から一般道に降りて帰宅は23時を過ぎていた。明日は仕事だ↓。 |
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装備(パーティ合計)
ロック付カラビナ 6
カラビナ 15
スリング(テープ)長6、短6
スリング(ロープ)3〜6
ヌンチャク 9
クックドロー 6
ATCガイドなど制動器(必要なロック付カラビナ含む) 3セット
カム(キャメロット)#0.5〜#1 2セット
ロープ 8.0mm50m×1本、8.2mm50m×1本(各ダブルロープ)
ハンマー、ハーケン 2セット
服装
夏の長ズボン、半そでをベースとして雨具を羽織っての行動となった(雨だったので)。
濡れたせいもあり、テントではコンロをつけていないと寒かった(燃料を小屋で補充した)。
登攀中は雨具ズボンをはいたまま、上は雨具を脱いで長袖での行動。Nさんは私と逆に上が雨具で下は長ズボン、Sさんは雨具上下で登攀した。待ち時間は風が時々冷たかった。
(KN記)
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